3. 当日の意見交換
授業案発表後の意見交換では、主に学生のスクールボランティアのあり方そのものについて、様々な立場の方から意見・提案をいただきました。
Q. 先生ではなくボランティアが授業を行なう意義というのは、どこにあるんでしょうか?
A. 教材提供、または経験を語れるゲストティーチャーとしてなど、材料として使ってもらえたらいい。
A. 「授業を行う」というのはボランティアとしての一形態に過ぎない。特に学生の場合は、調べ学習への具体的なアドバイス、フィールドワークの付き添いなど、多様な役割が果たせるはず。
Q. 「国際理解」の材料は身近にあふれている(テレビ・映画・新聞etc. )。もっと体験を通した生の授業のほうがいいのでは?
A. たとえば留学生など、実際外国の人や文化と直接触れ合える機会がもてればそれはもちろんすごくいい事。しかし、それがいつでも実現可能な訳ではない。だからこそ、そういった身近な材料から「国際理解」を考えていけるんだという発想やその楽しさを、伝え、気付かせる事もすごく大事。
Q. (発表の授業導入案について)どういうことを目標にしているのか?どんな方向にもっていきたいのか?が見えにくい。
A. この「国際理解」の授業を通して身に付けさせたい力・発想・姿勢などは、スタッフの間でも本当に様々な意見がでていた。コミュニケーション力・自己(自国)の価値観の相対化・メディアリテラシー・広い視野・自らと異なるものへの積極性・自分を問題の中に位置付ける力・行動力・・・授業の展開にあたっては、その先にある目的をしっかり定め、それに沿った授業計画を立てていくことが重要。
総合的な学習の時間だけでなく、もっといろんな形で学校に関わっていけたら良い
お互いの歩み寄りが大事では? 情報公開ももっと必要!
顔のみえる、良い意味での「出会い系」を目指そう!
4. アンケート集計
1. 国際理解の分科会について
(1)学生側の活動報告や授業提案について
・提案の二つの展開例で、異なるタイプの授業を提案してほしかった。
・導入は簡単に。ねらいを深めることを忘れないで。
・定型の授業案のみならず、他のパターンへの授業の展開方法も提案されていてよかった。
・ワークショップ形式のほうが理解しやすいのでは、と思う。
・リソースとしてはすばらしい。導入・目的・振り返りとゴールが明確に見えるような工夫が必要
・教員ではなくボランティアが授業をやるという違いが見えなかった。
・生徒に対する効果を明示してほしかった。
・生徒とのマッチングを考えて精緻なものにしていく必要がある。
(2)分科会全体の進行について
・(直接関係はないが)気温が寒い。
・メリハリが欲しかった。
・質疑応答の時間がもっと欲しい。
・子供の立場から目的・導入・発展という興味をつなげるには時間が足りなかった。
・和やかで良かったし司会の方の進行も良かった。
・席ごとの自己紹介が欲しかった。
・意見交換だけで終わってしまったのが残念。
2. 学生がスクールボランティアという形で学校に入っていくことについて
・すばらしい試みです。
・地域・学生・教員が教育を少しずつでも変えていく活動をすべきなので賛成。
・学生ならではのエンターテイメント性のある授業をたくさん提供していくべき。
・社会人でもなく、生徒でもない、特殊で自由な立場を生かし、地域・保護者と学校をつなぐためのいい役割を果たしていけると思います。
・皆さんのやる気に対して生徒の反応が心配。
・学生の時間的制約が問題にならないか?経費も心配。
・学生の市民性を養うという点で重要。
・互いの計画を立てられる場が必要。
・学校のニーズに柔軟に対応できるプログラムが欲しい。
3. スクールボランティアそのものに関して、今後教員・学校・地域・NPO・行政など、それぞれの立場に望むこと、又は自らの立場で実践してみたいこと
・参加したい人が誰でも参加できるような制度があれば良いと思う。
・HRの時間は同じなのでクラス数に対してボランティアの数が足りるか不安。
・それぞれのセクターをつなぎより良い社会を作っていくための一つの方法として、スクールボランティアが発展することに期待
・スクールボランティアなくして総合学習は語れない!good wayです。
・これがきっかけになってネットワークが広がりそう。
・方法だけ、材料だけが先走りせず、国際理解の本質を忘れないで進めて欲しい。
・大学で単位が認定されるといい。学生の専門性を生かして活躍して欲しい
・生きていく楽しみや視野の広さ、世界に目を向け、助け合い・自由・自立の精神が身につく教育のために、芸術・美術分野などさまざまな職業・価値観の大人が子供に接するように望みます
5. 「国際理解」分科会の今後
分科会を生かそう!
今回、「国際理解」分科会の結束力と意思統一の充実さは目を見張るものがありました。授業案そのものよりも、お互いの国際理解への理念を語ることや個人の活動・経験の共有に時間を費やしただけあって、この分科会のメンバーは今後も継続して何かを行ないたいと考えています。現時点では以下のような活動を考えていますが、実際にこれらがどのように展開していくかはまだ分かりません。
●知識・経験の充実。プロフェッショナルを目指そう。
まず、自分たちが国際理解という幅広い分野について勉強不足だということを実感しました。国際経験はもとより、それを教育の中でどう指導していくかという手段・方法、国際事情についての理解など・・・。国際理解教育のプロを目指したいと思います。
●授業案・教材のデータベース作り。人材バンクも・・・
今回フォーラムでわたしたちが提案した授業案をお蔵入りにしてしまうのはもったいない!また、今後よりよい授業案や教材を作りたいと考えるメンバーが多いため、いっそデータベース化してしまおうという案が出ています。人材バンクをつくり、学校と地域を結び付けたいというものもあります。
・・・現時点ではこのように抽象的なことしかいえないのですが、来年度には具体的な活動を行っていこうと考えています。その際、またあらためて活動方針・内容について紹介させていただきます。
今後ともよろしくお願いします。
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