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3. 船は何故(なぜ)、浮かぶのだろうか?
 水より重い鉄で作られた船が浮かんでいる。何故(なぜ)だろうか。
 それは図のように水を満した容器に船を浮べると水が溢れ(あふれ)ます。
 
 
 この溢れた水の重さと船全体の重さが等しいということになり、また、水面下の船底部表面にはこれに相当した力(浮力(ふりょく))が作用して船体が浮かぶことができるのです。
 少し難(むずか)しい表現をすれば
 
水線下の船の容積=船全体の重量
 
と書き表わすことができます。
 また、船が海上に出れば、波や風の影響(えいきょう)で揺れ(ゆれ)たり傾いたり(かたむいたり)します。しかし、そう簡単には転覆(てんぷく)しません。
 
 それは、水に浮かんでいる船には次のように、船全体の重さの中心(重心)と、船を浮かばせる力(浮力)が作用している中心(浮心)が、釣り合いを保って図のように船体に働き、船の傾きを元に戻そうとする力(復元力)で元に戻ります。(A図)
 しかし、重心の位置が上にあるとB図のように、元に戻そうとする力が小さくなり、不安定な状態となって、更(さら)に傾きが増すと転覆することにもなります。
 
 
 したがって、船の安定のためには重心の位置を低くすることが大切で、皆さんも乗船したら、低い姿勢(しせい)を保ち、立ち上らないように心がけて下さい。
 







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