1. 目的
財団法人日本船舶標準協会にてJIS化を検討しているISO614の試験方法について適正性に関する確認・評価試験を行い、規定内容を検証する。
この試験は、船舶用窓強化安全ガラスの非破壊強度試験について定めた国際規格「ISO 614:1989-Punch method of non-destructive strength testing」の規定に基づき、各国の船舶窓用ガラス(317φ、10mm強化)を用いてISO614のパンチテスト試験・評価を行う。
さらに代替試験を検討するため落球試験での発生応力を把握し、その可能性を検討する。
具体的には、破壊荷重の把握、ガラス発生応力の測定、また、併せてガラス表面応力の測定を行う。
2.1 実施日
平成15年10月27日 立会日
試験項目 パンチテスト
発生応力測定
表面応力測定
11月21日 試験項目 落球試験
2.2 場所
日本板硝子テクノリサーチ株式会社 (兵庫県伊丹市)
2.3 立会者
安全硝子工業会 中島硝子工業(株) 勇木 健
日本特殊硝子(株) 木村 正敏
藤原工業(株) 伊原 明男
板硝子協会 日本板硝子(株) 長谷川 純
セントラル硝子(株) 遠藤 雅人
協会事務局 寺部 尚孝
3.1 供試体
ISO1095(船舶丸窓用強化安全ガラス)規格に関連する製品
・製造国:日本、韓国、欧州
・品種:透明強化ガラス
・寸法:317φ
・厚さ:10mm
・枚数:日本製 6枚、韓国製・欧州製各4枚
〔使用内訳〕
・パンチテスト(予備試験):1枚(日本製)
・パンチテスト(本試験):12枚(日本製・韓国製・欧州製 各4枚)
・発生応力測定:1枚(日本製)
・落球試験(発生応力測定含む):1枚(日本製)
・表面応力測定:3枚(日本製・韓国製・欧州製 各1枚)
3.2 試験装置および検定
・強度試験機(オートグラフ) 島津製作所(株) AG-10TG型
検定:1回以上/月で実施
・動歪計 NEC三栄(株) omniace II RA1000
・歪ゲージ(STRAIN GAUGE) (株)東京測器研究所 FRA-2-8
・バビネ型表面応力計 (有)折原製作所 BTP-H
検定: 試験前に標準検定体で確認
4.1 パンチテスト
ISO614による( 別紙1参照)・・・10200Nで5sec保持が強度基準値
【加圧速度の把握】
予備試験によって、加圧速度1000N/secとなるパンチの下降速度(mm/min)を求め、本試験に適用した。
【破片の飛散防止について】
供試体(負荷面全面)に固定用テープを貼り、試験時の破片飛散防止とした。
【パンチテストでの発生応力】
供試体(非負荷面)の中央部に3軸ゲージ1枚を貼り、負荷荷重1500kgfまで100kgfピッチ(9804Nまで980Nピッチ)で発生応力の測定を行った。
4.2 落球試験
供試体の支持には、パンチテストに用いた基盤(鋼)および平リングを用いた。
規格に準じた3種類の鋼球(227±2g、508±3g、2260±20g)を軽い方から順に、2種類の高さ(50cm、100cm)から落下させ、裏面中央部における衝突時の発生応力を測定した。
4.3 表面応力測定
下図1に示すように、供試体中央部と周辺2ヵ所(中央部から100mm位置とその対称位置)について表面応力を測定した。
図1 表面応力測定位置(略図)
(×:測定位置)
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