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保育界(平成15年7月号)

 事業名 保育活動の推進
 団体名 日本保育協会 注目度注目度5


――食品の期限表示――
たべものの話(107)
道野英司
 スーパーマーケットやコンビニエンスストアなどで食品を買うとき、包装の裏側に品名、原材料、内容量、賞味期限、製造者、保存方法などの表示をご覧になって、字が小さい、解りにくいなどと感じられている方も多いのではないだろうか。
 食品の包装には、ほかにも名称、品質保持期限、輸入者、添加物、保存方法、栄養成分、原産地、原産国、アレルギー成分、遺伝子組換え食品であるかなどいろいろな情報が表示されている。
 これらの食品表示は、「食品衛生法」をはじめ、「健康増進法」、「農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律(いわゆる「JAS法」)」、「不当景品類及び不当表示防止法(いわゆる「景表法」)」、「計量法」のほか、公正競争規約など様々な制度による規制を受けている。
 表示の内容別にみると、品名、製造者の住所、原材料、使用添加物、期限表示などは基本情報であり、主として食品衛生法とJAS法で記載が義務づけられている。さらに、食品衛生法では、その目的が飲食に起因する衛生上の危害の発生を防止し、国民の健康を保護することであるため、保存温度や冷凍食品の場合に食べる前に加熱を要するかなどの表示や小麦、そば、卵、乳、落花生などのアレルギー成分表示などが義務づけられている。
 一方、JAS法では、原産地、有機食品、原材料、内容量、養殖など主として一般消費者の選択に必要な情報の表示を義務づけている。
 食品衛生法やJAS法以外では、栄養成分表示や特定保健用食品については「健康増進法(昨年までは「栄養改善法」)」、内容量表示は「計量法」で規制されている。
 このように食品の表示はいろいろな役所がいろいろな制度で規制していることがわかる。いかにも縦割り行政の典型という見方もあるが、それぞれの法律で定められた範囲内でそれぞれの目的に即して規制を行っているわけで、食品衛生法がJAS法の分まで基準を作るというような、ある法律の機能を他の法律で肩代わりすることはできない。まあ、複数の規制が重複していても、内容が同じであれば消費者も規制を直接受ける企業も混乱はないと思われる。
 しかし、今回問題となったのは、その食品がいつまで食べることができるか、ということを示す期限表示について、食品衛生法では「品質保持期限」、JAS法では「賞味期限」という異なる用語を使用し、さらにその意味については食品衛生法では「定められた方法により保存した場合において、食品又は添加物の全ての品質の保持が十分に可能であると認められる期限を示す年月日」とされており、JAS法では「容器包装の開かれていない製品が表示された保存方法に従って保存された場合に、その製品として期待されるすべての品質特性を十分保持しうると認められる期限」とそれぞれが定めている。もちろん「品質保持期限」又は「賞味期限」いずれかの表示があればどちらの法律にも違反しないのであるが、特に消費者からみると解りづらいと指摘された。
 両制度で異なる用語が使用された経緯は、もともと食品の製造年月日表示制度を期限表示制度に変更した平成七年以前に遡る。当時の厚生省では数年前からLL牛乳など一部の食品に「品質保持期限」という用語で期限表示制度を導入済みだったため、他の食品にも同じ用語を適用した。一方、農林水産省では当時業界で一般的だった「賞味期限」ということばを採用したため、結果的に両制度が異なる用語を指定することとなった。
 厚生労働省と農林水産省では、こういった期限表示用語の統一や表示エイド全般を共同で検討する目的で、昨年十二月に「食品の表示に関する共同会議」を設置した。
 まず、「賞味期限」、「品質保持期限」いずれに統一するかについて、一般から意見募集をしたところ、賞味期限に統一との意見は六割、品質保持期限に統一との意見は一割で、厚生労働省の「品質保持期限」は惨敗した。
 先月、共同会議の結論が出されたが、上記の意見募集結果が大きくものを言い、「賞味期限」に統一することとなり、定義は従来から厚生労働省が「品質保持期限」に用いていたものとほぼ同じものとされることとなった。
 今から考えれば、期限表示制度を導入したときにこのような整理をしておけば今になって検討をし直す必要はなかったということとなるのだが、当時は当時で調整ができない事情もあったのではないだろうか。いずれにしても今後は「賞味期限」に統一され、食品表示を消費者の皆様にわかりやすいものとする取り組みの一歩として受け取っていただければ幸いである。
(厚生労働省食品保健部監視安全課課長補佐)
 
 
 
水を使った運動の考え方とアイデア
〜〔こどもの城〕幼児グループのプール遊び〜
こどもの城
保育研究開発部
秋元宏之
 
通年でプールを使った活動
 
 保育研究開発部には会員制の保育プログラムである「保育クラブ」と定期的継続的に二年間保育に参加する四、五歳児の保育プログラムの「幼児グループ」があります。
 「幼児グループ」では、大型児童館の施設の中での活動を意識的に組み込んだプログラムとして、夏休みを除き、ほぼ毎週一回、通年で〔こどもの城〕地下二階の温水プールを利用した活動を行っています。幼児用の浅い小さな変形のプールと二十五メートル×十メートル、水深約一メートルのプールの中に、プールフロアという台を入れて浅くした場所の二か所を使ったプログラムです。
 
プールフロアの上を“走る”
 
プールでの活動
 
 「プールでの活動」と言っても単に水泳を教えるのではなく、また、水遊びに終わるのでもなく、「水を使った遊びを身体運動につなげていく」という考え方で進めています。
 水泳を習っているなど、一部には既に得意な子もいますが、初めてプールに入る子、さらに水に対して恐怖心を持っている子も一緒に入ります。そのため「プールでの活動」は――、
・遊びとして紹介する。
・ステップを細かくして繰り返し行う。
・飽きないように少しずつ変化をさせる。
・到達目標を分り易く提示し、徐々に先へ進める。
 などと、計画を立てて進めていきます。
 具体的には、例えば――、
・場所に慣れる(プールそのもの、照明、音の響き・・・)
・プールサイドを歩く(滑りやすさを知る。ていねいに歩く)
・浅い水の中を歩く(だんだん深く)
・手で水に触れる(水飛沫を上げる、水をすくう、水をかく)
・顔に水を付ける(だんだん平気に)
・水に顔を付ける(平気になったら、目を開け水中を見る)
・息を止める(空中で、数秒〜十秒程度、長時間は幼児には必要ない)
・潜る(数秒〜十秒程度)
 などを一〜二年かけて続けることで「水が怖くなくなる」から「溺れない」へ、さらに将来的にはその先の「泳ぐ」へつながるのだと思っています。
 こうしたプログラムの内容からプールが得意な子どもたちは、簡単だからとすぐに飽きてしまう事もなく、一緒に遊んで楽しんでいます。これも、「遊び」として紹介するメリットで、得意な子から不得意な子まで一緒に活動することができるゆえんです。
 
幼児期プールを使って
 
 水泳の練習のために体に付けて使う浮き「スイミングヘルパー」(以下ヘルパー)をばらしたものを壁にはり付け、水をかけて落とす遊びがあります。
 まず、はり付けるには水でヘルパーをぬらしておく工夫や、高い位置にはり付けるために全身を伸ばす必要があります。そして水をかけるためには手の形や力の方向を考えなくてはなりません。
 また、水慣れのために重要なことがあります。自分が水をかけている間は、多少の水が自分にかかってもあまり気にしないことです。子どもの後ろから水をかけてあげて(あくまでも目標はヘルパーです!?)水が苦手な子がいつのまにか顔に水がついていても平気な状態になってしまうほど、楽しく遊べればOKです。
[ワニ歩き]
 すねまでの水深では「ワニ歩き」と称している腕だけで進む遊びがあります。腕を伸ばす力を使うこと、身体が横になった状態を維持すること。進むルート上で先生の手にタッチして進むことで水しぶきが上がります。
 自分が出した水しぶきには困るものの子どもは文句を言いません。「ヘルパー落とし」と同じ水慣れ効果が期待できます。
 同じ水深でヘルパーを下駄代わりに履いてバランスをとりながら歩く「下駄歩き」も人気の遊びです。慣れると足の指でヘルパーをつかむことができますが、鼻緒が付いた履きものを知らない子どもたちには、難しい課題になってしまいます。
[二十五メートルプールでは]
 プールフロアで浅くしてあっても六十センチメトルぐらいの深さがあります。怖さを感じる子もいますが、ゆっくり静かに入って「お風呂」のように肩までつかる設定にします。プールに慣れていて乱暴に動く子がいても「お風呂」ならば静かにしていてくれるので、安心して怖がらずに入ることができます。
 プールから出る練習も遊びとして紹介します。プールサイドに向かってはい上がる方法と向きを逆にプールの方を見てジャンプし、お尻から上がる方法が子どもたちに人気です。繰り返すことで素早くなり、安全性が高まり、自信につながります。
 プールフロアの上では、歩く、走る、ジャンプしながら進むといった基礎的な動き方から、動物の動きや機械の動きを模倣するところまで進んでいきます。水の抵抗は以外に強く、年度の初めはあまり何回も繰り返せません。速く動ける子ほど抵抗が大きくなるのですから、子どもたちは皆、同じように疲れます。
 
肩までつかって“お風呂”
 
おおいなるワンパターン楽しむ
 
 四歳児で経験したことを五歳児でも必ず繰り返して行います。ですから、流れも判り安心して、プール活動に取り組むことができる訳です。
 前の年に、水が恐くて顔に水滴がつくのも嫌がった六歳の女の子が驚異的な頑張りで六月には顔を水につけられるようになり、さらにすぐに潜ることもできてしまった例がありました。
 聞いてみると、後輩の子どもたちが入ってきて皆がんばるので、お姉さんとしては負けるわけにはいかず、家のお風呂でお父さんと練習もしたそうです。あまり先回りをして教えられても困ることがありますが、家庭からの協力はありがたいものです。
 なかなか水慣れしなかった子たちにも聞いてみると、記憶の中に顔を水で洗ったことが無く、いつも蒸しタオルで顔をふいてもらっているとか、頭を洗う時もシャワーキャップでしっかり守っていたり、美容院のように仰向けで顔に水がかからないように細心の注意を払ってもらっていたり、笑い話のような話が出てきます。
 水慣れが進むとプールフロア上での「潜り氷鬼」が人気です。もちろん地上で氷鬼を十分楽しんでから紹介します。
・鬼にタッチされたら、仲間がタッチするまで凍って動かない。
・鬼は潜ったり、泳いだりしない。
・潜っていれば捕まらない。
・プールサイドには出ない
 というルールで行なっています。
 「プールでの活動」は、子どもたちにとっては楽しくて何回でも行いたい「遊び」になります。保育スタッフ側からみると、意図的に配置された「運動」としての質と量を持ったプログラムであることが、大切になってくると思います。







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