赤外吸収スペクトルは一義的には分子の誘導双極子モーメントに比例する。最近では励起光としてレーザー光を手軽に使えるため、実験も容易な測定法であるので、分子種の同定に威力を発揮している。以下に水1分子、2分子、3分子、4分子クラスターの赤外吸収スペクトルの計算結果を示す。ピーク強度は相対的な意味しかないが、それぞれのクラスターでもっとも強度の強いピークがシフトしていることが分かる。つまり赤外吸収スペクトルのピークを見ることでそこにある水クラスターのサイズを同定できることを示している。クラスターを構成するための水素結合は弱いにもかかわらず、赤外吸収スペクトルが大きく変わることからも、水クラスターの特異性が理解できよう。
図4-4: 水1分子の赤外吸収スペクトル
図4-5: 水2分子の赤外吸収スペクトル
図4-6: 水3分子の赤外吸収スペクトル
図4-7: 水4分子の赤外吸収スペクトル
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