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別紙1 新規標準化候補項目
 
1. アンケート調査による要望項目
(注:[急ぐ、やや急ぐ、急がない]は緊急度を示す。)
分野 No. 標準化項目 規格の必要性 規格の内容(事業内容)
環境 1 舶用ボイラーからの発生黒煙 着岸中又は港湾での舶用ボイラーからの発生黒煙に対する対策が要求されることがある。 環境への影響度、黒煙の程度の規定や試験・検査基準のガイダンス [やや急ぐ]
安全 2 FSSコード(火災安全設備のための国際コード)関連機器等の性能基準・試験基準 IMO/FP小委員会で基準の見直しが行われているが、試験基準がないもの、また、試験基準があっても詳細な規定がないものがある。 ・国内基準及びメーカーの開発状況の調査
・性能基準・試験基準を作成し国際規格に提案 [やや急ぐ]
安全 3 電磁両立性関連規格(船橋及びその他の区画に設置される機器) 電気・電子機器の範囲及びその設置に関する制限が統一されていない。 SOLAS2000年改正第V章Reg17は、船橋又は船橋の近傍における電気及び電子機器の電磁両立性と機器の正常な機能に影響を与えない設置を要求している。 設計基準の国際標準 [やや急ぐ]
安全 4 ISO 8468 船橋配置及び関連機器―要件及びガイドライン MSC/circ. 982 "Guideline of Bridge Ergonomic design"に合った具体的配置要件及び装備要領が必要。 ISO 8468: 1990の見直し [急ぐ]
安全 5 プラズマディスプレイ テレビ等で普及し始めたプラズマディスプレイを航海計器の表示部に応用するため、船舶固有の振動、熱等の環境における使用や保守管理の基準を規格化する必要がある。 プラズマディスプレイの使用基準・保守管理基準 [急がない]
安全 6 タンカーのタンク内点検設備 SOLAS要求で2005年1月以降の建造船にクローズアップ検査と板厚計測のための恒常的な点検設備が必要。 設計基準、装備基準の国際標準 [急ぐ]
安全 7 Advanced IBS 技術の進歩、搭載機器の増加、少人数化、船員の技量の不均一等実態を配慮した統合化されたBridge Systemが必要。 現行基準と併行する形で一部の機器基準を包含する新システム統合基準を作成 [やや急ぐ]
安全 8 小倉口 IMOでBulk Carrier Safetyが制定された。 船首0.25L以内の構造の見直し(JISF2321) [やや急ぐ]
安全 9 可燃物飛散防止策 SOLAS'96改正要求で可燃流体の飛散防止策が必要。 対象流体、対象範囲の標準化 [急ぐ]
安全 10 IEC 61892-7 Ed.1.0:1997(海洋構造物−第7部:危険区域) 多機種の海洋構造物が計画されており、その危険区域の定義が必要。 IEC 61892-7 Ed.1.0:1997の見直し [急ぐ]
安全 11 海洋構造物の曳航時設計基準 曳航時の強度設計のための条件設定に統一基準が必要。 曳航時の設計基準の国際標準 [やや急ぐ]
安全 12 海底設置型海洋構造物の地震強度設計条件 海洋設置の設備が多く考えられるようになっており、その地震強度設計条件が緊急に必要。 考慮すべき地震条件の考え方、海底地盤のモデル化、強度設計上の要件に関する国際標準 [急ぐ]
高齢者・障害者
への配慮
13 舟艇及び旅客船における高齢者・車椅子利用者等移動制約者への配慮規格 JISC消費者政策特別委員会においてISO/IECガイド71の制定等により高齢者・障害者への配慮に係わる標準化の進め方に関する提言書(H15-6-16)が作成された。このような動向に対応する第1歩。 舟艇及び旅客船における高齢者・車椅子利用者等移動制約者のためのスペースに関する要件、乗降装置、救命胴衣等の設置ガイドラインの作成 [急ぐ]
その他 14 海上試運転における軸馬力計の装備基準 主機関の出力を海上試運転時に直接計測することを可能にするための設置が必要。 海上試運転において軸馬力計を装備することの推奨と、軸馬力計が備えるべき要件の国際標準 [やや急ぐ]
その他 15 舶用燃料油中に含まれる接触分解法に用いられる触媒の量の制限 内燃機関に対する影響を緩和するため、舶用燃料油に含まれる小粒径のFCCの濃度を制限する必要あり。 舶用燃料油中に含まれるアルミナ、シリカの濃度の規定値を見直す [急ぐ]
その他 16 ディーゼル機関の潤滑油の性状管理基準 現在、潤滑油の許容性状については、オイルメーカーの基準的なものによる部分が多い。根拠の明確な基準があれば合理的な管理が可能となる。 性能確認試験の実施 [急ぐ]
 
2. IMO審議事項等から標準化の可能性が予期される項目
分野 No. 標準化項目 現況(IMO審議状況、研究開発状況等) 規格化の可能性 規格の内容(事業内容)
安全(国際
競争力強化)
1 救命胴衣装着用小型軽量SART(捜索救助用レーダトランスポンダー) 船舶品質管理協会がプロットタイプを開発した。 メーカは実用化へ向けて開発予定。 電波法上の問題を解決する必要がある。 日本で開発した本製品の実用化の推進を図るため、開発状況を見守りつつ、IMOとISOに並行的に提案することが考えられる。 ・性能確認試験の実施
・性能基準、試験基準、製品基準等を規定した規格案の作成 [やや急ぐ]
環境 2 NOxの船上における測定・モニタリング方法 MARPOL付属書VI(船舶からの大気汚染防止)が2005年には発効の見通し。IMOにて「船上におけるNOx検証方法のためのガイドライン−直接計測及びモニタリング法」が採択された。 審議に際して、我が国から新しいNOxセンサ(ジルコニア式センサ)、燃料油中の窒素含有率の制限値の必要性を提案している。 テクニカルコード、ガイドライン等を基に、耐振性・耐衝撃性・保守性・信頼性に優れ、安価なジルコニア式NOxセンサを用いた船上NOx直接測定及びモニタリング法の標準化提案が考えられる。ただし、IMOの審議状況から、すぐに特定の計測器を提案するのは難しいので、当面の目標はJIS化とし、その後国際化を検討するのが適当と考えられる。 ジルコニア式センサを用いて実船にて実用性の検証試験を行い、ジルコニア式センサを用いた船上NOx直接測定及びモニタリング法の標準案を作成する。 [急ぐ]
環境 3 糞尿処理装置 MARPOL付属書IV(船舶からの糞尿、汚水の排出規制)が2003年9月27日に発効した。 国土交通省は「ふん尿等浄化装置の型式承認試験基準」を制定した。(平成15年9月26日) 発効に合わせて、標準化が必要と思われる。 IMOの性能基準、ふん尿等浄化装置の型式承認試験基準等に基づき、性能基準・試験基準・製品基準等を規定した国際標準を作成する。 規格案の試験基準に基づき確認試験を実施する。 [急ぐ]
環境 4 油水分離器 機関区域の乳化油ビルジに対応するため仕様及び試験基準が改正され2005年1月1日に発効する。 発効に合わせて、標準化が必要と思われる。 IMOの性能基準等に基づき、性能基準・試験基準・製品基準等を規定した国際標準を作成する。 規格案の試験基準に基づき確認試験を実施する。 [急ぐ]
環境 5 統合ビルジ処理システム 日本は、機関区域の乳化油ビルジの根本的な問題解決のため、「総合ビルジ処理システム」(IBTS)(機関室のビルジを、水、油及び油分混じりビルジに分けて収集し、処理することにより、油水分離装置で処理する油分混じりビルジを根本から減少させるシステム。)を取り入れるように提案している。 油分混じりビルジを減少させることにより、油水分離装置の負担を軽減するとともに、処理作業の負担を軽減し、環境保全に資する有効なシステムである。従って、このシステムを標準化すれば、さらに有効なものとなりうる。 日本提案に沿って、IMOの審議状況を考慮しつつ、機関区域のビルジを総合的に処理するための設計指針・基準、運用指針、評価基準等を規定した国際標準を作成する。 [やや急ぐ]
環境 6 TBT塗料の検査方法 IMOにて「船舶の防汚方法の検査及び証書に関するガイドライン」、「船舶の防汚方法のサンプリングに関するガイドライン」等が合意された。 AFS条約に引用されている3つのガイドラインが合意され、方向が見えてきたので、次の標準化が必要と思われる。
・2次検査の標準化−サンプリング塗料の前処理、化学分析方法の標準化
・製品検査の標準化−防汚塗料の分析方法の標準化
防汚塗料の分析方法の標準化/製品の検査方法の標準化に関する調査研究を行い、規格原案を作成する。 [急ぐ]
環境 7 バラスト水交換・バラスト水処理 「船舶のバラスト水及び沈殿物の規制及び管理のための国際条約」がIMOの船舶のバラスト水管理に関する国際会議で2004年2月13日採択された。また、条約で引用されているバラスト水処理装置の形式承認に関するガイドライン等のガイドラインを審議中。 対応できるバラスト水処理装置がない現状であり、我が国においても日海防等がバラスト水処理装置の開発を行っている。 最大の課題は、バラスト水処理装置の開発及びその性能評価基準の策定である。 IMOのガイドラインの審議状況、バラスト水処理技術の進展動向を見極めつつ取り組む必要があろう。 [急がない]
環境 8 船舶のリサイクル 解撤予定船舶が解撤ヤードへ引き渡されるまでの旗国、寄港国及び船主の責任、有害物質の特定の問題、作業環境の問題などが討議され、IMO として勧告となる総会決議「シップリサイクルガイドライン」が第23回総会で採択された。 IMOの審議状況を見守る。 [急がない]
環境 9 船舶からの大気汚染の防止(温室効果ガスの削減) MEPC49で温室効果ガスの削減問題について、削減のための指標作成や自主的な取組の促進メカニズムの開発などを定めたIMOの温室効果ガス削減のための戦略を示す総会決議案が合意され、第23回総会で採択された。 IMOの審議状況を見守る。 [急がない]
環境 10 船上のアスベストの保守及びモニタリングのガイドライン 「船上のアスベストの保守及びモニタリングのためのガイドライン」が作成された。(MSC/Circ. 1045)(MSC75承認、2002.5.28) 船内におけるアスベストの適切な管理が行えるガイドラインの国際規格が考えられる。 [やや急ぐ]
 
参考 アンケート調査による要望項目
分野 No. 標準化項目 規格の必要性 規格の内容(事業内容)
環境 1 CO2測定装置及び船舶への装備基準 地球温暖化など地球規模での気候変動が問題となっている。気象庁神戸海洋気象台では1890年以降、船舶による海上気象観測表(主に気温、海水表面温度、気圧)を収集保管してきた。そのデータのうち、商船・漁船・観測船によるものは1890年から1960年にわたる約680万通にのぼり、気候変動の研究などに広く利用されている。一方、地球温暖化物質(CO2等)については、濃度の変化等データの蓄積が十分でなく、気候変動研究にあたって更なるデータの蓄積が必要。商船、漁船等におけるCO2測定装置及び船舶への装備基準を標準化することにより、世界各地に展開する船舶からのデータ確保の促進に寄与し、地球温暖化研究への利用に供する。 現状船舶での搭載状況を調査の上、CO2測定装置の船舶への装備の推奨、測定装置の性能要件、装備基準を規格化する
環境 2 船舶から排出される大気汚染物質の排出原単位の制定及び評価方法 今後の環境規制強化の動向から大気汚染物質削減技術の開発とともに、大気汚染物質の定量的な把握と自然環境に及ぼす汚染の影響評価が必要。 船舶から排出される大気汚染物質の排出原単位の制定及び評価方法の策定







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