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(2)解析結果
 
 パナマックスサイズのバルクキャリアに対する解析結果を, 図3.17〜3.19に示す。図3.17は, 図3.18に番号を示す代表点のたわみとその点に作用する圧力の関係を表しており, 動的解析の結果と静的解析の結果が併せ示されている。一方, 図3.18は動的解析で得られた変形と降伏領域の拡がり, また, 図3.19は静的解析で得られた変形と降伏領域の拡がりを表している。
 
図3.17 水圧〜たわみ関係(パナマックス)
 
 まず, 図3.17で単調に増加しながらたわみの増加と共に次第に圧力の増加率が小さくなっていく曲線群は, 静的な解析結果である。この場合, 図3.19にも示されているように, ロンジ材が塑性崩壊して, 防撓パネルとしての塑性崩壊が発生している。また, 大たわみ効果で, 明確な塑性崩壊荷重は現れていない。
 
図3.18 変形と降伏領域の拡がり(パナマックス;動解析)
(a)t = 22 msec
STEP = 55
AV.STRESS = 0.000000
AV.STRAIN = -0.007096
DEFLECTION X 5.00
ROTATION x = 45.00
ROTATION y = 0.00
ROTATION z = -45.00
 
(b)t = 64 msec
STEP = 160
AV.STRESS = 0.000000
AV.STRAIN = -0.031211
DEFLECTION X 5.00
ROTATION x = 45.00
ROTATION y = 0.00
ROTATION z = -45.00
 
図3.19 変形と降伏領域の拡がり(パナマックス;動解析)
(a)q = 250kPa
STEP = 250
AV.STRESS = 0.000000
AV.STRAIN = -0.172774
DEFLECTION X 5.00
ROTATION x = 45.00
ROTATION y = 0.00
ROTATION z = -45.00
 
(b)q = 300 kPa
STEP = 300
AV.STRESS = 0.000000
AV.STRAIN = -0.356038
DEFLECTION X 5.00
ROTATION x = 45.00
ROTATION y = 0.00
ROTATION z = -45.00
 
 一方, 実際にスロッシングにより代表点に作用している圧力は, 最大でも130kPa程度であり, この圧力ではパネルの一部が降伏しているだけ(図3.18参照)で, 構造崩壊は発生していない。動的解析の結果は, 静的な平衡経路のまわりで振動しているだけである。
 他の解析例でも, 同様の結果が得られている。すなわち, バルクキャリアのバラストホールドに張水されたバラスト水を洋上で排水するときに, 波浪条件によってはスロッシングが発生するが, いずれの場合も構造崩壊を引き起こすような激しいスロッシングとはならないことが確認できた。







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