21. 広州中遠船務工程有限公司
(Cosco (Guangzhou) Shipyard)
所在地:広東省広州黄埔双沙尾廠江路
Address: Guangjiang Road, Huangpu district, Guangzhou city, China
郵便番号:510725
Tel: 020-8239-9432、8238-6849
Fax: 020-8238-6557、8238-4720
E-mail: coscogzy@public.guangzhou.gd.cn
資本形態:中型中外合弁企業
創立:1992年
業務内容:主に船舶の修繕業務を行っている。
会社概要:中遠船務工程(集団)有限公司傘下の企業であり、南通中遠船務工程有限公司、大連中遠船務工程有限公司と三兄弟会社である。
法人代表:王興如
董事長:王興如
総経理:陳勇
従業員数:450人
敷地面積:33,000m2
施設概要
ドック数:1
ドックサイズ(最大船型、クレーン能力):
238m×39m×13m (8万DWT、15t×1、30t×1)
艤装岸壁 (クレーン能力):405m(10t×1、20t×1、30t×1)
実績(船舶の修繕)
|
2000年 |
2001年 |
2002年1〜6月 |
修繕隻数 |
71 |
74 |
28 |
生産額(万元) |
7,350 |
17,466 |
- |
輸出額(万USドル) |
456 |
1,484.9 |
- |
|
財務(2001年)
登録資本金:2,192万USドル(約万円)
売上高:1.6億元(約24.5億円)
当期純利益:539万元(約8,263万円)
固定資産:2.2億元(約34億円)
売上総利益:2,479万元(約3.8億円)
備考
●元広州遠洋船舶修理廠有限公司。
●2001年の船舶修繕額は中国第11位。
●「プレステージ号」が事故前に鋼板取替等を行った造船所。
20.1 企業概況
20.1.1 沿革
1970年 「広州遠洋船舶修理廠有限公司」として創立。
1996年 中国船級協会(CCS)からISO9002の認証を取得。
1998年 浮ドックを建造。
2001年8月 「中遠船務工程集団公司」成立。「広州遠洋船舶修理廠有限公司」も同社に統合され、社名を「広州中遠船務工程有限公司」に変更。
注)「中遠船務工程集団公司」
「中遠船務工程集団公司」は、COSCOグループが船舶修繕を強化し、生産規模を拡大し、国際市場での競争力をアップするため、「南通中遠船務工程有限公司」、「大連中遠船務工程有限公司」、「広州遠洋修船廠」他COSCOグループ内の船舶修繕関連企業数社を統合してできた企業。
21.1.2 経営者及びその経歴
表21-1: 董事長の経歴
名前 |
王興如 |
役職 |
董事長 |
性別 |
男 |
生年月日 |
1964年 |
学歴 |
大卒 |
職歴 |
期間 |
勤務先 |
役職 |
|
1990年〜2001年 |
中遠工業公司 |
副総経理 |
|
1998年〜現在 |
南通中遠船務工程有限公司 |
総経理 |
|
2001年〜現在 |
広州中遠船務工程有限公司 |
董事長 |
|
表21-2: 総経理の経歴
名前 |
陳勇 |
役職 |
総経理 |
性別 |
男 |
生年月日 |
1957年 |
学歴 |
大卒 |
職歴 |
期間 |
勤務先 |
役職 |
|
2001年〜現在 |
広州中遠船務工程有限公司 |
総経理 |
|
表21-3: その他主要責任者の名前及び役職
名前 |
役職 |
胡建慶 |
副総経理、経営責任者 |
倪 涛 |
副総経理兼生産部部長 |
|
21.1.3 従業員構成
図21-1: 従業員構成図(2001年12月31目現在)
従業員総数は450人であり、うち大学以上の学歴をもつ従業員は284人。
技術者数は115人で、従業員総数の26%。
管理職の従業員は73人で、従業員総数の16%。
21.2 会社組織
21.2.1 会社組織
図21-2: 会社組織図
21.2.2 関連企業
表21-4: 主要関連企業の名称及び会社概要
関係 |
関連企業 |
会社概要 |
親会社 |
中国遠洋運輸集団公司(COSCO) |
中国最大の海運会社。グループ内に物流、貿易、金融、不動産、サービス等多くの企業を有する。 |
出資会社 |
広州遠洋運輸公司 |
中国遠洋運輸集団の主要メンバーであり、中国最大のばら積み貨物船専門の海運企業の一つ。 |
合興船務工程(香港)有限公司 |
1991年にCOSCO(香港)集団傘下の企業となる。COSCO船隊の香港での保守・修繕所を実施。 |
兄弟会社 |
南通中遠船務工程有限公司 |
前身は「南通遠洋船務工程有限公司」。2002年8月に正式に中遠船務グループの子会社になる。 |
大連中遠船務工程有限公司 |
1992年に中国遠洋集団工業総公司(COSCO)と中国遠洋(香港)工業投資有限公司が共同出資して創立。2001年8月中遠船務工程集団公司に統合され、中遠船務グループの子会社になる。 |
子会社 |
Zhongxing Sealand Engineering Co.,Ltd |
- |
Rikky Ocean Governor Guangzhou Co.,Ltd |
- |
Yuanda Technical Cooperation Service Co.,Ltd |
- |
Yuanxing Sea-land Engineering Service Co.,Ltd |
主に舶用設備、陸上機電設備の保守、修理、取付け及び関連部品の調達・販売、コンテナ修理を取扱。 |
|
出所:上海科学技術情報研究所市場調査研究部
21.2.3 政府との関係
広州市政府との関係は普通。COSCOグループということで、COSCOの指示のもとで企業経営を行っており、また、広州中遠船務工程有限公司は広州市で特に有名な企業でもないことから、広州市政府との間に特別の関係はない。政府の優遇税制や補助金等もない。
設備導入、資材調達も広州市政府と関係なく、ときにCOSCO指導のもとで行うこともある程度である。
21.3 業務
21.3.1 業務内容
各種船舶の修理、製造・販売、陸上・舶用鉄鋼構造物及び舶用部品の生産・販売等現在は、主に各種船舶の検査時の保守、修繕、海損時の緊急修理等を実施。
21.3.2 設備
表21-5: ドック数
長さ(m) |
幅(m) |
深さ(m) |
万DWT |
クレーン |
備考 |
238m |
39m |
13m |
8万 |
15t×1、30t×1 |
“翠華山”号浮きドック |
|
表21-6: 艤装岸壁
長さ(m) |
深さ(m) |
能力 |
クレーン |
405 |
-7 |
80,000 |
10t×1、20t×1、30t×1 |
|
表21-7: その他設備
設備 |
能力 |
数量 |
ドック・クレーン |
15t+30t |
2 |
起重機械 |
10t+20t+30t |
3 |
溶接機 |
|
14 |
Cherry pickers |
|
12set |
|
出所:上海科学技術情報研究所市場調査研究部
21.3.3 修繕実績
表21-8: 主要受注・修繕実績一覧表
船名 |
種類・用途 |
サイズ(m) |
国籍 |
修繕内容 |
Panacea |
ばら積み貨物船 |
225×32 |
ギリシャ |
ドックでの修繕、鉄鋼作業、機電工事 |
Shanghai Senator |
コンテナ船 |
216×32 |
ドイツ |
ドックでの修繕、鉄鋼作業、サンドブラスト |
耀明 |
ばら積み貨物船 |
210×32 |
台湾 |
ドックでの修繕、機電設備修理等 |
Full Sources |
ばら積み貨物船 |
225×32 |
香港 |
ドックでの修繕、鉄鋼作業等 |
Aker |
ばら積み貨物船 |
197×24 |
トルコ |
ドックでの修繕、機電設備修理等 |
Top Glory Great Majesty |
ばら積み貨物船 |
180×31 |
香港 |
ドックでの修繕、鉄鋼作業、機電設備修理、サンドブラスト、配管 |
An Ji Hai |
ばら積み貨物船 |
181×31 |
中国 |
ドックでの修繕、鉄鋼作業、サンドブラスト |
Dubai Diamond |
コンテナ船 |
149×21 |
UAE |
ドックでの修繕、機電設備修理等 |
Elisabeth Oldendorff |
ばら積み貨物船 |
158×25 |
ドイツ |
ドックでの修繕、鉄鋼作業、機電設備修理 |
Heraklia |
ばら積み貨物船 |
225×32 |
ギリシャ |
ドックでの修繕、機電設備修理等 |
Pacific Senator |
コンテナ船 |
216×32 |
ドイツ |
ドックでの修繕、鉄鋼作業、機電設備修理、サンドブラスト、配管 |
易実 |
ばら積み貨物船 |
200×32 |
香港 |
ドックでの修繕、機電設備修理等 |
Crystal Ace |
ばら積み貨物船 |
170×26 |
韓国 |
ドックでの修繕、鉄鋼作業、サンドブラスト |
|
ばら積み貨物船 |
175×25 |
ギリシャ |
ドックでの修繕、鉄鋼作業等 |
中海Zhong Hai |
ばら積み貨物船 |
188×31 |
中国 |
ドックでの修繕、機電設備修理等 |
Maroudio |
ばら積み貨物船 |
179×27 |
ギリシャ |
サンドブラスト3,000m2 バラスト・タンク塗装7,000m2 鋼板取換295t 主機、補機、変速器の修理 補助ボイラー、主冷却器のパイプ取換 発電機3台、モーター24台等の保守 |
Formosa Nine |
化学薬品運搬船 |
175×30 |
台湾 |
二重船体改造、特種塗装18,000m2 |
Jupiter |
ばら積み貨物船 |
153×27 |
韓国 |
ドックでの修繕、鋼板取換35t等 |
Jin Pu Hai |
ばら積み貨物船 |
225×32 |
中国 |
ドックでの修繕、サンドブラスト等 |
Hebei Phonix |
ばら積み貨物船 |
254×32 |
パナマ |
鋼板取換328t、ドックでの修繕 |
朝 Chao Yang |
ばら積み貨物船 |
144×20 |
中国 |
鋼板取換40t、エンジン検査、冷却器修理 |
敦義 |
ばら積み貨物船 |
223×32 |
香港 |
鋼板取換200t、サンドブラスト等 |
|
ばら積み貨物船 |
146×22 |
ギリシャ |
サンドブラスト、鋼板取換、ドックでの修繕 |
Hebei No.1 |
ばら積み貨物船 |
254×32 |
パナマ |
鋼板取換え200t等 |
楊海 Yang Hai |
ばら積み貨物船 |
189×17 |
中国 |
ドックでの修繕、エンジン修理等 |
|
ばら積み貨物船 |
160×25 |
日本 |
鋼板取換、ドックでの修繕工事等 |
|
客船 |
160×25 |
日本 |
鋼板取換、サンドブラスト、ドックでの修繕 |
Oinoussian Lion |
ばら積み貨物船 |
223.7×32.3 |
ギリシャ |
ドックでの修繕工事、サンドブラスト、機関保守等 |
|
出所:上海科学技術情報研究所市場調査研究部
21.3.4 その他
●設計レベル
技術部あり。技術部の技術者は57人、うち工程師及び高級工程師は21人。
COSCOグループは上海に技術研究センターがあり、広州中遠船務工程有限公司の技術部は必要に応じ、上海技術研究センターの協力を受けつつ主に修繕現場の問題を担当。
●日系・外国企業との提携
修繕技術は主にイギリス、イタリア、スウェーデン及びノルウェー等ヨーロッパ企業との提携。航路標識技術では日系企業と協力。
アラブ首長国連邦 Caribbean Trading 社、キプロス WSR SERVICES LTD 社と業務提携。
21.4 経営・財務状況
21.4.1 資本金・出資者
表21-9: 主要出資者及び出資率
出資者 |
出資率 |
広州遠洋運輸公司 |
50% |
合興船務工程(香港)有限公司 |
50% |
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21.4.2 売上げ
図21-3: 近年の売上げ額の推移
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