23. 広州黄埔造船廠
(Guangzhou Huangpu Shipyard)
所在地:広東省広州黄埔区長洲鎮
Address: Changzhou town, Huangpu, Guangzhou, Guangdong, China
郵便番号:510336
Tel: 020-8220-1345
Fax: 020-8220-1387
URL: ―
E-mail: ―
企業形態:大型国有企業
創立:1951年
業務内容:船舶修繕及び舶用補機等の設計・組立。軍事関係企業。
会社概要:広州市珠江沿いにある中国船舶工業集団公司(CSSC)傘下の中堅企業の一つ。
法人代表:陳妙根
廠長:陳妙根
従業員数:2,931人
敷地面積:102万m2
施設概要
スリップウエイ数:8
スリップウエイサイズ(最大船型、クレーン能力):
180m×33m×4台(75t×3、15t×2)
130m×66m×4台(120t×1、60t×1、20t×1、15t×1、50t×2)
ドック数:2
ドックサイズ(最大船型、クレーン能力):
78m×21m(8千DWT、*共用50t×2)
151m×34m(3万DWT、*共用50t×2)
艤装岸壁(クレーン能力):
97m(60t×1、15t×1) 230m(25t×1、15t×1)
32m(6t×1) 396m(120t×1、40t×1、20t×1)
実績(船舶部門)
|
2000年 |
2001年 |
2002年1-6月 |
受注(万DWT/隻) |
1.7/9 |
0.3/4 |
- |
竣工(万DWT/隻) |
3.1/12 |
2/10 |
0.4/8 |
手持(万DWT/隻) |
2.4/14 |
0.6/9 |
- |
生産額(億元) |
2.85 |
4.23 |
2.63 |
輸出額(万USドル) |
1652 |
132 |
- |
|
注)修繕隻数は、2001年は96隻で中国第9位、2002年は125隻で7位。
財務(2001年)
登録資本金:0.73億元(約11.2億円)
売上高:10億元(約153億円)
当期純利益:226万元(約3,465万円)
固定資産:2.6億元(約40億円)
売上総利益:4,509万元(約6.9億円)
備考
●2002年度の生産額はを5.13億元に達し、2001年度の21%のアップとなった。
23.1 企業概況
23.1.1 沿革
1951年3月 「広州黄埔造船廠」として創立。
50〜80年代 中国軍工企業として主に軍用製品を開発・建造。
1956〜1966年 「蕪湖造船廠」と共同で63隻の魚雷高速艇を建造。
70〜80年代 「上海滬東造船廠」と共同で海軍艦を開発し、「成都レベル駆逐艦」を建造。
1991年 珠海特区のLPG船「海通」号を初めて修繕。
1993年 中国船級協会からISO9001の認証を取得。
1994年 香港LPG船「楽華」号を修繕。
1997年 初めて外国の特種船となる−韓国LPG船「 光」号を修繕。
1998年 中国船舶工業集団公司傘下の企業となる。
1999年 中国船級協会品質認証公司の修繕品質管理までの広範囲認証審査を取得。
23.1.2 経営者及びその経歴
表23-1:工場長の略歴
名前 |
陳妙根 |
職務 |
廠長 |
性別 |
男 |
生年月日 |
1944年 |
学歴 |
大卒 |
職歴 |
期間 |
勤務先 |
役職 |
|
1995年〜1998年 |
広州広船国際股公司 |
副総経理 |
|
1998年〜現在 |
広州黄埔造船廠 |
廠長 |
|
表23-2:その他主要責任者の名前及び職務
23.1.3 従業員構成
図23-1: 従業員構成図(2001年12月31日現在)
従業員総数は2,931人、うち大学以上の学歴をもつ従業員は387人。
職業別では、技術者数が246人で、従業員総数の8%。
管理職の従業員は224人で、従業員総数の8%。
23.2 会社組織
23.2.1 会社組織
図23-2: 会社組織図
23.2.2 関連企業
表23-3:主要関連企業の名称及び会社概要
関係 |
関連企業 |
会社概要 |
親会社 |
中国船舶工業集団公司 (CSSC) |
1982年に国務院の承認により設立された大型国有造船企業集団。 国家重点企業として中央政府が直接管理。(「南方集団とも呼ばれる) |
|
出所:上海科学技術情報研究所市場調査研究部
23.2.3 政府との関係
地元広州市政府との関係は非常に良い。地方政府からの補助金の他、人材採用の面でも優遇政策を受けている。
設備調達でも、広州市政府から資材を推薦されることがあるが、品質を検査した上で受け入れている。設備導入でも市政府から様々な情報が提供される。
23.3 業務
23.3.1 業務内容
船舶及びその補機、鉄鋼構造物、クレーン、荷役・輸送機械、石油焼却設備、製油設備、環境汚染防止設備、冷凍・空調設備、建築用金属製品の設計・製造・加工・取付・修理等。
酸素、自動車部品、舶用部品、発電所設備、鋳造物、鍛造物の販売業務を行う。
圧力容器、港湾荷役、船舶建造技術のコンサル、自動車の輸送、自動車修理等。
23.3.2 設備
表23-4: スリップウエイ
長さ(m) |
幅(m) |
万DWT |
クレーン |
備考 |
180 |
33 |
(主に作業船の建造に使用) |
75t×3、 15t×2 |
室内船台 100mを延長 |
180 |
33 |
180 |
33 |
180 |
33 |
130 |
66 |
120t×1、60t×1、 20t×1、15t×1、 50t×2 |
|
130 |
66 |
130 |
66 |
130 |
66 |
|
表23-5: ドック
長さ(m) |
幅(m) |
深さ(m) |
DWT |
クレーン |
備考 |
78 |
21 |
- |
8,000 |
50t×2 |
移動車180台 能力50t/台 |
151 |
34 |
- |
30,000 |
|
|
|
表23-6:艤装岸壁
長さ(m) |
クレーン |
396 |
120t×1、40t×1、20t×1 |
97 |
60t×1、15t×1 |
230 |
25t×1、15t×1 |
32 |
6t×1 |
|
表23-7:その他設備
設備名称 |
能力 |
数量 |
デジタル制御切断機 |
|
2 |
作業場クレーン |
5t |
17 |
自動車クレーン |
8t |
2 |
三星ローラー旋盤 |
|
5 |
旋盤 |
|
91 |
鋼板カッティング機 |
|
10 |
鋼材加工能力 |
1500t/月 |
|
油圧機 |
400t |
1 |
空圧機 |
|
4 |
|
出所:上海科学技術情報研究所市場調査研究部
23.3.3 受注・建造実績
表23-8 主要受注・建造実績一覧表
契約日 |
種類・用途 |
船主 |
竣工日 |
その他 |
1999年11月 |
Miscellaneous |
Dynjandi EHF |
2001年3月 |
アイスランド |
1999年11月 |
Miscellaneous |
Stigandi HF |
2001年3月 |
アイスランド |
2000年3月 |
Miscellaneous |
Erlingsson PR,Orn |
2001年10月 |
アイスランド |
2002年3月 |
Miscellaneous |
Stigandi HF |
2002年1月 |
200DWTアイスランド |
2000年6月 |
45m海上監視船 |
寧波水上安全督局 |
|
設計701研究所 46m×6.8m×3.5m |
2000年6月 |
500t級漁政船 |
広東省海政検査総隊 |
2001年8月 |
55m×7.8m×3.95m |
|
出所:上海科学技術情報研究所市場調査研究部
23.3.4 その他
●設計レベル
技術部に技術者215人がおり、そのうち工程師は64人、高級工程師は23人。
技術部は主に船舶の修繕に関する技術研究を行っている。
●日系・外国企業との提携
アメリカ、イギリス、スウェーデン等から技術を導入
品質標準体系は日本の標準を使用。日本からの受注なし。
23.4 経営・財務状況
23.4.1 資本金・出資者
表23-7: 主要出資者及び出資率
23.4.2 売上げ
図23-3: 近年の売上げ額の推移
23.5 今後
23.5.1 事業計画
敷地が限られているため規模の拡大は困難であり、限られた立地条件、建造能力のもとでの発展を求められている。
2002年の生産実績は、5.13億元(約780億円)。
広州市政府は、2005年の黄埔造船廠の生産額を8億元(約120億円)としている。最近の売上増は軍需によるもの。
|