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5-3-4 新造船需要動向
現地調査実施機関:ジェトロ・パリ・センター
現地調査実施期間:2004年2月7日〜16日
 ジブチ市と北部地域との道路網はほとんど発達しておらず、北部地域への日常生活物資・人員の輸送と、北部地域からの農水産物輸送は、フェリーに頼っている。北部地域の主要港であるOBOCK港、TADJOURAH港とDJIBOUTI港との定期フェリーは、1981年にドイツから供与されたフェリー「Bac de l'Unite」号(106DWT)1隻のみによって行われているが、既に老朽化し、特に外板及び強度部材の衰耗が激しく、また、エンジン・トラブルも多いが、エンジンメーカー倒産のため部品調達に苦慮している状況である。そこで、ジブチ国政府は、今後の経済的運航を考慮し、第1段階で小型船(全長25.95m)1隻を、第2段階で中型船(全長49m)1隻を、我が国からの無償資金協力により調達すべく2002年4月在仏日本大使館に正式要請を提出。
 また、ジブチ政府からの要請プライオリティとして、これまで学校建設(1位)、医療(2位)、フェリー(3位)の順となっていたが、学校建設がプロジェクト化されることを受け、また、上記現有フェリーの運航不良の現状から緊急の代替船調達計画として順位を上げるため、医療案件との順位を入れ替えることにより、実質として、フェリープロジェクトを2004年度のトッププライオリティにおいてもらいたい旨の口上書が、2003年12月にジブチ外務国際協力省より在仏日本大使館に提出されており、早ければ2004年度にも調査の公示が出される可能性がある。
 今回のジブチ首相法律顧問面談により、本フェリープロジェクトについては首相からの進言に加え大統領自らの判断による順位格上げであるとのことが判明した。大統領及び首相判断を受け、首相府並びに関係各省も早急なる実現に向けて努力する姿勢を見せていることが窺えた。今次状況につき在仏日本大使館においても本プロジェクトに関して好意的感触を持っていると推察されるところ、本プロジェクトの実現に向けジブチ当局に対し時宜を得たアドバイスを継続していくことが肝要である。
(要請内容)
1. 25.95m型フェリーボート
25.95m(LOA) 21.43m x 6.80m x 2.30m − 1.00m
100GT VS 13kt
2. 49m型フェリーボート
49.00m(LOA) 46.20m x 11.50m x 3.00m − 2.30m
450GT VS 10kt
 
上3枚<1981年にドイツから供与されたフェリー「Bac de l'Unite」号(106DWT)>







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