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3・5 電流力計形計器
3・5・1 原理
 図3・4において,3・4・1(2)のNSの磁極の代りにF1,F2の固定コイルを用いその中間に可動コイルmをおく。図3・4のように,電流iを流せば固定コイルの磁界と可動コイルmとの間に電磁力が生じこれはi2に比例する電流力が作用する。そして,可動コイルmに駆動トルクが生じ,これに連結されている指針が動く。
 
図3・4
 
 今, i を交流の瞬時値電流,Iを交流の実効値電流とする。
瞬時トルクτ=Ki2ここでK比例定数
平均トルクTaυ=(τの1周期間の平均)
=κi2の1周期間の平均)=KI2
Taυ=KI2・・・(3・5)
 この関係を図示すれば図3・5のようになる。
 
図3・5
 
 このように,電流(又は電圧)の2乗に比例する力を利用する計器は,交流用計器として利用される。
 
 
図3・6
 
 図3・6(a)(b)において,被測電圧Vを計器端子にあたえれば電流Iが流れ,固定コイルF1F2と可動コイルmとの間にI2に比例する電力が生じ,mに駆動トルクができることは3・5・1項で述べた。
 今,Fの磁界の方向と指針の零位との間の角をα約45°とし指針の偏れをθとすれば,mに働く電流力fはI2に比例する。mに作用する駆動トルクTdとし,制御トルクTcはθに比例する。
よって,  Td=κ1I2cos(α-θ)  Tc=κ2θ
Td=Tcとして力が釣り合うから
κ1I2cos(α-θ)=κ2θ
 
故に,
 
又はθ∝I2cos(α-θ)・・・(3・6)
 しかるに  I∝E,故にθ∝E2cos(α-θ)・・・(3・7)
となり目盛盤には,直接被測電圧Vを目盛ることができる。
 しかし,この目盛は,不平等目盛で中央が幅広く,零位に近づくにしたがって幅は狭くなる。
 なお,直列抵抗Rを用いた理由は,合成温度係数を小にすることと,直流又は交流に用いても共に同一の確度を得るためである。普通この計器の動作電流は50〜100〔mA〕である。
 
 
図3・7
 
 0.25〔A〕位までの電流であれば,固定コイルFと可動コイルmとを直列にして電流計にすることができる。しかし,これ以上の電流になれば,うず巻きばねの制御装置では無理であるから,図3・7のように可動コイルmには被測電流に比例する小電流を分流させて電流計とする。
 図3・7は,5〔A〕用の電流計を示したものである。F及びmには被測電流Iに比例する電流I1,及びI2が流れ,可動コイルmに作用する電流力はI1×I2したがって,I2に比例する。よって,(3・6)式によって目盛上には直接被測電流Iを目盛することができる。







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