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保育界(平成15年7月号)

 事業名 保育活動の推進
 団体名 日本保育協会 注目度注目度5


――地方版エンゼルプラン――
神奈川県における子育て支援の取組について
――少子化時代の子育て支援取組指針――
神奈川県福祉部
児童福祉課長
斎藤百合子
 
1 神奈川の人口構成と特色
 
 本県の人口は、本年四月一日現在約八六四万人で、平成十三年一月一日に初めて老年人口(六十五歳以上)が年少人口(十五歳未満)を上回りました。十四年一月一日には、前年同期に比べ年少人口は増加しましたが、老年人口との差は一層拡大し、平均年齢では全国に比べて若いものの、合計特殊出生率が全国で四番目に低いなど少子高齢化が顕著となっています。
 また、県下三十七市町村のうち、政令指定都市二市(県土の約二十四%)に人口の約五十五%が集中しており、こうした都市部のほかに人口減少傾向の地域も抱える県となっています。
 
2 子育て支援取組の経緯
 
 本県では、これまでも九年度を初年度とする児童福祉を中心とした「かながわ子ども未来計画」を策定し、推進するとともに、総合計画に重点プロジェクトとして「子どもを生み育てることに夢を持てる社会づくり」「生きる力を育む教育の環境づくり」を設定し、優先的な取組を進めてきました。
 しかし、近年、少子化が急速に進行すると同時に、児童虐待や不登校など子どもの問題が深刻さを増しているうえ、母親への育児責任の集中や離婚の増加など子育て家庭を取り巻く環境も厳しさを増してきました。そこで、県民による子どもや家庭についての議論を展開し、県自らの取組を一層強め、同時に県民、市町村、団体などと認識を共有するために、パブリックコメントによる県民意見六九七件を踏まえて、十四年三月に「少子化時代の子育て支援取組指針」を策定したところです。
 
3 指針の性格と特色
 
 本指針は、少子化が進行する中、県が取り組む子育て支援の施策の方向を示すため、次の四点を踏まえて策定しました。
(1)子育て支援に関係する重点プロジェクトの推進の強化
(2)県の関係部局の連携強化と、総合的・中期的な視点のもとでの取組の推進
(3)市町村・県民・団体等と認識を共有し、それぞれの立場からの取組を促進
(4)本県の地域動向、地域特性に応じた「かながわ」らしい子育て支援策の推進
 
4 基本的考え方及び基本目標
 
【基本的考え方】
(1)少子化時代における結婚、子ども・子育て家庭について幅広い議論を展開
(2)子どもの大切さを認識し合い、出産や子育てを支援し、子ども自らが育つ力を育む施策を充実し、総合的に推進
【基本目標】
(1)県民の幅広い議論を通して、未来を担う子どもや子育て家庭についてともに考えます。〜子どもの大切さについての再認識をめざします〜
(2)出産や育児を阻む社会的な障害をとり除き、負担を軽減します。〜「子育てのバリアフリー」をめざします〜
(3)子ども自身の「育つ力」を醸成するための環境を整備します。〜家庭・学校・地域の連携による子育ちの促進をめざします〜
(4)結婚や出産・子育てに関して多様な生き方を尊重・支援します。〜性別や年齢などに左右されない柔軟な生き方が可能な社会をめざします〜
 
5 指針の具体的内容
 
 取組の基本方向は別表のとおり、六本の柱を二十三本に細分しています。
 
6 新規、重点的な取組
 
 指針策定後の初年度である、十四年度から、小児救急医療体制の充実、厳しい経済雇用環境を踏まえた高校生の学業継続の励みとする奨学金制度や私立学校における就学継続の支援制度の新設などの取組を進めています。
 また、国の待機児童ゼロ作戦も踏まえて、指定都市及び中核市を除く市町村と協力して、規制緩和をいかした民間活力の導入により認可保育所の設置を積極的に進めるとともに、既存保育所の協力も得て、定員増加を進め、さらに私設保育施設(いわゆる「認可外保育施設」)のうち市町村が良好な施設と認定し県と市町村が協調して助成する「認定保育施設」の充実拡大などにも努めてきました。
 そのほか、延長保育や休日保育などの多様なニーズに応える保育の推進にも取り組むとともに、私設保育施設における児童の健康診断や調理調乳担当者の保菌検査等にも助成しています。
 さらに、幅広い県民に子どもや家庭について議論を深めていただく事業として、新たに「子ども・家庭」県民議論を、県下全域でミニ集会三十五回、シンポジウム四回、集会等で得た意見を材料に世代を超えた子育て議論を展開する世代交流集会を実施し、合計約二六〇〇人の参加を得て、別表のとおり多様な県民意見を得ました。
 これらの意見を反映し、取組を進めるため、子育て関係部局の横断的会議体で検討・推進しています。
 十五年度の新たな取組として、市町村が実施する小児医療費の無料化制度に対する助成の充実や不登校状態にある児童への体験活動による学校復帰促進の事業などにも取り組んでいます。
 
7 今後の子育て支援の取組
 
 今後とも、都市化や核家族化の中での子育て支援の重要性を考慮し、国における子育て支援の検討動向も踏まえ、県内市町村や地域における子育て支援の活動団体等とも協調して、すべての子育て家庭の支援に取り組んでまいります。
 
【別表】「少子化時代の子育て支援取組指針」における取組の基本方向と
「子ども・家庭」県民議論における主な意見
指針における取組の基本方向 主な意見
1 未来を担う子ども・子育て議論の展開
(1)子どもの大切さや子育て家庭についての議論と理解の促進
(2)男女がともに家事や育児を担う社会づくりに向けた意識啓発の推進
・いかに子育て・家庭づくりが楽しく大事かを訴えていきたい。
・結婚や子どもに関する意識や子どものいる女性に対する意識の問題がある。
2 子育て安心対策の推進
(1)安心して子供を生み、健やかに育てるための保健医療体制の整備
(2)子育てに関する相談体制の充実
(3)子育てに関する学習機会の提供と家庭教育への支援
(4)子どもの安全確保のための環境整備の推進
・産後や子どもが小さいときの支援をしてほしい。
・子育てに行き詰まったとき、気軽に相談できる窓口があることが必要。
・親の親としての意識、自覚を育てなければならない。
・自分の子どもだけでなく近所の子どもにも注意して、事故や犯罪から守る必要がある。
3 地域における子育て支援政策の充実・強化
(1)身近な地域における子育て支援の充実
(2)多様で良質な保育サービスの提供促進
(3)幼児教育の充実
(4)放課後児童対策の充実
・親のための時間を親が持つための保育システムの充実を願う。
・子育て支援の充実、特に保育所の充実を望む。
・無認可保育園だと補助金が出ない。せめて、税金の優遇措置でもできないか。
・学童保育には障害児は入れない。充実強化を望む。
4 子ども自らが育つ力を育む取組の推進
(1)「生きる力」を育む学校教育等の推進
(2)多様な学習・生活体験の推進
(3)明るく健全に子どもを育成するための環境づくり
(4)特別な対応が必要な子どもへの支援
・地域に根ざした活動ができるような方向性を示した学校と地域との交流が大切である。
・保育体験の機会は必要である。自然にそういう機会を得ることは難しくなっている。
・犯罪に至る子どもの対策が必要である。
・児童虐待では、大人を責めるだけでなく支える施設が必要である。
5 子育てしやすいまちづくりの推進
(1)子育てに配慮した公共的施設の整備・運営や事業実施の促進
(2)子育てに配慮した住宅施策の促進
(3)「職・住・育」近接型まちづくりの促進
(4)子育て支援団体など地域活動の促進
・ベビーカーにやさしいまちづくりが必要である。
・保育士の経験を生かして子育て支援活動をしていきたい。
6 少子化時代の子育て家庭を支える地域社会のしくみづくり
(1)仕事と子育ての両立のための雇用環境の整備
(2)子育てに伴う経済的負担の軽減
(3)性別や年齢を問わず社会に参画できるしくみづくりの促進
(4)子育て家庭や子どもの視点を尊重した行政の推進
(5)県民・企業・団体等の参加と協調・共同による取組の促進
・企業や役所での働き方が変わらなければ子育てしやすい社会は実現できない。
・若い世代には、経済的援助(医療等)がほしい。
・行政が施策を考えるとき事前に当事者(子育て中の人)の意見を聞く場を設けてほしい。
・子育て支援事業に関する地域差をなるべくなくしていくべきである。







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