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3.7.3 船体横揺れに起因するスロッシング
 
(1)解析対象
 
 船体横揺れ運動に起因するスロッシングについても, 前項の縦揺れの場合と同様の手法を適用して, 非線形解析を実施した。解析は, 図3.11に示す3種類のバルクキャリアのバラストホールドを対象として行った。
 
図3.11 解析対象のバラストタンク寸法
Cape Size B/C
(拡大画面:81KB)
 
 
P'Max B/C
 
 
Handy Max B/C
 
 解析に当って, 有義波高をh1/3=5m, 平均波周期を=11secとし, ISSCスペクトルを用いて不規則波を発生させた。波向きは, 斜め追い波(χ=60°), 横波(χ=90°)および斜め向波(χ=120°)の3種類とした。また, 船速は15knot, バラスト排水は満水状態から4時間で終了するとした。タンクの運動は, タンクの幾何中心回りの回転運動だけとした。
 
(2)不規則浪中でのスロッシング応答解
 
 ケープサイズ・バルクキャリアが横波を受ける場合の解析結果を, 図3.12, 図3.13および図3.14に示す。図3.12はタンク内の位置1, 2, 3(図3.11の網掛部)における水位の変動, 図3.13は点1, 2, 3(図3.11の(1), (2), (3))における圧力の時刻歴, また, 図3.14はタンク内のバラスト水の運動を示している。
 
図3.12 船体横揺れに伴うタンク内水位の時刻歴変化
(ケープサイズ;χ=90°)
 
 解析結果によると, スロッシングは横波(χ=90°)状態で最も激しくなる。また, タンク幅/深さ比が大きいケープサイズとハンディサイズでは, 激しいスロッシングが発生し, 液面が深さの半分程度になった時に, トップサイド・タンク下端の船側外板との接合線近傍に比較的大きなスロッシング衝撃圧が発生している。この状態のバラスト水の運動が, 図3.14に示されている。
 
図3.13 船体横揺れに伴うタンク壁衝撃圧の時刻歴変化
(ケープサイズ;χ=90°)
 
図3.14 タンク内バラスト水の運動
(ケープサイズ;χ=90°)
 
 







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