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ウォーキング
B&G FLOOR MOVEMENT
ライフサポート運動プログラム
ウォーキングプログラム
■概要
 中高年になると思わぬ転倒が多くなるといわれています。それは「体の機能が衰える」ことが原因の一つと考えられます。歩くことは、体の微妙な動きを調節する「調節機能」や手足などを動かす「運動機能」、物を認識する「知覚機能」など、体のさまざまな機能がきちんと働いて、はじめて成り立ちます。転倒を予防するには、「立つ、歩く」など、日常の基本的な姿勢・動作に必要な体の機能を保つ、あるいは高めていくことが必要です。体を動かすことは、筋肉の中の筋繊維を動かすことでもあります。筋繊維は、無意識に立っているときや歩いているときなどに活発に動き、大脳を刺激するのです。
 したがって足を使う機会が多いほど、脳も働いていることになります。歩かなくなると、それだけ脳は刺激を受けず、老化してしまうのです。ほかにも、歩くことは消化を良くし血管の硬化や肥満を防ぎます。また、骨粗鬆症や関節疾患などの進行を遅らせることができます。
 歩くこと(ウォーキング)は、特別な技術を必要としない中高年にもなじみやすい運動です。室内では単調になりがちなため、「歩く」動作の方向やリズムを変えたり、簡単な上肢の動きを加えるなど、動きに変化を持たせ、楽しみながら脚力をつけていきます。
 
■準備
・110〜120拍/分の音楽を使用する
・「ニュー・レッツダンス」日本のうたより,COLUMBIA,COTS-4250
 
■プログラム構成
<その場歩行>
背筋を伸ばし、腕をしっかり振ってかかとから着地し、その場で足踏みをします。
 
<前歩行>
背筋を伸ばし、腕をしっかり振ってかかとから着地し、前に歩きます。
 
<後ろ歩行>
背筋を伸ばし、腕をしっかり振って膝を高くあげ、つま先から着地し後ろ向きに歩きます。
 
<横歩行>
背筋を伸ばし、足を左右に開きながら横向きに歩きます。股関節の開きを意識します。
 
<大股歩行>
脚を1歩1歩大きく踏み込んで歩きます。大腿がストレッチされた刺激を感じるようにします。
 
<複合歩行>
<その場歩行><前歩行><後ろ歩行><横歩行><大股歩行>を組み合わせて歩きます。
 
<障害物歩行>
障害物を使って、登ったり下ったりなど歩行条件を変えて歩きます。
 
■注意事項
・運動中は、体の動かし方や方向などが参加者によく分かるように、指導する位置や指導方法に注意する。特に歩き方の模範は参加者と同じ方向を向いて行う
・運動経験や体力などの個人差を配慮して、参加者が自分に合ったペースで行うように指導する
・良いところを見つけて褒め、達成感を感じられるようにする
・音楽に合わせて、楽しみながら行う
 
ウォーキングプログラム
前歩行
ねらい 歩くことに慣れ、体を動かすことの楽しさを感じる
動作 内容 ポイント
<基本姿勢>
前歩行
(1)正しいフォームを確認する
・遠くを見て、あごを引く
・胸を張り、背筋を伸ばす
・かかとから着地する
・肘を軽く曲げ、腕を振る
(1)鏡を見ながら、指導者が確認して行う
1 前歩行 (1)歩く方向を決め、一方向に歩く (1)フォームを意識しながら行うように、言葉かけをする
自分のペースでリラックスしてできるように、言葉かけをする
2 その場歩行 (1)その場で歩行運動を行う
(2)その場で屈伸運動を行う
(1)体力に余裕があれば、腕の振りと膝の引きあげを行う
(2)次の動作に移る前に、早めに指示をする
例:その場歩行→屈伸運動→その場歩行
3 複合歩行 (1)1・2の動作を組み合わせて行う (1)正しいフォームのポイントを注意しながら行う
歩く方向や次の動作に移る前に、早めに指示する
FW-1
 
<負荷量>
・運動時間は15〜20分程度とする
・歩行距離は15m程度でその間を往復する
 
1−(1):前歩行







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