ボラナビの集い
9月19日(木)18:30〜20:30/札通ビル5F A会議室(中央区北5条西6丁目2)
NPO・ボランティア団体の「お悩み」座談会 Part.2
今回のボラナビの集いは、NPO・ボランティア団体の「お悩み」座談会の2回目。5つの団体の方々に、それぞれのお悩みを語っていただきました。出席団体は、循環(くるくる)ネットワーク北海道、札幌チャレンジド、白老みんなで地域福祉を考える会、どろんこクラブ、YUME YUUKI AND YOUのみなさんです。多くの方に悩みを知ってもらうため、北海道新聞の記者の方にご協力いただいています。
循環(くるくる)ネットワーク北海道
〈出席者:神山さん、岡崎さん〉
1995年5月発足。北海道の優れた自然を保全し、より良い環境を次の世代に引き継ぐため、廃棄物の減量化と資源の有効利用をはかり、循環型社会の形成に向けた幅広い活動を行っています。 ★連絡先:011-709-5751
お悩み お金が無いこと、活動のできる人(日中の問合せへの対応、中心になるスタッフ)が少ないこと。出前講座や学習会などの事業を行なうための費用の工面の方法。→助成金を利用しているが、厳しい制約があるものが多い。
札幌チャレンジド
〈出席者:高橋さん〉
障がいを持つ方や、高齢者のパソコン技術の修得を支援する目的で、2000年5月に設立。2001年4月にNPO法人化しました。会員は400人弱。基礎から応用までのパソコンセミナーを主にしています。「チャレ」という地域通貨を取り扱っています。 ★連絡先:011-261-0074
お悩み 同じボランティアが毎回続けて参加することが難しく、講習会の後半がどうしても手薄になってしまうこと。20代から30代の障がい者へのPRが足りないこと。地域通貨「チャレ」の利用をもっと広めたい。
白老みんなで地域福祉を考える会
〈出席者:石見さん〉
白老にあるボランティア団体の情報交換などを目的に2000年より活動しています。スタッフは20名。「ちょいボラ」という広報誌を2ヶ月に1回発行していて、現在vol.14です。2002年9月より、しらおいミニFM「レラ」が開局し、さらに情報公開を行なう予定です。不要のCDを集めていますので、ご協力お願いします。 ★連絡先:0144-83-4082
お悩み 資金不足、ボランティアに対しての理解不足(活動できる場所が少ない、地域住民の理解と関心が薄い)です。
どろんこクラブ
〈出席者:金城さん〉
小学生のためのフリースペースどろんこクラブです。去年の4月から始めて2年目です。感覚統合を取り入れた、ダイナミックで楽しい遊びを展開することによって、心身の発達や集団に対する協調性、創造性等の発達を援助します。集団になじめない、団体行動が苦手、発達に遅れがあるなどのお子さんにはマンツーマンで対応しています。 ★連絡先:011-737-3352
お悩み お金が問題です。借りている事務所が法人契約でないと貸せないとのことで、法人格を取得する計画をしてますが、諸経費がかかります。もうひとつはボランティアの確保。1対1の付き添いが必要な子がいるため、「数」が必要になってきます。常に募集をかけている状況です。
YUME YUUKI AND YOU
〈出席者:タムラカルさん〉
北大の工学部で助手をしています。ネパールの子どもたちに学校を建設し、奨学金によって学習の機会と、夢に向かって努力する勇気を与えたいと思い、この会をつくりました。会の名前には、子どもたちを支えるのは私たちとみなさんという思いを込めています。 ★連絡先:011-758-1800
お悩み 学校をつくるために300万円かかります。今まで100万円は知り合いからの信頼で集まっていますが、まだまだ足りません。また、領収書の取扱についても、細かい取り決め(通し番号をつけるなど)が良くわからないことです。
司会(ボラナビ松本)/ほとんどの悩みは「お金」と「人」の2つにまとめられますが、それぞれの悩みは微妙に違っているように感じます。具体例をあげてもらえますか?
くるくる/ボランティアの人が、途中で来なくなると言うのは困りますよね。
どろんこ/当日来ないということもありました。ボランティアだからと言って無責任ではいけないと思います。今は、ボランティアが流行になっているようで、1回来て、それっきりという人が多い。1回きりでは楽しさもわかりませんし、何回か経験することによって、自分に力が付いてくるし、やめられなくなっていくんですよね。
白老/1つの団体だけでなくいろいろな所で活動したらどうでしょう。「1つにこだわらずに」というのが長続きする秘訣なのでは、と思います。
くるくる/それは、ボランティアをする人の側からすると、いいことでしょうね。でも、ボランティアを受け入れる側からすると、対応する事務局の苦労はまた別の問題なんです。事務局体制がしっかりしていないと大変ですね。でも、事務局のために使える助成金はありません。
札チャレ/有償ボランティアはワーッとたくさん来ますが、無償となると散っていってしまいます。有償のIT講習会の講師を募集すると50人ぐらいきます。講習会が終わると無償になるので、終わったら、いったい何人残るのかなぁといつも思います。受講者の中には目の見えない人もいて、特別なフォローが必要になってきます。後でメンテナンスを行なう場合もあるので、ボランティアが減ると大変です。また、講習会のボランティアの学生さんが途中で来れなくなって、最後までいたのは1人だったこともあります。参加者から、「最初はフォローしてくれたから安心して受けられたが、最後の方はわからなかった」と言われました。また、知的障がいを持つ方からも「つかれたー」と言われてしまい、サポート不足を感じました。
司会/助成金についてはいかがでしょうか。助成金をもらえるようになっても、お金が振り込まれるまで立て替えで払わなければならないことがあり、最初に出費が続くような場合もありますよね。今日は、札幌大学経営学部助教授の佐藤郁夫さんも参加してくださっていますので、アドバイスをお聞きしたいと思います。
佐藤/助成金については、出す側がNPOに対してどう対応するか考えていかなくてはならないですね。「ユメ〜」さんの場合、対象が外国のため、市町村は該当しないので大変でしょうね。YMCAにお願いしてみるという方法もあります。「白老〜」さんが、社会福祉協議会から助成金をもらえたのは、白老という地域だからという事が考えられます。札幌市はなかなか難しいですね。
くるくる/広すぎて、1つ1つの団体に出せないのでは。区単位でもっとしてくれるといいですね。
佐藤/「越智基金」※も知る人が知る基金です。見ていない、知らないと言う人が多いので、もったいないと思います。
司会/「越智基金」は自由に使えるので、ありがたいですよね。ただ、募集期間が短くて、気づかないうちに締切が過ぎてしまうことが多いようです。これからの活動には、情報交換や横のつながりが大事ですね。今日は、札幌通運の方がいらしてますので、ご意見をお聞かせいただけますか。
札通労働組合 佐藤さん/会議室を無料でNPO団体やボランティア団体などに提供していますが、いろいろな人が来てくれると、社員の目に触れる機会も増えてきます。以前、2階に事務局がある「飛んでけ!車いす」の会に、枯葉剤で障がい者になった子どもが来た時、社員が彼らと会って話をしました。色々な事に協力する事に対して、社員の意識も変わってきています。
司会/企業が慈善活動をすることで、少しずつでも社会全体がNPOやボランティア団体に協力的になっていけば素晴らしいですね。
参加者からひとこと
●初めて参加しました。以前は、市民団体は公共事業に反対する団体かと思っていました。自分の周りも、NPOを理解していない人が多いようです。(公務員・男性)
11月のボラナビの集い
札幌大学経営学部助教授 佐藤郁夫さん
「全国のNPO支援施策について」
仙台・奈良・大阪など各地のNPOの支援施策についてのお話です。
日時◎11/21(木)18:30〜20:30
場所◎環境サポートセンター(北区北7条西5丁目千代田ビル1階)
会費◎300円
ボラナビの集い12月以降の予定
12月
●日時/12月17日(火)18:30〜20:30
●場所/環境サポートセンター
NPOと教員で創る「総合的な学習」についての研究結果報告!!
今年度から小・中学校で、来年度からは高校で始まる総合的な学習で「地域住民(個人やボランティアグループ、NPO、企業など)が協力できることを探る」ため、ボラナビ倶楽部主催で、NPOや現役の学校教員で研究会を発足し、各学校を対象にアンケート調査をおこないました。また、ボラナビ倶楽部(ねっとぼ金)に登録しているNPOやボランティアグループの方々にも、総合的な学習への関心などをアンケートしました。結果の一部をご報告します。※この事業は、日本財団の助成を受けて、おこないました。
参加NPO団体
●循環(くるくる)ネットワーク北海道
●チェルノブイリヘのかけはし
●特定非営利活動法人 ねおす
●ネットワークCAPさっぽろ
●北海道技術士センター
●NPO法人 北海道グリーンファンド
学校向けアンケート結果
■期間/6月24日〜7月5日
■調査対象/札幌市内近郊及び道内一部地域小中学校、養議学校、高専
■回収率/27%(378校に配布、102校から回収)
校外から講師を招いて、総合的な学習を「実施している」学校は74%にのぼった。学校別では、小学校における実施割合が高く89%、中学校は69%、高校は33%であった。
校外から講師を招く上での問題点は、「謝礼などの予算」「講師となる個人・団体に関する情報不足」「交渉のための時間やノウハウ不足」が挙げられました。学校側が期待する支援の上位2件は、「人材リスト」(70件)と「実践事例集の作成」(20件)でした。
校外から、講師を招くときの問題点
※NPO推進北海道会議が非営利団体を対象に助成。TEL:011-204-6523
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