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(3)木造船体験学習 〜船大工の技・船乗りたちの生活体験〜
 
1)ハダ打ち体験 2)マスト登り体験 3)甲板清掃体験
4)船尾楼甲板乗船体験 5)模擬キャプスタンを使っての綱引き体験
 
(1)実施日:平成15年8月10日(日曜日)
(2)実施場所:会議室(開会行事)・セミナールーム(ハダ打ち事前学習VTR上映)
復元船前 東ウイング広場(ハダ打ち体験・模擬キャプスタン綱引き)
復元船上(マスト登り体験・甲板清掃体験・船尾楼甲板乗船体験)
(3)所要時間:13:30〜16:00 約2時間30分程度
(4)参加人数:44名
(5)実施目的:
実施内容の1)・・・
外板や甲板からの船内に海水など浸水を防止するために、ヒノキの皮を柔らかく揉みほぐし紐状にした「マキハダ」を外板や甲板の木材の継ぎ目に打ち込む船大工の技を、体験学習用模擬外板を使用して体験する。この技術は木造船舶に安全で快適な航行をさせるためには必須のものである。したがって、この体験を通じて木造船の建造に関する伝統的技術を多くの人々に知ってもらい、伝統的技術の継承を目的とする。
実施内容の2〜5)・・・
マスト登り・甲板掃除・復元船船尾乗船体験・キャプスタンを使っての綱引き、これらの体験を通じ、かつて帆船全盛の時代、帆船乗組員たちの船上生活の一端を体験する。さらにわが国の木造船建造技術の結晶であり国内最大の木造帆船である復元船「サン・ファン・バウティスタ」に生活体験という形で触れることによって、船を、そして「もの」を大切に扱う「いたわり」の心やボランティア精神の醸成や文化財保護思想の啓発を目的とする。
(6)実施内容:
1)ハダ打ち体験事前学習
1. セミナールーム入り口に、石巻市津花一男氏より寄贈いただいたハダ打ち作業に必要な道具一式を展示する。
2. セミナールーム内で、「ハダ打ち体験」というものの実際例として、平成14年度当館作成VTR「ハダ打ち体験(平成15年度改訂)」を使用し、道具類の紹介・作業工程の説明を行う。
2)体験学習
1. 参加者44名を4班に編成(1班11名・2班10名・3班9名・4班13名)
2. 4つの班を、「ハダ打ち体験」・「甲板清掃」・「マスト登り体験」・「船尾楼甲板乗船」の4つの体験項目を各20分程度ずつ、ローテーションで行う。
3)体験学習項目詳細
1・ハダ打ち体験
 体験学習用模擬外板に、ポンクズ・ヤトコ・マキハダを使用してハダ打ち体験を行う。本来マキハダをポンクズとヤトコで詰め込んだ後に、シリコン充填作業の工程があるのだが、今回参加者多数のため時間的制約からシリコン充填作業は省略した。
 
ハダ打ち作業
 
 
2・甲板清掃体験
 復元船上の甲板において、ヤシの実を半裁し果肉除去後乾燥させたものを使用し、甲板清掃作業を体験する。
 
甲板清掃作業
 
 
3・マスト登り体験
 最初に講師の今井常夫氏から、帆船の型式上の歴史についてその概略を説明する。その中で「サン・ファン・バウティスタ」が太平洋横断したときの帆走速度など、参加者が興味関心もてる簡単なクイズなどを交えて行う。その後、マストにかかわる策具類(シュラウド・ラットライン等)の説明があり、今井講師によるマスト登りのデモンストレーションが行われた。その後マスト登檣(としょう)希望者による体験を実施する。
 
 
 
4・船尾楼甲板乗船体験
 通常、順路外に設定している船尾楼甲板へ参加者を登らせ、復元船の大きさなどの説明等を行う。
 
船尾楼
 
5・模擬キャプスタンと綱引き
 上記1から4までの体験項目実施後、東ウイング広場において、模擬キャプスタン(地域名:かぐろさん)を使用して、全員で綱引きという形式で内燃機関や電気動力のない時代の技術水準等を体験する。
 
模擬キャプスタンと綱引き
 
 
(7)講師
 当ミュージアム講師:施設船舶課長 ?島 利昭
船舶担当 茂木 隆・芳賀 亨・山田登志雄
外部講師:株式会社 丹青社 今井 常夫氏
(8)所感
 当初、参加者不足が懸念される状況であった。しかし、地域の方々へ呼びかけの強化を行い、実施の前日までに、参加予定人員をはるかにしのぐ参加者を獲得できた。そのため、急遽、体験学習の実施方法の変更(順路的実施からローテーション実施)したが、この変更によって、復元船全体を使用しての体験学習という風景が演出され予想外の効果を得た。そのため当日参加していなかった一般来館者の方々から、当日のみならず次回以降の参加申し込みや体験学習のスケジュールなど問い合わせが多数あり、今後の実施に期待される予想外の成果を得たように思われる。







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