20.3 業務
20.3.1 業務内容
華南最大の近代化綜合造船企業で、国内最大のコンテナ輸出基地である。
業務内容は造船を主に、多くの種類の製品を生産するのが経営方針で、船舶、コンテナ、大型の橋梁、建築鉄鋼構造物、化学工業用圧力容器、液圧旋盤、波止場用機械、エレベータ製品、冷蔵プラント等を生産。
金融、船舶輸送、解体等の業務開拓も取り扱う。
現在、新造船、コンテナ製造、船舶修繕、鉄鋼構造物、FPR船、陸用機械の6種類の製品シリーズがある。
20.3.2 設備
表20-4: スリップウエイ
長さ(m) |
幅(m) |
万DWT |
クレーン |
213 |
36 |
3 |
100t×1 |
213 |
30 |
4 |
60t×1 |
180 |
36 |
6 |
45t×1 |
|
表20-5: ドック
長さ(m) |
幅(m) |
深さ(m) |
万DWT |
クレーン |
148 |
19.2 |
6 |
4 |
15t×1、5t×2 |
|
表20-6: 艤装岸壁
長さ(m) |
クレーン |
680 |
40t×2、25t×2 |
|
表20-7: その他設備
設備名称 |
能力 |
数量 |
鋼板予処理生産ライン |
|
|
パイプ加工生産ライン |
|
|
BFI-180ボール盤 |
ドイツ製、華南地域最大 |
1 |
三軸デジタル制御門型フライス盤 |
アメリカ製 |
1 |
油圧機 |
|
5台 |
液圧コール・ベンダー・マシン |
400t |
1台 |
切断機 |
|
数台 |
大型三星ローラー機 |
1,500t |
1台 |
トランク運送車 |
|
43台 |
液圧プラットフォーム |
150t |
4台 |
自動車クレーン |
|
10基 |
浮クレーン |
|
1基 |
高架クレーン |
100t |
5基 |
高架クレーン |
15〜40t |
6基 |
|
出所:上海科学技術情報研究所市場調査研究部
20.3.3 受注・建造実績
表20-8 主要受注・建造実績一覧表
種類・用途 |
DWT |
船主 |
竣工日 |
ばら積み貨物船 No.1〜2 |
27,000 |
Sino-transportion Group |
1999 |
プロダクトタンカー No.1〜14 |
35,000 |
A.P.Moller |
1999〜2004 |
RO/RO船 No.1〜2 |
5,700 |
A.P.Moller |
1999〜2000 |
多目的ばら積貨物船 No.1〜5 |
21,000 |
Islamic Republic of Iran Shipping Line |
1999〜2000 |
多目的ばら積貨物船 No.1〜4 |
28,000 |
COSCO |
1999〜2000 |
RO/RO客船 No.1〜2 |
全長 1,600m |
Rederiaktiebolaget Gotland (スウェーデン) |
2002 |
プロダクトタンカー No.1〜4 |
38,000 |
Emerald shipping Limited |
2001〜2004 |
オイル/プロダクトタンカーNo.1〜2 |
40,000 |
華海石油運送有限公司 |
2001〜2002 |
Sub-merge Vssel No.1〜2 |
18,000 |
COSCO |
2001〜2002 |
プロダクトオイルタンカー No.1〜4 |
40,000 |
中海運輸集団 |
2002〜2003 |
|
出所:上海科学技術情報研究所市場調査研究部
20.3.4 その他
●設計レベル
広船国際は技術センターを設立。
技術センターの技術者は405人。そのうち船舶設計に従事する技術者が約300人、非船舶製品の設計に従事する技術者が21人。
造船・科学の研究を行う研究者は24人。
技術者のレベルで見ると、研究員レベルの高級工程師は7人、高級工程師は57人、工程師は64人。
●日系・外国企業との提携
アメリカ、フランス、イギリスから生産設備を多く導入しており、生産設備全体の40%以上を占める。それらの国と技術の提携もあり。
日系企業との関係も緊密で、IHIと長期の技術提携協議を締結。
20.4 経営・財務状況
20.4.1 資本金・出資者
表20-7: 主要出資者及び出資率
出資者 |
出資率 |
中国船舶工業集団公司(CSSC) |
42.61% |
HKSCC NOMINEES LTD |
29.33% |
HSBC NOMINEES(HONGKONG)LTD |
0.953% |
CHAN CHEUK SANG |
0.303% |
泰和基金 |
0.206% |
安徽信托 |
0.102% |
顧鶴富 |
0.096% |
江海濱 |
0.096% |
CHEUNG YEE MEI ELIZABETH |
0.074% |
史玉 |
0.072% |
その他出資者 |
26.158% |
|
20.4.2 売上げ
図20-3: 近年の売上げ額の推移
注: |
2001年の売上下落の主要因は、コンテナ生産の下落。 (子会社である広船国際コンテナ廠は1996年に、中鉄コンテナ運輸センター向けコンテナを製造したときに、国の規定に違反して輸入免税の資材を使用していたことが税関に発見され2001年に罰金を支払った。そのため2001年の広船国際コンテナの経営は不振となった。) |
20.5 今後
20.5.1 最近のトピック
1)上半期の売上額が前年同時期より49.29%アップ(2002年8月)
上半期、高速RO/RO船、半潜水船の建造等で11.63億元(約160億円)を売上げた。
上期の受注額は2.83億元(約43億円)、手持契約額は30.45億元(約450億円)
2)Maerskに3.5万DWTのタンカーの第10船を華海石油運送有限公司に4万DWT
オイル/プロダクト・タンカー「華海6号」引渡し(2003年1月)
3)中海発展のプロダクト/オイル・タンカーが進水(2003年1月)
中海発展が発注した6隻の4.2万DWTのプロダクト/オイル・タンカーの第2船目「安池」号が進水。まもなく第1船目の「平池」号が竣工の予定であり、3船目も起工。
4)中国初の高速旅客RO/RO船が竣工(2003年1月)
スウェーデンから受注した2隻の高速旅客RO/RO船の第1船目が竣工。11のデッキがあり、計400台の小型自動車を搭載できる。
20.5.2 事業計画
●「第10次5ヶ年計画」
2001年から2005年の「第10次5ヶ年計画」の期間の経営方針は、「新造船及びコンテナを発展させる」ということである。資源の最適配置をし、専門的な生産基地を作り上げ、港湾機械及び建築用鉄鋼構造物の製造を拡大する。状況によっては、虎門の船舶修繕基地及び大型鉄鋼構造物の組立て基地も建設する。
新造船では、品質、生産及び技術レベルのアップを中心とする設備の改造を行う。ソフトでは、企業管理を強化し、「高品質、高技術、近代化、科学的管理」を目指す。RO/RO船、大型海洋作業船(18,000T級半潜水運搬船)、化学薬品運搬船、プロダクトタンカー、艦船等高技術、高付加価値の船舶を建造する。
2005年末の新造船を9〜11隻、33〜34万DWTとする。
コンテナ製造では、作業場を改造し、生産基地を拡大し、生産設備を増設し、全体の生産規模を拡大することを通じて生産効率の強化を図る。
2005年の年間生産能力を15万TEUにする計画。
鉄工構造物では、内部資産の最適化により子会社を発展させる。
会社組織で、事業部単位を主とする組織体系をさらに改善し、製品の開発、基礎研究及び生産技術の関係を明確化、効率化する。
管理体制では、「人を基礎とする」という経営理念を徹底的し、「共同で頑張り、創造、貢献する」という企業精神を中心とした企業文化をおしすすめる。
●「広船国際南沙工業団地」の建設計画
工業団地の第1期計画は敷地面積500畝(1畝は660m2)、総投資額は2.3億元(約40億円)であり、主にコンテナ製造基地を建設する計画である。
工業団地の第2期計画は船舶の修繕基地の建設であり、第3期計画は新造船基地の建設である。敷地総面積は2,000畝を計画している。
|