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(2)サンゴの白化
 褐虫藻(かっちゅうそう)がサンゴから抜け出してしまうため、サンゴは色を失って白くなるのです。抜け出る褐虫藻の量が少なかったり、高水温の期間が短い場合には、サンゴの体内の褐虫藻が再び増加してサンゴは色を取り戻し、再び元のように元気になります。褐虫藻は、サンゴの体の中で分裂して増えます。しかし、高温が長く続く場合には、サンゴが死んでしまうこともあります。
 塩分が低下した場合にも、褐虫藻がサンゴから抜け出ることがあります。大雨で浅瀬の塩分が下がったり、干潮時(かんちょうじ)に大雨が降ってサンゴが雨水で洗われるような場合にも、サンゴの白化がおこります。
 沖縄では1998年に海水の温度が高くなったために、広い範囲にわたってサンゴやサンゴ礁の大規模な白化がおこり、2001年にも再び白化が見られました。大規模な白化が起こる場合には、ある地域のサンゴがほとんど死滅してしまいます。
 
サンゴの白化
 
(3)赤土流出
 サンゴは澄み切ったきれいな海水を好みます。水が汚れた場所には、サンゴはよく育ちません。赤土流出は、環境(かんきょう)にも、生物にも、漁業や観光産業にも、また、景観やレクリエーションの面から見ても、何一つとしてよくありません。
 ハマサンゴなどは、粘液(ねんえき)を出して体についた赤土粒子をとらえ、粘液をはがすことによって体をきれいにするため、水が少しにごった場所でも生きられますが、他のサンゴにはこのような場所では長くは生きられません。
 
赤土流出
 
干上がったサンゴの白化







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