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――日保協速報14・4・18――
特別保育事業の改正通知が発出される
 厚生労働省は、保育所特別地域活動事業などの特別保育事業の平成十五年度からの改正通知を三月二九日付で発出しました。主な内容については以下のとおりです。
 なお、この局長通知の全文については保育情報ファクシミリサービス官庁の通知情報番号80番、81番に掲載しています。
 
1、乳児保育促進事業
 
(1)補助対象保育所が民営保育所に限定されたこと。
(2)乳児保育環境改善事業が廃止されたこと。
 
2、保育所地域活動事業
 
(1)メニュー事業のうち、「地域における異年齢児交流事業」と「保育所退所児童との交流」が統合され、また「地域の子育て家庭への育児講座」と「子育て・仕事両立支援事業」が統合されたこと。
(2)小学校低学年児童の受入れが、夜間保育所においても行われる事になったこと。
(3)保育所分離推進事業については、保育所以外の利便性の高い場所を一時保育に活用できるよう事業が拡大されたこと。
 
3、障害児保育環境改善事業
 
 障害児保育事業に要する経費については、平成十五年度から市町村の一般財源により措置されることになったこと。
 
4、休日保育事業
 
 休日保育の補助方式について、従来は休日保育の登録児童数が十人以上の場合に定額補助するとされていたものが、実際の利用児童数に応じて補助する方式に改められたこと。
 
5、家庭的保育等事業
 
(1)地域の保育所が家庭的保育者と事業を一体的に実施するなど、連携を図りながら実施することとされたこと。
(2)これに伴い一体的保育所の要件や費用等が定められたこと。
 
6、特定保育事業
 
 平成十五年度からの事業として、特定保育事業の実施要綱が新たに定められたこと。
 
 
 
一般財源化の反対運動について
15・4・18 日本保育協会
 日頃、日本保育協会の事業活動にご支援、ご協力いただき感謝申し上げます。
 さて、経済財政諮問会議では、国と地方のあり方の改革に向けて議論が進められ、五月から六月にかけて具体的内容が審議され、まとめられる予定になっております。その中で、地方分権改革推進会議で答申された保育所運営費・整備費について、抜本的見直しが検討され、一般財源化の動きが急速に高まっております。
 この問題を阻止するために、五月二七日に「子どもを守る総決起大会」を開き、アピールすることにし、万全の準備を進めておりますが、これに先立ち、更に運動を強力にすすめるために、全国保育関係議員連盟の先生方に、お願いするとともに、反対運動に賛同していただく署名運動を全国的に展開することとしました。
 つきましては、各支部におきましては、別紙により、地元選出の全固保育関係議員連盟の多くの先生方にご賛同いただくようお願いいたします。
 なお、五月九日までに各支部の分をとりまとめ、お送りいただきたく、併せてお願いいたします。
 
子どもを守るための保育の推進
 
 近年少子化が一層進む中で、二〇〇万人の乳幼児を支える保育に対する国民の期待が一層高まっております。ところが、今日、「国と地方の税源配分改革」の名の下、地方歳出の抑制を目的に掲げながら、保育所の国庫負担を廃止し、市町村の一般財源にすべきとの議論がなされております。
 これは、保育について国の責任を後退させ、保育の質が確保できなくなることを意味するものであり、断固反対しております。
 子どもは、国の宝であります。私どもは、子どもの立場や子どもの状況に配慮しながら、日々保育を高めるために懸命に頑張っております。少子化対策が国の施策の重要な柱となっているときに、国庫負担を廃止し国の責任を後退させるのは本末転倒であって、むしろ国を挙げて、次代を担う子どもたちが心身共に健全に発達する環境を作ることが大変大事なことであります。
 私どもの代表である全国保育関係議員連盟の先生方には、以上の点をご理解いただき、反対運動にご賛同いただきたく、お願い申し上げます。
平成十五年 月 日
日本保育協会 県支部長
右の運動に賛同します
衆議院議員 (印)
参議院議員
 
 
 
――日保協速報15・5・8――
幼保一元化と保育所運営費削減が重点項目として検討
 地方分権改革推進会議は、国庫補助負担事業の削減案を別紙のとおりまとめ、本日経済財政諮問会議に報告しました。その中では幼保一元化と保育所運営費の削減が重点推進項目として取り上げられ、経済財政諮問会議では六月二三日に最終意見を取りまとめることとされています。
 このまま保育所運営費が削減されて一般財源化されますと、今までのような保育所運営が不可能になり、直接影響を受けるのは子どもたちです。この一般財源化の流れは、会員各位が自分自身の保育園のこととして危機感を持って絶対に阻止しなければなりません。
 ついては五月二七日開催の「こどもを守る総決起大会」には多くの会員や保育関係者が一同に会し、団結して訴えていくことが何よりも大切です。引き続き会員の皆様をはじめ、多くの保育関係者の皆さんが多数参加されますようお願いいたします。
 なお、すでにご案内のとおり、協会では総決起大会に先立ち国会議員への賛同署名運動を展開しておりますが、その成果を広く自民党執行部など関係者に訴えていくこととしています。
 また、各地域での活動の一環として市区町村議会への働きかけも非常に重要です。各会員の市区町村において積極的な議会への要請活動をあわせてお願いいたします。
 
「事務・事業の在り方に関する意見」のフォローアップ結果
 
(平成十五年五月七日 地方分権改革推進会議)
1 当会議では、昨年十月三〇日に提出した「事務・事業の在り方に関する意見」について、その実施状況のフォローアップを行ったが、その結果は別添資料に掲げるとおりである。
2 このうち、特に別紙に掲げる項目については、当会議として、地方分権改革の推進の観点から重点的に推進すべきであると考え、ここに重ねて要請するものである。これらの中には必ずしも関係省庁と合意していないものも含まれているが、今後、経済財政諮問会議を始めとする政府部内において、内閣総理大臣の主導の下、各大臣が責任を持って検討し、その早期実現に向けて取組みが一層進展することを期待するものである。
3 なお、国庫負担金と国庫補助金の区分に応じた整理合理化、同化・定着・定型化した事務や人件費に係る補助金の一般財源化等その性質に応じた整理合理化など、従来行われてきた国庫補助負担金の整理合理化のための努力や、毎年の予算編成過程等を通じて行われてきた国庫補助負担金の整理合理化のための努力は、引き続き重要であり、今後とも政府における積極的な取組みを強く期待したい。
 
(別紙)
重点的に推進すべき項目
1 社会保障
 
○ 保育所制度(幼保一元化、調理室設置の義務付けの見直し、保育所運営費負担金など関連する補助負担金の一般財源化等)
○ 保健所長医師資格要件の廃止
○ 保険制度、サービス水準の見直し(最低基準と財政措置の見直し、介護保険事務費交付金の見直し等)
 
2 教育・文化
 
○ 義務教育費国庫負担制度(対象経費の見直し、定額化・交付金化、全額一般財源化、事務・栄養職員の一般財源化等)
○ 教員給与の一律優遇の見直し
○ 学級編制の基準の設定権限等の県から市への権限移譲(県と政令市間の県費負担教職員制度の見直し、学級編制の基準の設定権限の移譲、高等学校・幼稚園の設置認可の見直し)
 
3 公共事業
 
○ 地方道路整備臨時交付金の運用改善
○ 市町村事業等に係る国庫補助負担事業の原則廃止・縮減
○ 事業主体としての国と地方の役割分担の明確化
 
4 産業振興その他
 
○ 農業委員会・改良普及事業(必置規制の見直し、交付金の一般財源等)
○ 交通安全対策特別交付金の見直し
 
 
 
――日保協速報15・5・28――
「こどもを守る総決起大会」を開催
 日本保育協会では、五月二七日日本武道館において全国から会員および保育関係者八、○○○人の参加により「こどもを守る総決起大会」を開催した。
 当日は村上章公大会実行委員長の開会宣言のあと、斎藤十朗会長から主催者挨拶があり、来賓として鴨下一郎厚生労働副大臣、佐藤信治全保協会長、西村良樹全私保連会長から挨拶があった。
 次に「こどもを守るメッセージ」として藤谷泰之三重県支部長、高橋英治広島県支部事務局長、福留孝子御所保育園主任保育士、廣岡菊美優々保育園看護師、十文字たけ中居林保育園調理師(代読:椛沢中居林保育園長)および保護者を代表して新倉由美さんら、それぞれの立場から意見表明がされた。その後、山崎拓自由民主党幹事長の挨拶があり、各県支部の協力により自由民主党全国保育関係議員連盟所属の議員の署名一六四人分が永野繁登福岡市支部長より山崎幹事長に手渡されました。
 橋本龍太郎全国保育関係議員連盟会長は挨拶の中で、子どものために補助金削減反対を表明した。当日は国会開会中にもかかわらず、多くの国会議員が出席し、参会者に激励をされた。最後に大会アピールを採択し、総決起大会は盛大かつ有意義に終了した。
○当日出席の国会議員(順不同・敬称略)
衆議院(四九人)
 橋本龍太郎、熊代昭彦、田村憲久、山崎拓、奥山茂彦、松島みどり、長勢甚遠、小坂憲次、伊吹文明、葉梨信行、河村建夫、野田毅、山本幸三、松下忠洋、梶山弘志、今村雅弘、蓮実進、北村誠吾、平沢勝栄、望月義夫、自見庄三郎、江藤隆美、棚橋泰文、仲村正治、佐藤 勉、持永和見、谷津義男、渡辺具能、中山成彬、笹川堯、岡下信子、田野瀬良太郎、高木毅、中本太衛、吉野正芳、金子恭之、下地幹郎、木村隆秀、森岡正宏、太田誠一、嘉数知賢、坂本剛二、小西理、左藤章、西川京子、松宮勲、野中広務、植竹繁雄、岩屋毅
参議院(二〇人)
 南野知惠子、小野清子、仲道俊哉、狩野安、有村治子、岩永浩美、金田勝年、服部三男雄、清水嘉与子、上杉光弘、林芳正、河本英典、山内俊夫、小泉顕雄、後藤博子、真鍋賢二、小斉平敏文、椎名一保、松村龍二、岡田広
 
こどもを守る総決起大会アピール
 
 少子化の進行や虐待の問題等、こどもをとりまく環境が悪化している中で、保育現場では、こどもたち一人ひとりの健やかな成長と幸せを願い、懸命に保育に取り組んでいます。
 しかしながら、こどもの福祉に責任を負うべき国が、財政的な理由によりそれを地方に転嫁しようとしており、さらに、政府の経済財政諮問会議などでは、こどもの幸せを抜きにした、経済効率や財政上の問題優先の議論が行われています。
 地域で長年にわたり子育て支援を実践してきた保育所だからこそあえて今、声を大にして訴えます。政府は、もっと現場の声に耳を傾け、こどもの幸せに逆行する不毛な議論はすぐにやめるべきです。
 本日、日本武道館に全国から多数参集した保育関係者により次のとおり決議し、全国各地域で更に活動を展開することを宣言します。
一、一般財源化はこどもの保育、福祉の切捨てを招くものであり、絶対に反対する。
一、保育の専門的機能と役割を軽視した幼保一元化論は容認できない。
一、食は保育の中核をなすものであり、調理室は欠くことができない。
平成十五年五月二十七日
社会福祉法人 日本保育協会
こどもを守る総決起大会
 
資料等提出依頼について(回答)
(平成十五年五月八日 総合規制改革会議宛 厚生労働省)
 平成十五年四月二八日付け標記依頼について、下記のとおり回答いたします。
 
 
1 保育所については、児童福祉法第三九条に規定する「保育に欠ける」幼児等に対して入所を許可するという、幼稚園には存在しない、過去の措置制度の考え方があるため、幼稚園と保育所の一元的な運営を妨げているのではないかとの指摘に関して、貴省の見解及びその理由についてご教示頂きたい。
 保育所は、市町村が、親の就労等の事情により家庭において保育を受けられない子どもに対して、親との契約に基づき、家庭に代わり保育を提供する児童福祉施設であり、幼稚園のように親の希望により三歳から小学校就学の始期に達するまでの幼児に対し教育を提供する学校と異なり、サービスを受ける対象を定めることが必要である。
 保育所における保育を受ける対象の要件は、保護者の労働又は疾病その他の理由により保育に欠ける乳幼児となっている。これについては、親が居宅外で労働する場合のほか、居宅内労働や求職活動中の場合等であっても、保育所を利用できることとしており、実質的には社会のニーズを踏まえた要件となっているものと考えている。また、専業主婦家庭等、保育所における保育を受ける要件を満たさない家庭であっても、一時保育等により保育所を利用することが可能となっている。
 さらに、近年の多様化する子育てニーズに対応するためには、地域子育て支援センター、幼稚園における預かり保育、保育ママ、ファミリー・サポート・センター、つどいの広場などの地域における様々な子育て資源の活用・創出が必要となっている。
 こうした中で、保育所と幼稚園は、従来より、(1)施設の共用化指針の策定、(2)幼稚園教育要領との整合性が図られるよう保育所保育指針の改定、(3)設置主体制限の撤廃、(4)連携事例集の作成・情報提供、(5)資格(免許)の相互取得の容易化の促進、(6)幼児数の減少、幼児同士の活動機会の減少等の事情にある地域を対象に、構造改革特区において、保育所の保育室において一定の条件の下で保育所児と幼稚園児を合同で保育することの容認等の連携を図ることにより、既に地域のニーズに相当程度応えてきているところであり、今後とも、すべての子どもの心身の健全な育成を図るという観点から、両施設の連携を強化する方向で施策を進めるべきと考えている。
 なお、保育所における保育を受ける対象の要件の必要性については、施設の目的・機能に沿って定まるものであり、保育所の入所の仕組みが措置制度であるか、現行の利用契約方式であるかということとは直接関係がないものと考えている。
2 平十四年度から開始されている保育所サービスに関する第三者評価制度の評価基準、運用方法等についてご教示願いたい。
 特に、「調理室を見せることが、人格形成上重要であるため、同一敷地内に調理室を設置することが必要である」との貴省のご説明に関連して、食育の観点からの評価基準について、具体的かつ詳細にご教示願いたい。
 児童福祉施設における福祉サービスの第三者評価事業については、平成十四年四月に児童福祉施設の第三者評価事業が公正・適切に実施されるよう、児童福祉施設の第三者評価基準や評価の方法等に関する指針を示したところである。
 保育所に係る評価基準は別添1のとおりであり、食育の観点からの評価基準は1-2-(11)となっている。(略)
3 (1)「離乳食は衛生上等の特別の問題があるため、保育所には、同一敷地内に調理室が必要である」との貴省のご説明であるが、「衛生上の問題の生じない範囲で近隣の調理室を活用してもよいのではないか」、「ゼロ歳児等離乳食を必要とする幼児が入所していない保育所であれば問題ないのではないか」との指摘に関して、厚生労働省の見解及びその理由についてご教示頂きたい。
 離乳食など低年齢児の食事については、衛生管理上の問題、子どもの急な体調の変化への対応等、きめ細やかな対応が求められるものであり、保育所の施設内で調理することが必要であると考えている。
 なお、「規制改革推進三か年計画(再改定)」(平成十五年三月二八日閣議決定)において、「保育所の調理室必置義務については、併設された社会福祉施設の調理室を兼用する場合と同様に、例えば、余裕教室に保育所を設置する場合において調理室の共同利用をするなど、安全性等が確保される場合には、保育所の設置が可能となるよう検討し、措置する。」こととしていることを踏まえ、検討してまいりたいと考えている。
 また、仮に離乳食の対応を全く必要としない保育所があったとしても、
(1)子どもの年齢・発達、健康状態に対応し、食物アレルギー児の除去食、また、体調不調時の特別食など、日々の健康状態の管理と併せて、細かな配慮が必要であること
(2)長時間保育への対応は必要であり、昼食だけでなく、おやつや夕食を含め、また、子どもの年齢に応じて、複数回にわたる食事の提供が求められるものであること
から、保育所の施設内で調理することが必要であると考えている。
 なお、
(1)離乳食の対応が必要であると考えられるゼロ歳児及び一歳児の保育を行っている保育所数は平成十三年十月一日現在、ゼロ歳児については一二、七〇二か所、一歳児については一九、八〇七か所となっていること(平成十三年十月一日現在の保育所数:二二、二三一か所)(出典:平成十三年社会福祉施設等調査)
(2)ゼロ歳児及び一歳児の待機児童は平成十四年四月一日現在一〇、二一九人となっており、待機児童全体の四〇・二%を占めていること
から、今後ともゼロ歳児や一歳児などの低年齢児保育へのニーズに対する対応が必要であり、「ゼロ歳児等離乳食を必要とする幼児が入所していない保育所」を前提とした議論は、現実の保育ニーズヘの対応に合致しない議論ではないかと考えられる。
3 (2)上記(1)に関連して、「おやつなどを含め、頻繁に食事を提供しないといけない」という理由に関して、「昼食以外に提供される食べ物全てについて、現実に全国の保育所で、敷地内調理が必要なものが提供されている」というデータについて、具体的かつ詳細に資料をご教示頂きたい。
 また、調理済みのものをその都度運ぶこととしてはならない理由について、厚生労働省の見解及びその理由についてご教示いただきたい。
 「昼食以外に提供される食べ物全てについて、現実に全国の保育所で、敷地内調理が必要なものが提供されている」ということを示す調査結果は有していない。しかしながら、参考までに厚生労働省が把握した事例を紹介すれば、別添2の(略)事例のように、昼食以外に提供される食事については、おやつは、外部から購入したものを提供している例もある一方、調理室を活用したものも提供されており、また、夕食については、調理室を活用した食事が提供されていると考えている。
 保育所保育指針において「乳幼児期の食事は、生涯の健康にも関係し、順調な発育・発達に欠くことができない重要なものであり、一人一人の子どもの状態に応じて摂取法や摂取量などが考慮される必要がある」とされており、これに基づき、保育所の給食やおやつについては、子どもの年齢・発達・健康状態に対応し、月齢に応じた離乳食や食物アレルギー児の除去食、また体調不良時の特別食など、日々の健康状態の管理と併せて、細かな配慮のもと提供されている。
 加えて、保育所における食事の提供が、複数回、かつ、年齢により提供時間が異なることから、保育所の施設内に調理室があることが必要であると考えている。
4 調理室や同一敷地内設置基準が規定された当時と比較して、デリバリーサービスやクリーンルーム、異なるメニューに対応する技術等が向上している中で、同一敷地内基準を存続させることの意義について、貴省の見解及びその理由についてご教示頂きたい。
 保育所の調理室については、
(1)保育所では、ゼロ歳児を含め低年齢児の保育を行っている。特に、低年齢児については離乳食への対応が必要であることや体調が変化しやすいこと、また、食物アレルギーへの配慮など、食事においてもきめ細やかな対応が必要であること。
(2)保育所では、延長保育夜間、保育といった多様な保育ニーズに対応している。この場合、保育所では、昼食のみならず、おやつ、夕食を含め、また、子どもの年齢に応じ、複数回にわたる食事の提供に対応することが必要であること
(3)子どもの栄養状況の悪化や食生活の乱れといった状況に見られるように、子どもの食の状況が悪化している。乳幼児期においても、子どもの心身の健やかな発育・発達の観点から、食事を通じた子どもの健やかな育成を図ることが必要であること
から、保育所の調理室は必要であると考えている。
 なお、「規制改革推進三か年計画(再改定)」(平成十五年三月二八日閣議決定)において、「保育所の調理室必置義務については、併設された社会福祉施設の調理室を兼用する場合と同様に、例えば、余裕教室に保育所を設置する場合において調理室の共同利用をするなど、安全性等が確保される場合には、保育所の設置が可能となるよう検討し、措置する。」こととしていることを踏まえ、検討してまいりたいと考えている。
5 社会状況の変化に則して、教育及び保育に関する消費者ニーズが多様化している中で、貴省の把握されている具体的なニーズの内容及びその経年的推移に関するデータについて、具体的かつ詳細にご教示頂きたい。
 保育ニーズの具体的な内容については、近年は、延長保育、休日保育、一時保育、子育て相談等の多様な保育サービスやゼロ〜二歳児の保育に対するニーズが増加しているものと考えており、厚生労働省としては、「少子化対策推進基本方針」、「新エンゼルプラン」等に基づき、このようなサービスの計画的な増大を図っているところである。
 保育サービスに係るニーズについて、時系列的に把握しているものではないが、保育サービスに関する要望やサービスを提供している保育所数等の推移を見ると、別添3及び別添4のとおりである。(略)
注 本誌六月号の八頁〜十二頁でお知らせした「総合規制改革会議のヒアリング」(要旨)における委員の質問に関して、後日総合規制改革会議より資料要請があり、以下のとおり厚生労働省が回答した。なお、これらを基に一部マスコミがコメントをしているが、調理室の設置については何ら方針の変更はないとしている。
 
−日保協速報15・6・9−
「子どもを守るための保育の推進」署名に対する回答について
 先般、各支部のご協力により「こどもを守るための保育の推進」に賛同いただいた一六四人の保育関係国会議員の署名をいただきました。
 これを五月二七日日本武道館で行われた「こどもを守る総決起大会」において、永野繁登福岡市支部長より、ご出席いただいた山崎拓自由民主党幹事長を通して、一般財源化反対について小泉純一郎自由民主党総裁に要請いたしました。
 このたび山崎拓自由民主党幹事長から、別添の「保育所運営費一般財源化反対要望について」の回答がありました。
 このなかで、「保育所運営費を含めた児童福祉に係る補助負担金は、こどもの健全育成の観点から国が全国あまねく行政水準の確保に責任を持つべき分野」であるとの考え方が示されました。
 各支部の役員及び会員の皆様方のご協力に、厚くお礼申し上げます。
 
保育所運営費一般財源化反対要望について
 
(平成十五年六月七日 社会福祉法人日本保育協会 様 自由民主党幹事長衆議院議員 山崎拓)
 過日は貴協会の総決起大会にお招きいただき、厚くお礼申し上げます。日本全国から集まられた皆様方関係者の、こどもの健やかな成長を願い、こどもたちを取り巻く環境の悪化を憂える切実な思いに打たれ、胸を熱くした次第です。
 さて、席上、小泉総理に宛てた保育所運営費負担金の一般財源化に反対するご要望をいただきました。総理にはご要望内容を伝えさせていただきましたが、この際、総理を支える政権与党の幹事長としてご要望に対する考え方を申し上げたいと存じます。
 申し上げるまでもなく、世界に例を見ないスピードで進む少子高齢化は、わが国が直面する最も深刻な問題であり、政治がわが国の将来にわたる持続可能性とさらなる飛躍・発展を構想する上で、もっとも重視すべき課題だと考えます。
 このような中で、小泉総理は就任に当たり、真っ先に「待機児童ゼロ作戦」を掲げ、また次世代育成支援法案が今通常国会に提出されるなど、政府・与党は一体となって少子化問題に取り組んでおります。
 わが党としては、保育所運営費を含めた児童福祉に係る補助負担金は、こどもの健全な育成の観点から国が全国あまねく行政水準の確保に責任を持つべき分野であると考えており、今後、行革や地方分権の議論を進めるに当たっても、真に国の関与が必要な分野、地方の自主性に委ねて効率化・活性化を図るべき分野を精査しつつ、小泉構造改革の実効が上がるよう、方向性を定めて行きたいと考えます。
 皆様方の一層のご活躍を祈念し、また一層のご指導・ご鞭撻をお願い申し上げ、簡単ですがご要望への回答とさせていただきます。







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