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――社会保障審議会児童部会――
「児童虐待防止等に関する専門調査会」報告書について(1)
 厚生労働省雇用均等・児童家庭局総務課虐待防止対策室は、平成十五年六月十八日、標題の報告書を公表した。
☆児童虐待防止等に関する専門委員会(委員長・柏女霊峰淑徳大学教授)は、平成十四年十二月より社会保障審議会児童部会の中に設置され、児童虐待の問題について検討していたが、このほど報告書をまとめた。
 
社会保障審議会児童部会
「児童虐待の防止等に関する専門委員会」報告書
(平成十五年六月)
 
1、はじめに
 児童虐待への対応については、「児童虐待の防止等に関する法律」(施行:平成十二年十一月二〇日。以下「児童虐待防止法」という。)の施行以来、広く国民一般の理解の向上や関係者の意識の高まりが見られ、また、この間、様々な施策の推進が図られている。
 しかし、全国の児童相談所に寄せられる虐待の相談処理件数も、ここ数年の間に急増し、平成十三年度においては、児童虐待防止法が施行される直前の平成十一年度の約二倍となる約二万三千件にも上っている。
 また、児童相談所の職権による一時保護や、保護者の意に反する児童福祉施設への入所措置を家庭裁判所に申し立てる件数の増加など質的にも困難なケースが増加している。児童養護施設に入所する子どももここ数年増加し、虐待を受けた子どもの入所も増加している。
 このような状況にあって、児童虐待対応の中核機関である児童相談所や虐待を受けた子どもを受け入れている児童福祉施設をはじめとする関係機関においては、様々な取り組みを行っているものの、十分には対応し切れていないなど、大変厳しい現状におかれており、児童虐待への対応は、早急に取り組むべき社会全体の課題である。
 また、「児童虐待防止法」の附則においては、「児童虐待の防止等のための制度については、この法律の施行後三年を目途として、この法律の施行状況等を勘案し、検討が加えられ、その結果に基づいて必要な措置が講ぜられるものとする」と規定されている。
 こうしたことから、本専門委員会においては、下記「2、児童虐待防止制度見直しの基本的な視点」の考え方に立ち、児童虐待に関する現行制度の実施状況等を踏まえた制度全般にわたる検討を加えた。
 具体的な検討を進めるに当たっては、児童虐待への対応は、一般的には、(1)発生予防(2)早期発見・早期対応(3)保護・支援の三段階に整理されることから、各段階ごとに三つの検討チームに分かれての集中的な議論を進め、これらの検討チームにおける九回の会合を含め、十四回にわたる検討を重ね、今般、当面早急に取り組むべき課題を中心に、その取り組みの具体的な方向性について取りまとめたものである。
 
2、児童虐待防止制度見直しの基本的な視点
 虐待は子どもに対する重大な権利侵害であり、その防止に向けては社会全体で取り組むべき課題である、との認識に立つ必要がある。そして、その取り組みを推進するに当たっては、常に「子どもの最善の利益」への配慮を基本理念として、児童虐待を予防し、発見から再発防止、さらには社会的自立に至るまでの総合的な支援の手を親子に対して用意することが必要である。
 それは、虐待を受けた子どもの保護や支援の充実に加え、保護者に対する支援を通じ、家族の再統合や家族の養育機能の再生・強化を視野に入れたものである必要がある。そして、そのことは、専門機関・施設のみならず、地域の幅広い支援ネットワークによって初めて実現するのである。
 児童虐待という親子間の最も深刻な事象に対応できる社会を創りあげていくことが、すべての子どもと子育てにやさしい社会づくりにつながるとの視点を持つことが必要である。
 
3、具体的な取り組みの方向性
 本専門委員会における児童虐待防止制度の見直しの検討に当たっては、別添に示したような幅広い論点事項について、議論、検討を重ね、以下のように整理した。
 なお、以下の整理においては、取り組みの各項目ごとの基本的な考え方となるべき「取り組みの方向性」を示すとともに、「取り組みの方向性」に沿った取り組みを具体的に進めるに当たっての参考となる主な意見について、本専門委員会全体としては、必ずしも意見の一致を見ていない意見も含め、「具体的な取り組みに関する意見・提案」として整理した。また、今後、中長期的な対応も視野に、さらに時間をかけて検討すべきと考えられる課題については「今後の課題」として整理した。
 さらに、本委員会で出された様々な意見については、別添「児童虐待防止対策における論点事項に係る意見及び具体的施策等について」において、できる限り、網羅的に整理した。
I、発生予防における取り組み
 虐待は、その後の子どもの発育障害や発達遅滞、情緒面や行動面の問題、さらには虐待の世代間連鎖などを引き起こすこともあると言われており、子どもの一生涯、さらには世代を超えて大きな影を落とすものである。
 また、いったん特段に援助が必要な状態にまで至ってしまうと、その改善は容易ではなく、相当手厚い支援を必要とすることになる。
 こうしたことを考えれば、保健事業の充実や子育て支援対策の充実など保健や医療、福祉等の連携による取り組み、さらにはNPO等民間団体等との協力を通じて、できる限り、虐待の発生を未然に予防することが極めて重要である。
 このため、一般的な子育て支援の充実により、幅広く支援を望む人に対応していくとともに、保健師等による専門的な支援については、より効果的に虐待を未然に防止していく観点から、これまでの「支援を望む人に幅広く」から「支援を必要とする人によりきめ細かく」という考え方に転換し、支援の重点化を図っていくことが必要である。
 
(1)一般の子育て支援の充実
【取り組みの方向性】
 日常的な育児相談や診療、学校教育、家庭等の様々な場面において、子育て支援の取り組みを充実することにより、育児負担の軽減を図り、養育者の孤立化を防ぐことが虐待を未然に防止していく下支えとなる取り組みとして重要である。
【具体的な取り組みに関する意見・提案】
・子育て支援サービスに関する情報の周知や育児支援機関の連携の強化により、産後間もない時期から地域全体で支えていく一般子育て支援の充実が重要である。
・産後のマタニティーブルーズ等のうつ状態への対処法などについて、母子健康手帳交付時や母親学級、プレネイタルビジット(出産前小児保健指導)等の機会を利用し、適切な情報を提供していくことが必要である。
・子育てOB(経験者)などのボランティアによる育児支援とそうした支援活動を専門的にバックアップするため、保育所や児童養護施設の機能を活用することを検討することが必要である。
【今後の課題】
・男性の働き方の見直しや子育ては楽しいと思える希望を持てる教育の充実など、社会全体で子育てを応援していくという意識・文化を醸成していくことが必要である。
(2)虐待リスクのある家庭の把握
【取り組みの方向性】
 養育者が精神的にも肉体的にも最も支援を必要とする出産後間もない時期を中心に、母子保健事業や日常診療等の強化を図り、自ら訴え出ないが、実際には過重な育児負担のある養育者が確実に支援と出会えるように積極的なアプローチを図ることが必要である。
 また、限られた社会資源の中で様々な要因をもつ虐待リスクのある家庭(育児困難家庭)が効果的な支援に出会うためには、虐待リスクのある家庭を的確に把握していくことが重要であり、そのため、リスク要因が明確に把握できるアセスメント(評価・判断)指標の開発が重要である。
 なお、虐待リスクのある家庭を把握していくにあたっては、育児困難家庭が必ずしも虐待につながるわけではない、という当然のことを十分に認識した上で取り組みを行っていくような配慮が必要である。
【具体的な取リ組みに関する意見・提案】
・乳幼児健診等の従来の母子保健事業の中で虐待発生予防の視点を強化し、必要な支援が必要な時に提供できるような体制整備が必要である。
・育児困難度が高いと考えられる家庭は、そうでない家庭に比して相対的に虐待のリスクを抱えているという考え方があることを踏まえ、限られた資源の中で効率的な発生予防の活動を行っていくには、アセスメント指標等を用いて、ある程度リスク因子を明確にしていくことが必要である。
・養育者が精神的にも肉体的にも最も支援を必要とする出産後間もない時期を中心に、家庭訪問等の積極的なアプローチを図るとともに、乳幼児健診未受診者等、自ら訴え出ない様々な背景要因をもつ養育者に対してもアプローチしていくことにより、虐待リスクを早期に把握し、必要な支援につなげていくことが必要である。
 また、保健師等がそうした支援活動を行いやすいよう、その根拠を明確にすることも必要である。
・小児科等において、母子健康手帳を活用した育児に関する悩み相談を行うなど、虐待予防を念頭においたさらなる取り組みが重要である。
(3)虐待リスクのある家庭のリスク低減
【取り組みの方向性】
 虐待のリスクを低減していくためには、リスクの内容や程度を適切にアセスメント(評価・判断)する指標を確立し、支援の方向性を的確に判断することが必要である。
 また、保健師などの虐待発生予防に係る専門職種の資質の向上を図るとともに、市町村の相談機能の強化、虐待予防に資する子育て支援サービスメニューの充実によるリスクの低減、グループワーク等による養育者の孤立を防ぐための専門的な支援等が重要である。
【具体的な取り組みに関する意見・提案】
・市町村における子育てや虐待に関する相談機能の強化が必要である。
・保健所は、市町村の対応事例で処遇困難な者やネットワーク会議におけるコーディネート機能などにおいて市町村を積極的に支援する体制をとるとともに、未熟児・精神保健相談等ですでに関わっている虐待リスクのある家庭に対しては、関係機関の協力のもとに主体的に関与することが必要である。
・地域子育て支援センターや子育てのOB、産褥ヘルパー、ショートステイ、グループワークの活用など虐待リスクのある家庭を支えるサービス等(補償因子)を強化することが必要である。
・虐待リスクのある家庭の様々な背景や程度をアセスメント指標等を用いて専門的に判断し、リスク低減へ向けて濃厚な家庭訪問を行う等有効なサービスを確実に提供することが必要である。
・保健師、助産師、看護師、保育士等の虐待の発生予防に関わる専門職の研修による資質の向上が必要である。
・自ら訴え出ないが、子どもにとって問題があり、支援が必要である家庭に対する支援の充実が必要である。
【今後の課題】
・精神医療の取り組みにおいて、子どもと養育者とをともにみていくなど家族全体に関わるという視点を持つとともに、必要に応じ、保健や福祉の関係機関につなげていくなどの予防的アプローチの充実を図ることが重要である。
(4)連携による支援体制の確保
【取り組みの方向性】
 地域の実情に応じた支援体制の強化をはかるためには、関係機関それぞれの役割を明確化し、さらなる取り組みを促すとともに、民間の相談機関も含めた機動力のある連携体制を組むことが必要である。
 その際、特に住民に最も身近な市町村においては、子どもに関する一義的な相談に積極的に関わるなど、虐待の予防についての役割を強化することが必要である。
【具体的な取り組みに関する意見・提案】
・住民に最も身近な市町村において、子どもに関する相談を積極的に実施することが必要である。
・市町村における虐待防止ネットワーク体制をさらに充実し、発生予防の機能を強化するとともに、柔軟で機動力のある地域ネットワークとの連携を推進することが必要である。
・NPOなどの民間機関等との連携の強化を図り、ネットワーク間での情報の共有化をスムーズに行うことができる体制を整備することにより、虐待への対応力を強化するとともに、ケース対応の進行管理等を行う支援体制の強化も必要である。
・NPOなどの民間機関等の取り組みに対する専門家によるバックアップ体制の構築などの支援、連携を強化することが必要である。
・ファミリーサポートセンター、地域子育て支援センター、児童家庭支援センター、保育所、男女共同参画センター等、既存の子育て相談機関等との情報の共有化等、地域における支援体制の構築を図ることが必要である。
【今後の課題】
・地域の小児科医等における虐待予防の視点をさらに普及していくため、情報データバンクの構築やスーパーバイザーの育成等地域に拠点を設けてバックアップ体制を強化することが必要である。
(5)虐待を認めない社会づくり
【取り組みの方向性】
 虐待を認めない社会づくりの基本として、子どもの人権尊重に対する理念の明確化や虐待を予防するための取り組みの必要性について、広く国民に周知することが必要である。
【具体的な取リ組みに関する意見・提案】
・子どもの人権擁護の理念など子どもの人権尊重に対する理念の明確化が必要である。
・教育の場における虐待防止に向けた積極的な取り組み、例えば、CAPプログラム(子どもへの暴力防止プログラム)などの子ども自身の自己防衛能力や自信を獲得していけるような実践的な教育の推進などが必要である。
・ペアレンティング(親業、親になること)に関する体験的な学びの機会を学校教育を中心に積極的に推進することが必要である。
II、早期発見、早期対応における取り組み
 虐待の早期発見・早期対応をさらに進めていくためには、その中心的機関である児童相談所の現行の体制には限界がある。
 このため、今後、児童相談所の業務の一部を市町村や他の機関に委譲することや、より幅広い専門職種との連携強化、児童相談所の虐待対応に関する対応力の強化を図るため、司法関与の仕組みについても検討するなど、児童相談所全体のあり方を見直すとともに、それに応じた体制の確保を図っていくことが必要である。
 さらに、児童相談所の支援を受けつつ関係機関が一体となって取り組む体制として、市町村の果たすべき役割を明確化するとともに、市町村における虐待防止ネットワークの設置の一層の推進を図ることが必要である。
(1)対応機関の機能、システム
【取り組みの方向性】
 虐待相談件数や緊急事例の急増等により、児童相談所においては、現行制度上、担うこととされている幅広い相談業務の全てに必ずしも対応しきれていない状況にあることを踏まえ、例えば、一部の業務を他の機関に委譲し、児童相談所の業務の重点化を図るなど児童相談所のあり方等について見直しを検討することが必要である。
 また、児童相談所の機能の強化を図るため、必要な職員の確保と専門性の向上、医師、保健師・助産師・看護師や弁護士等の幅広い専門職種との連携強化を図るとともに、一時保護のあり方についても検討することが必要である。
 さらに、早期発見・早期対応における地域の機関、住民の果たす役割は大きいことから、福祉事務所に設置されている家庭児童相談室や児童委員、とりわけ主任児童委員等を地域の福祉の核として、積極的に活用を図ることが必要である。
【具体的な取り組みに関する意見・提案】
・虐待対応の緊急性を踏まえ24時間・三六五日対応が望ましいが、現時点においては地域の実情に応じた体制を整備することが必要である。
・一時保護所における混合処遇(被虐待、非行、不登校、障害児など)の改善や治療的関わりの強化、教育の充実が必要である。
・児童相談所における相談業務のうち、障害相談、健全育成相談などは市町村や他機関での役割分担が考えうる。
・児童の診察、指導、親指導、職員へのスーパービジョン等を強化する観点から、児童相談所における医療機能を充実することが必要である。
・児童相談所の相談業務における対応の強化、とりわけ家族再統合や家族の養育機能の再生・強化に向けた保護者支援の取り組みや里親支援の強化などを図るため、スーパーバイズ機能の強化や職員の増員が必要である。
・従来、障害の判定業務が中心であった心理判定員業務について、虐待等新たなニーズに対応した見直しが必要である。
・子どもの虹情報研修センター等における実践研修の実施、専門相談等の充実やソーシャルワークにおける介入的技法の確立と普及が必要である。
・地方分権の観点から指摘されている「児童相談所、児童福祉司の必置規制の撤廃」については、虐待対応等における児童相談所の有する権限発動の役割や職員の質の確保等の観点から、慎重に検討することが必要である。
・現在、都道府県および指定都市に設置権限が認められている児童相談所について、中核市においても設置可能とすることについては、数が増え、住民の身近になるというメリットと、職員の専門性の確保が可能か、保護児童の入所措置にかかる広域調整が可能かといった課題も踏まえ、検討することが必要である。
・一時保護所以外の多様な保護の場の設置などシェルター機能の強化とシェルター機関を支援する体制の整備が必要である。
・児童相談所職員の専門性の確保のため、地方自治体における福祉専門職の採用や専門職の中途採用、希望任用や人事ローテーションなど人事管理のあり方の見直しが必要である。
・病院、診療所の場において、とりわけ救急センターや夜間の外来は、虐待リスクのある家庭に出会う確率が高いことを踏まえ、救急を含めた小児医療の取り組みの中に虐待防止や早期対応のノウハウを盛り込むなど、児童虐待を念頭においた診療を充実することが必要である。
・家庭児童相談室については、今後、地域における相談支援サービスの中核的な役割を担うことが期待される。このため、都道府県設置の郡部福祉事務所に置かれている家庭児童相談室の位置付けを含め、そのあり方について、地域保健等との連携といった観点からも、検討することが必要である。
・福祉事務所に設置されている家庭児童相談室の家庭相談員の常勤化を促進することが必要である。
・現行制度上、地区担当の児童委員の活動に対する援助や協力、連絡調整を行うこととされている主任児童委員が、児童虐待防止に関する活動を単独で行うことができるようにするなど、主任児童委員を積極的に活用できる仕組みを検討することが必要である。
(2)虐待の早期発見・通告・早期対応のシステム(自治体とNPO、民間団体との連携等)
【取り組みの方向性】
 児童相談所のあり方と併せ、市町村の役割を検討することが必要である。その際、市町村が子育て支援に果たす役割、市町村保健センター等における保健事業の実績等も考えあわせ、より積極的に役割を強化する方向で検討することが必要である。併せて、保健所と市町村保健センター等における役割分担についても検討することが必要である。
 とりわけ市町村におけるネットワークは、児童虐待の発生予防から自立に至るまで大きな役割を果たしうることから、引き続きその設置を促進することが必要である。
 さらに、民間団体との連携強化を図ることも必要であるが、連携を進めるに当たっては、守秘義務の扱いについて留意しつつ、民間団体の機能を過度に制約することのないよう、公的機関とは異なる配慮が必要である。
 なお、児童相談所のあり方や市町村の役割などについては、「児童部会」本体において児童相談所全体のあり方を見直す中で、当専門委員会が指摘した諸点を十分に踏まえ、さらに検討を深めることが必要である。
【具体的な取り組みに関する意見・提案】
・市町村ネットワークの設置促進が重要である。なお、民間団体も含めた幅広い関係機関の連携を強化するに当たっては、その関係者が基本的認識を一つにした上で組織的に対応できるよう市町村におけるコーディネート機能を明確化することが重要である。
・児童家庭支援センターなど地域支援の拠点を拡充することが必要である。
・在宅指導における学校との連携体制を構築することが必要である。
・例えば、相談への動機がある場合は市町村で、問題意識がなく、強権的な介入が必要な場合は児童相談所が担うなどといった、児童相談所と市町村との役割分担の整理を検討することが必要である。
・児童相談所における児童虐待対応業務のIT化のモデル実施状況を踏まえ、さらなる活用策を検討することが必要である。
・子ども、親、家族への効果的な支援プランを作成し、実施するために必要な心理的、社会的アセスメント手法の確立に向けた研究及び実践を推進することが必要である。
・民間団体の果たす役割や自治体との連携、民間団体の育成や支援のあり方について検討することが必要である。
・通告義務の対象である「児童虐待を受けた児童」については、「児童虐待を受けているおそれのある児童」を含めて対応することが適当であり、その旨の明確化を検討することも視野に入れつつ、広く柔軟に解釈して運用することが適当である。
・虐待の通告に関する免責及び罰則規定の整備の必要性や是非について、検討することが必要である。
・虐待の通告のネックになっている原因等を明らかにし、通告が促進されるような環境を整備していくことも必要である。
・複数の機関による継続的な家族支援を行うことになることから、援助に関する規定の整備に当たっては、虐待防止の観点のみならず、守秘義務、個人情報の保護との関係などにも留意しながら検討することが必要である。
(次号につづく)
 
日本保育協会人事異動
☆六月三〇日付・退職( )内は前職
・青柳柾子(嘱託・事業部)
☆七月十四日付
・登録事務処理センター登録管理部経理課長 門脇猛(新規採用)
・事業部事業課 岡本奈緒(総務部総務課)







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