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図II-8.22 錨型式・索長に対する把駐係数
 
図II-8.23 錨型式・索長に対する把駐係数(走錨時)
 
図II-8.24 錨型式・索長に対する把駐係数(食い込み時)
 
ハ 爪の開き角度に関する一考察
 ここでは、錨の重量及び錨の形状を無視して、単純に錨の把駐力だけについて比較検討してみる。
 横軸に爪の開き角度をとり、縦軸に張力をとった図を図II-8.25〜図II-8.27に示す。
 
a 海底土質が砂の場合 図II-8.25
 図II-8.24から、爪の開き角度は砂の場合順次小さくした方が索長(水深の3倍〜5倍)に関係なく張力が増加する傾向を示している。
 したがって、爪の開き角度は選定することができない。
b 海底土質が泥の場合 図II-8.26、27
 錨が走錨している状態では、錨の重量及び錨の形状を無視すると、爪の開き角度が53.75°付近で張力が最大となることが、図II-8.26から判明する。
 錨が食い込んでいる状態では、索長が短い場合(水深の3倍)には爪の開き角度が57.0°付近で張力が最大となることが図II-8.27からわかるが、索長を長くすると、爪の開き角度が57.0°付近で張力が大きくなってもそれが最大ではない。
 以上から判断できることは、錨の重量及び錨の形状を無視して爪の開き角度を単純に判断すると、走錨状態では爪の開き角度は55°付近が一つの最適角度であるといえる。
 
ニ 結び
 今回実施した海上実験によって、海底土質が砂と泥の場合における通常使用されている錨の把駐力を把握することができたが、もしも、一つの錨で200kg程度の把駐力を期待するためには、なお一層の錨の安定性を究明し、海底土質に錨が常に食い込むような形状を考える必要がある。
 
図II-8.25 爪の開き角度・索長に対する張力
 
図II-8.26 爪の開き角度・索長に対する張力(走錨時)
 
図II-8.27 爪の開き角度・索長に対する張力(食い込み時)







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