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(3)「北九州エコブランド」形成の検討
(1)現況
・関東や九州離島において、北九州でのリサイクル、循環資源輸送についての認知度は、大きくない。
・循環資源のリサイクルにおいては、価格が優先されがちである。
・宇部・徳山港等でも広域からのリサイクル、循環資源輸送を指向する動き、大都市圏でリサイクル施設を整備する動きなどがあり、循環資源の集荷を巡って、競争が激化している。
・循環資源のリサイクルにおけるブランド形成の事例は少ないが、輸出古紙等を対象に横浜港で指向する動きがある(横浜市リサイクル資源事業協同組合)。
 
(2)関係者の意見
・北九州でのブランドということでは、輸送だけでなく、リサイクル業者の参加も必要である(北九州市リサイクル業者)。
・北九州ブランドということで、北九州では適正処理しているというお墨付きを確保し、遠方にも知名度が拡がることが望ましい(北九州市収集運搬業者)。
・北九州でのブランド形成は、先ずは地道な実績を積み上げ、その上で検討することが必要ではないか(北九州市収集運搬業者)。
 
(3)目的
 「北九州エコブランド」形成により、関東等の遠方の循環資源排出地における北九州の差別化、他地域との競争上の優位を確保することを目的とする。
[ブランドの定義]
・一般的には、「企業が自社の製品等を競争相手の製品等と識別化または差別化するためのネーム、ロゴ、マーク、シンボルなどの標章」を意味する。
・企業は、ブランドを通じて製品等に対する顧客の継続的な愛顧、信頼を目指し、顧客は製品等の機能等よりもブランドを拠りどころにして購入を意志決定していく。
(経済産業省企業法制研究会「ブランド価値評価研究会報告書」)
 
(4)提案事項
a 北九州エコブランド研究会(仮称)の設置
b 北九州エコブランドの確定
c 北九州エコブランドの管理運営
 
(5)提案の内容
a 北九州エコブランド研究会(仮称)の設置
[ポイント]
・北九州の循環資源輸送に係わる官民の関係者により、「北九州エコブランド研究会(仮称)」を設置し、ブランド形成に向けた検討を行う。
・リサイクル業者、収集運搬業者(船社、港運、JR貨物、トラック会社等)、北九州市(港湾、物流、環境担当)の参加が考えられる。
[実施]
・平成17年度以降、北九州の循環資源輸送、リサイクルに関わる官民の関係者により、設置することが考えられる。
b 「北九州エコブランド」の確定
[ポイント]
・「北九州エコブランド研究会(仮称)」では、北九州におけるリサイクル、循環資源輸送において確保すべき品質基準、標章、顧客への認知の仕方等を検討し、「北九州エコブランド」の内容を確定する。
・問題やクレームが生じた際の対応の仕方(即座の連絡、説明、発表、事後の対応等)を検討、マニュアル化することも考えられる。
[実施]
・平成17年度以降、官民の関係者により検討することが考えられる。
c「北九州エコブランド」の運営
[ポイント]
・「北九州エコブランド」を確立・運営するために、研究会を発展的に改組して「北九州エコブランド運営委員会(仮称)」を設置し、品質基準、標章の維持、顧客へのPR等を行うことが考えられる。
[実施]
・平成18年度以降、官民の関係者により運営することが考えられる。
 
図−8.9 「北九州エコブランド」の育成の検討(イメージ)
 
(6)効果
・主要な循環資源排出地である関東、九州離島、沖縄などにおいて、北九州でのリサイクル、循環資源輸について知名度が向上する。
・北九州側のリサイクル、輸送企業の取扱量が拡大する。
 
8.5 関係者の役割
 8.4 海上輸送促進方策の検討で示した方策を実施するには、関係する官民の連携、協力が必要である。各方策毎に関係者は異なり、それぞれの役割は、概ね以下の様に整理される。
  北九州市 民間(物流) 民間
港湾 物流 環境 船社 港運 鉄道 トラック 総合 リサイクル
I (1)公共岸壁における必要機能の確保 - -
(2)パイオニアプロジェクトの推進 -
(3)効率的なコンテナ輸送容器の検討
II (1)「北九州リサイクル特区」の形成による
規制緩和
III (1)港湾連携による海上輸送ネットワークの形成 - -
IV (1)混載・帰り荷の集荷システムの構築
(2)提案・営業機能の確立、展開
(3)「北九州エコブランド」形成の検討
◎:主要な関係者
○:関係者
注:「総合」は総合物流会社の略称







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