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3-3-3 既供与船舶の現状及び新造船需要動向
現地調査実施機関:ジェトロ・パリ・センター
現地調査実施期間:2003年11月17日〜26日(セネガル、カーボヴェルデ、ガンビア3ヵ国)
 カーボヴェルデに対しては、前項の「カーボヴェルデ島嶼間輸送船供与計画」により480GT型貨物船「13 de Janeiro(トレーズ・デ・ジャネイロ)」(1993年引渡し)が無償供与されている。本船の供与により、老朽化した別の輸送船が廃船となったため、アルカヴェルデ(現在カーボヴェルデの全島間輸送を行う唯一の船舶公社)が運航する実質唯一の貨物船として活躍し、人が居住する全9島への生活物資輸送のため国内を広範囲に航行している。
 同国における海運需要は9島間の輸送ラインであり、この中で国際貿易港は3島しかなく、残る6島には輸入物資の2次輸送を行わねばならない。食料品、建築資材、燃料等の主要な輸入生活物資はすべて首都プライア(Santiago島)のプライア港及びポルト・グランデ港(Sao Vicente島)に陸揚げされる。
 今回Sao Vicente島ポルト・グランデ港訪問時にはプライア港から運ばれてきた米国産とうもろこし粉の陸揚げ作業中であり、外観を視察したが、船体及びクレーン等の機材類の状態も良く、供与後の維持管理体制は十分整っていると思われた。
 カーボヴェルデ政府は、もう1隻貨物船を投入することにより守備範囲を広げて効率的な運航を行う必要から1999年に第2船を日本政府に要請したが、日本側のベーシックヒューマンニーズ(BHN)の3本柱(水、医療、教育)重視の観点から取り上げられず、また、2001年2月の政権交代により第2船の要請については現在反故の状態となっている。
 今回の設備・運輸省、アルカヴェルデ(船舶公社)等の面談により、カーボヴェルデの南部3島であるSantiago島(首都プライア)とFogo島、Brava島を結ぶRo/Ro旅客船建造についての新規要望があり、現在カーボヴェルデ政府内において我が国への新造船無償供与要請が検討されていることが判明した。現在アルカヴェルデでは、日本からの無償供与の貨物船「13 de Janeiro(1993年建造)」1隻と、貨客船3隻(「Barlavento(1986年建造)」、「Sotavento(1987年建造)」、「Praia d'Aguada(1999年建造、ドイツの有償援助)」の合計4隻を保有しており、旅客については左記3隻によって国内の島嶼間輸送を行っている。特に、南部3島については現在のところ週2便運航するのが精一杯であり、島民生活・経済を支えるための輸送力強化として、また、今後の観光開発を促進することを目的とし、旅客定員150〜200名程度のRo/Ro旅客船の入手を希望している。
 
上4枚(サオ・ヴィセンテ島ポルト・グランデ港にて)
<日本からの無償供与の貨物船「13 de Janeiro」号(1993年建造):米国産トウモロコシ粉陸揚げ作業中>
 
(サオ・ヴィセンテ島ポルト・グランデ港にて)
<貨物船「Barlavento」号(1986年建造)>
 
(サオ・ヴィセンテ島ポルト・グランデ港全景)







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