代表挨拶
ぐっぴぃの一メンバーである学生が交流会前に宣伝をしてくれた際、東京の友達から以下のようなメールが返ってきたと言って転送してくれました。このメールは、交流会を作ってきたスタッフを勇気付けてくれたので、ここで紹介しようと思います。
>ML読みました。すぐに返事出せずにいましたが、すごく興味持って読みました。
>学校に学生を送り込む、というのはとても大切だと思ってます。というか、教師
>である立場には色々なしがらみとか現実みたいなのがあって、100%を出来てな
>い教師が多いと思うのです。←これはあくまで私の感想で(教育実習へ行ってさ
>らにその思いは強まったのですが・・・)、実際先生をされている方はどう思っ
>ているのかなぁと興味が湧くところですが。
>だから、その“立場”にプレッシャーのない、でも子どものことを心底大好きな
>学生が関わるのはとても良いのではないかと思うのです。それに、生徒からして
>も、歳の近い人の方が話しやすいってこともあると思うし。実際先生には相談で
>きなくても、実習生(OB・OGも一緒?)には話せるっていうのがあったよう
>で、私は役割っていうのかな?すごく感じました。
>私はやはり教職について考えてしまうので、すごく参加したい場所です。けど、
>遠すぎると思うことと今度の日曜日は予定があることで、東京から応援してます。
>また色々話聞かせて下さい!!がんばってね!!
私も教育実習から帰ってきたばかりで、とても共感して読んだことを覚えています。「先生にはできなくて学生にしかできないことって何なの?」という議論に勝つために頭を悩ませる前に、実際に子どもに接する経験を多く持ち、日々子どもに接している人たちに会って話を聞くという行動をしていくことが大切だと改めて実感しました。これから長い時間をかけて、その輪のあちこちから生まれた言葉を拾い集めていけばいいのです。
学校は、今もほとんどの子どもたちが生活の大半を送っている重要な場所です。よりたくさんの目が子どもたちに注がれ、様々な特性を持った人間が最大限子どものために活かされる場所であってほしいと思います。私は、実際にいくつかのスクールボランティアをさせていただく環境に恵まれ、この活動をよりよい形でたくさんの学生や学校に広めたいという気持ちが高まり、メンバーが集まり、様々な出来事や議論の末、交流会までたどり着けました。参加してくださった皆さん、参加できなかったけれど応援してくださったみなさん、本当にありがとうございました。これからも、時代の流れとともに広がるであろう「スクールボランティア」という概念にとらわれず、学生がどうするのか、ということをいつも主体的に考えながら、根強い求心力になっていけたらと思います。
ぐっぴぃスクールボランティア支援委員会代表
筑波大学人間学類4年次教育学主専攻 松井 由佳
開催の主旨
茨城県内で活動するスクールボランティアの団体を交え、互いのスクールボランティア
についての意見交換などを通して今後のよりよいスクボラを実現すること
開催日時
2003年7月6日(日)17:00〜20:40
参加者数
41名(内コアスタッフ9名、社会人4名、報道関係者1名)
主な参加団体(50音順)
E-cube(筑波大)、エコレンジャー(筑波大)、教育実践研究会(茨城大)、
FLASK、Party(筑波大)、プライマリ研究会(筑波大)
タイムテーブル
17:00〜 受付
17:30〜 開会の言葉
17:35〜 代表挨拶
17:45〜 団体の発表
19:15〜 休憩
19:25〜 テーブルトーク
19:40〜 フリートーク
20:20〜 団体PR、ゲストの方からのコメント
20:35〜 閉会の言葉
20:40〜 解散、懇親会
発表者:安島千穂
団体概要
環境サークルエコレンジャー(以下、エコレン)は、1997年5月の設立以来に筑波大学、つくば市を中心に学生の立場から環境・開発問題などに対して様々な活動を展開してきています。エコレンは各活動をプロジェクトと呼んでいます。メンバーは誰でもやりたいことがあればプロジェクトを立ち上げることができ、それに興味を持ったまわりのメンバーと一緒に活動します。メンバーの多くはプロジェクトの掛け持ちをしています。エコレンの主なプロジェクトには、リサイクル市PJ(卒業生などから物品を無料で引き取り新入生に無料で引き渡す)、牛乳パックPJ(牛乳パックのリサイクルを促進するため学生宿舎からだされた牛乳パックの回収を行う)などがあります。
スクボラの内容
そのプロジェクトの一つに「手中PJ」というスクボラ活動があります。「手中PJ」とは、筑波大学から車で10分くらいのところにあるつくば市立手代木中学校(以下、手中)の「総合的な学習の時間」にてのスクボラ活動です。手中では「総合的な学習の時間」が制度化される前から実施されており、環境、福祉、国際の3つの班にわかれています。1学年の前期(手中は2学期制)では3つの全体的な学習をし、後期で自分の興味のある班を選択します。2年生では自分の課題をたてた上で実験にもっていき、3年生では卒業論文を書いて発表します。一昨年は県で賞を受けた子もいたそうです。「手中PJ」はその環境の分野での活動をしています。エコレンは主に環境問題に対する知識のサポーターとして呼ばれていますが、専門知識を子どもたちに与えることが第一の役割ではなく、「子どもたち自身が立てた計画、構想をどう実践に移すのか」ということをアドバイスすることが先生方に期待されているようです。エコレンの活動(リサイクル市PJ、牛乳パックPJなど)を先生方が見て、学生の計画を立てそれを実践へと活動を移す行動力を手中の子どもたちにも見習って欲しいという思いがあるようです。
今後
この活動は継続的なものですが、週に1度とかいった定期的なものではありません。先生方が今度のこの時間に学生に来て欲しいという依頼を受けて、スクボラが実現されます。「手中PJ」の問題点として学生の立場上メンバーを固定できないという点が挙げられます。ある程度固定のメンバーもいるのですが、毎回違う学生がスクボラすることが多いのです。しかし、相手をする子どもは一緒です。そのため重要になるのが前回のメンバーから次回のメンバーへの情報伝達です。そのため「手中PJ」に参加するメンバーは毎回報告書を書くことを必須としています。参加したメンバーが多くても少なくても、個人個人の思いや情報はエコレンにとっても、手中の先生方にとっても、手中の子どもたちにとっても大変貴重なものです。
連絡先
「手中PJ」リーダー
筑波大学第二学群生物資源学類3年次 安島千穂
環境サークルエコレンジャー
代表 筑波大学第二学群生物資源学類3年次 高木大吾
質疑応答
Q. 発表では先生が学生のスクボラを求めているというのは分かったのだが、子どもたちは学生にどんな反応をしているのか?
A. 発表にもあるように先生方はすごく我々を頼りにしてくれていると思います。分野ごとの専門性は担当になった先生方みなさんが十分にもっているとは限りませんから。エコレンの学生たちは自分たちの頭で考え話し合い、普段の活動をしているので総合的な学習の時間の環境班においてアドバイス役に向いています。そういう自分たちが手中でスクボラすることで先生たちに感謝されています。子どものほうはどうかというと、普段接することの少ない学生に対して緊張しているというかあまり慣れてなくてどうしていいか分からない、というような印象を受けました。けど、これからスクボラの機会が増えてきたりすれば徐々によくなっていくのではないかと思います。質問に答えると、現段階では子どもたちの反応はそんなに良くないです。
発表者:辻本善信
団体概要
Partyは「ボランティアを通し、人と人との心を結び付ける」というミッションの下、2002年1月より活動を開始。毎週月・金曜日の18:30からミーティングを行い、主に土曜日に実際に活動をしている。具体的な活動としては、海外支援(現在は主にモンゴル)、スクールボランティア、清掃活動を行っている。
スクボラの内容
ミッション:「大学生が仲介となり子供たちの「学び」と「遊び」に貢献する」、「ボランティアによる地域活性化のモデルを作る」
サタデースクール(下妻市上妻小学校)
エンジョイサタデー「世界はともだち」(県南生涯学習センター)
[上妻小サタデースクール(2003年4月26日、6月7日)]
テーマ「モンゴルの家庭文化から学ぼう」 参加人数30人
(1)プロジェクトの内容
日蒙絵画交流(桜の植木プロジェクトの一環として)
【4/26】
「モンゴルに桜を咲かせよう」プロジェクトの紹介
日本の学校からモンゴルの小学校へ寄せ書き製作
大学生と小学生の交流をかねたレクリエーション
【6/7】
モンゴルツアーの報告
モンゴルの文化を紹介
交流校のウランバートル50番小学校へ、上妻小学校紹介用冊子の製作
(2)子供たちの様子、反応
サタデースクールも不定期ながら1年続けた土台があるため、毎回楽しみにしている子や、友達を連れて参加する子も出てきた。図書館でのサタデースクールも少しずつ定着してきた感がある。大学生を「お兄さん、お姉さん」として慕ってくれている。
(3)先生側からの反応
体験型であるこの企画は先生側の反応もとてもよい。児童の集団に対すると同時に個々の児童にも対しているという意識を参加者に求めている。
(4)参加者の感想
子供の目線に立って、相手の視線から見つめられるように努力していた。自分自身の成長も実感できる。様々な子がいるが、自身の心の壁を越えて、もっと多くの子供たちと触れ合っていきたい、という意識で活動に臨んでいる。
今後
今後は世界とともに、より家庭や地域にフォーカスしたプロジェクトを立ち上げ、身近な人と人とのつながりを深めていく事も大切にしていきたい。
連絡先
代表 筑波大学社会工学類4年 杉田健
参加者の反応
・学校では放課後の遊びの崩壊が問題になっているが、それに対してPartyの活動は人との交流ができているから素晴らしい。
・国際理解教育に関してはゲストティーチャーとして、筑波大の留学生にぜひとも来てもらいたい。
プレゼンテーション後の質疑応答でも、人と人との交流を目標にしている点が注目されていた。現職の先生からは、学校の現状に関する問題が取り上げられ、Partyの活動はその解決の一助となるのでは?という印象を持たれたようである。
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