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フィリピンがインドネシアに海賊を引き渡し
 フィリピン沿岸警備隊は27日、インドネシアの貨物船Inabukwa号をハイジャックした海賊7名をインドネシア政府の代理人に引き渡した。海賊は全員インドネシアのパスポートを所有していた。
海賊の名前は以下の通り。
Ade Sumarlin  船長
Berthy Julius Koloay - chief mate 一等航海士
Yanto Haryanto 一等機関士
Sumitra Binagkit 二等航海士
Milky Wilhelmus Pangemanan 注油者
Saul Boyke Sambirang コック
Roland Kalesaran 船員
 フィリピン沿岸警備隊は、海賊がインドネシア人であること、被害船がインドネシア政府の所有する船であったことから、調査及び海賊の求刑はフィリピンで行うよりインドネシアで行う方がよいだろうと述べている。
(2001年6月29日ロイズリスト)
 
海賊事件増加の原因はインドネシアの経済及び情勢の混乱
 IMB(国際海事局)のムクンダン局長は、インドネシアの経済と情勢の混乱が地域の海賊事件増加の原因であると指摘している。
 「海賊事件がインドネシアから生じていることは周知のことであり、インドネシアの治安の崩壊がこの状況を助長している。沿岸沖の警備を強化する必要がある」とムクンダン局長は27日、IMBが主催した会議の閉会の席で述べた。
 2日間にわたる会議には、行政機関や海運産業から約175名が出席した。
 会議の開催と同時期に3件の海賊事件が連続発生し、ある会議出席者は「海賊問題が現実であり、深刻であることを再度実感した」として、以下のように述べた。
 「会議では海賊問題について率直で開かれた話し合いが持たれた。海賊事件の発生を受け、インドネシアからの出席者には相当のプレッシャーがかかっていた。会議の中で持ち上がった提案というのはほとんどなかったが、地域協力に関する取り組みが求められ、日本海上保安庁が再び共同訓練の参加を申し出た。」
(2001年6月29日シッピングタイムズ)
 
印、馬、星が海賊撲滅のためセキュリティネットを形成
 インドネシア、マレーシア、シンガポールの政府代表が、近々セキュリティプランを綿密に計画するため会合を持つ予定である。これはロンドンに拠点を置く国際海事局(IMB)の地域に対する海賊対策の呼びかけに応えたもの。
 IMB(国際海事局)のムクンダン局長はAFPに対し、沿岸三国の警備当局間協力のみが海賊行為の鎮圧に有効であると述べた。
 「今後、インドネシア、マレーシア、シンガポールは、マラッカ海峡での海賊被害を抑圧するために緊密に働きあっていくだろう」
 先週、IMBは2日間にわたる会議を開催し、これに法執行機関職員、船員、海運産業関係者が参加した。
 会議の焦点は、海賊が多発しているアジア、特にインドネシアに集まった。
 クアラルンプールに拠点を置くIMB海賊通報センターによると、今年1月から3月までに全世界で発生した海賊事件または海賊未遂事件は68件あり、十年来で最多である。
インドネシアでは23件の被害があり、マラッカ海峡では9件の被害があった。
 IMBは海賊行為が撲滅されなければ、マラッカ海峡で大規模な環境被害が起こる恐れがあると懸念している。
 ムクンダン局長によると、海賊が船を襲撃している間、船橋にいる乗組員を含む全員が部屋に閉じ込められて縛られ、船を操縦する者がいなくなることがよくあるという。
 「我々が恐れていることは現実に存在する。マラッカ海峡で発生した事件の多くで、船を操縦する者がいない状態になっている。海賊事件が衝突や座礁につながる可能性がある」とムクンダン氏は話している。
 20万トンの原油を積載したタンカーが衝突事故を起こし、それが海峡に流れ出すという状況もありうるとムクンダン氏は述べている。
 「海賊がたった数百ドルの現金を奪って逃走する場合もあるが、地域各国が海賊事件に危険性に注意を払っていることは明らかである」
 日本が輸入する石油の80%が、輻輳したマラッカ海峡を通じて輸送されている。
 ムクンダン氏は、マレーシアの海賊対策プランに満足しているが、近隣国であるインドネシアが対応資源に欠けていることに懸念を示している。
 マレーシア海上警察のムハマド・ムダ氏は、AFPに対し、三国の治安当局が近々会合を持ち、三国間のパトロールを実施するための計画を立てると述べている。
 「今、我々は海賊行為を撲滅するために三国間の協力関係に焦点を置くべきである」とムハマド氏は述べた。マレーシアはインドネシア、またはシンガポールと二国間のみの強力しか行っていない。
 ムハマド氏は、三国間の協力によって各国がお互いの長所や短所を伸ばしたり、かばい合ったり、パトロールを調整することができると述べている。
「各国当局のオフィサーを相互乗船させるなどして、共同・合同パトロールを含めて協力関係を高めていけるよう望んでいる」と述べた。
 ムハマド氏の海賊へのメッセージは、「我々はお前達が誰なのか、どこにいるのかわかっている、これから排除していくから覚悟しておけ」
 ムクンダン氏は、海賊による経済性、環境上の危険性のほか、ハイジャックに遭った乗組員のトラウマが問題になっているとしている。
「彼らには全く助けがない。海の真ん中で支援もなく、海賊の言いなりになっている」とムクンダン氏は述べた。
 両氏は、マラッカ海峡から海賊行為を排除するためには日本が重要な役割を担うという点で合意している。
 「日本は訓練や装置を提供できる。日本はすでに海峡のセキュリティ面を強化するために多くの費用を投入している」とムクンダン氏は述べた。
(2001年7月1日APF)
 
シンガポールのニュース専門ラジオ局による報道
 マレーシア、インドネシア、シンガポールの政府代表が、安全プランに関する話し合いを持つためクアラルンプールに集まる。これはロンドンに拠点を置く国際海事局(IMB)の地域に対する海賊対策の呼びかけに応えたもの。
 IMBのムクンダン局長は、海賊行為を鎮圧するためには三国の警備当局が協力していく必要があると強調した。先週、IMBは2日間にわたる会議を開催し、これに法の執行者、船員、海運産業関係者が参加した。会議の焦点は、海賊が多発しているアジア、特にインドネシアに集まった。
 推定によると、今年上四半期の全世界における海賊事件または海賊未遂事件は68件あり、十年来の数に上る。インドネシアでは23件の被害があり、マラッカ海峡では9件の被害があった。
(2001年7月1日FM93.8)
 
Selayang号の乗組員は無事
 インドネシア当局は、タンカーSelayang号をハイジャックしたとして、海賊容疑者10名を逮捕した。インドネシアのアンタラ通信によると、インドネシア海軍はタンカーを襲ったとみられる10名のインドネシア人海賊を逮捕した。タンカーの乗組員17名は無事である模様。S号は6月27日(水)に拿捕された。海軍によると、海上警察との援助を受け、小型ボート2隻と大型スピードボート7隻、ヘリコプターがタンカーの追跡に使われた。ハイジャックされたタンカーはフィリピンに向かっていたとみられ、そこで積荷3,500トンの軽油を売却する取引が交わされていた模様。海賊はS号をWang Yu号と改名し、発見されるのを回避していた。S号はシェル・マレーシアがチャーターしていた船で、19日にシェルの石油精製所を出発してから行方がわからなくなっていた。タンカーの所有者はシンガポールのPetrojaya Marine Sendirian Bhdで、同社のタンカーPetchem号は昨年シェルにチャーターされていた時にハイジャックされている。
(2001年7月2日マリタイムアジア)
 
海峡の安全確保に国際協力が求められる
 マラッカ・シンガポール海峡は国際海運に多く利用されているため、海賊対策にかかる費用は沿岸国のみの負担にすべきではないとビビアン・フォーブス教授は述べている。
 フォーブス教授の最新の著書は、西オーストラリア大学での博士号論文に基づいている。この著書の中で教授は、マレーシア、シンガポール、インドネシアの各国が個別に海賊問題に取り組むのも立派なことではあるが、海賊問題を協力が必要な国際越境問題として扱えば、大きな躍進が見込めるだろうと述べている。
 マレーシア、シンガポール、インドネシアの協力関係から、今後領海の原則ではなく、国家の原則として海賊を逮捕できるようになることを教授は奨励している。これによって、海賊の帰属する国の当局が、海賊を逮捕した国から起訴や裁判を引き継ぐことができるようになる。
 油を満載した多くのタンカーがマラッカ・シンガポール海峡を毎日東航しており、海賊事件が地域に大きな環境破壊をもたらす危険性が非常に高い。海賊に襲撃された船舶の乗組員が縛られた場合、海賊が逃走した後素早く縄を解かなければ、混雑した海域で衝突事故が発生する危険性が非常に高い。
 1992年9月20日に発生した油タンカー「ナガサキ・スピリット」とコンテナ船「オーシャン・ブレッシング」が衝突した事件も、海賊の襲撃が原因で起こったのではないかと言われている。
 海賊事件の多くはインドネシア海域内のマラッカ・シンガポール海峡で発生しており、海上の境界線について話し合いを持つ必要がある。
 海賊対策に取り組むにはさまざまな国際協力が必要であり、提案や議定書は全ての国によって誠意を持って評価され、採用されるべきだと教授は述べている。
(2001年7月3日シッピングタイムズ)
 
米沿岸警備隊がアジアの海賊行為防止に乗り出す
 米沿岸警備隊の職員が、東南アジアの海軍に対し、最近急増している海賊行為の取り締まりに関する訓練援助を行う予定である。
 カリフォルニアのアラメダに拠点を置く米沿岸警備隊海賊対策チームは、現在シンガポール海軍と話し合いを進めており、最近は同様の訓練をインドネシア、フィリピン、タイの海軍・沿岸警備隊を実施した。このほかマレーシアとブルネイとも今後訓練を行う予定である。
 米沿岸警備隊は、麻薬の取引や人身売買に対する取り組みのなかで、被疑船への乗り込みや捜索に関する技術を磨いてきた。現在はこの技術を伝授したいとしている。
 2000年には全世界で469件の海賊事件が発生し、その数は99年に比べて56%も上昇している。
 1991年と比べて、海賊被害の件数は4倍に急増しており、その3分の2以上が東南アジア海域で発生している。
 マラッカ海峡は海賊事件の発生件数が最も多く、年間5万隻以上の船がこの海峡を利用している。
(2001年7月9日ロイズリスト)
 
マラッカ海峡の無国籍海賊対策パトロールが求められる
 シンガポールに拠点を置く船主であり、過去に所有する船舶が海賊に襲撃された経験を持つPetro Ship社の会長アラン・チャン氏は、マラッカ海峡での海賊を撲滅させるための無国籍調整パトロールが緊急に求められていると述べた。
 最近開かれたIMB主催海賊対策会議で講演したチャン氏は、講演の内容について詳しく説明し、今は話し合いよりも行動を起こす時だと述べた。
 Petro Ship社の所有するPetro Ranger号は、1997年にマラッカ海峡で海賊にハイジャックされた。
 チャン氏が提唱しているマラッカ海峡の海賊多発地帯にIMOのフラッグの下、日本、シンガポール、マレーシア、インドネシアの無国籍巡視艇を導入するという案に対し、疑問が示されている。チャン氏はこれに対して、批判を行うだけでなく、もっといい解決方法や改善方法を提案してほしいと述べている。
 海賊被害の発生件数が世界最多であり、世界海運の30%が利用しているマラッカ・シンガポール海峡の海賊対策は緊急課題である。領有問題も含めて、関係各国が取り組んでいく必要がある。
 「現在、実質的なアウトラインを伴った解決方法を探っているところである。日本がこのような解決方法を受け入れたが、三国(シンガポール、マレーシア、インドネシア)の完全な受け入れは得られていない」
 また、チャン氏は、シンガポールとマレーシアは自国領海のパトロールがうまくいっているが、インドネシア側はこれと同レベルの監視をするのは不可能だと当局が述べていて、「ぞんざいな対応がはっきり」していると語っている。
 海賊問題が主要港としてのシンガポール港の評価・地位に影響を与えていること、そしてマレーシア当局が長い狭い沿岸線、それもその片側に入る権利のないところをなんとかして監視しようとしているとチャン氏は述べた。
 「シンガポール海域外で起こっていることが、シンガポールに大きな影響を与えることがあるため、視野を広げる必要がある」
 「この地域の海上交通や評判は共同のものである。マラッカ海峡における航行障害について話し合った場合、多くの人が最初にシンガポールを思い浮かべるだろう。海運関係者、船主、ビジネスマンなら、シンガポールという名前がぱっと浮かぶだろう。もちろん、マレーシアやインドネシアを挙げる人もいるだろうが、シンガポールは海運ハブとして、海峡の安全に大きく関わっている。よいイメージを保つことはシンガポールにとってプラスになる。現在は海賊によってそのイメージが若干汚されている」
 多くの海賊事件が「海上強盗」という種類に当てはまるため軽視されがちであるが、こういった事件が大きな被害に結びつくことがあるとチャン氏は述べた。
 「小さな事件がとんでもない海上災害になることもある。約2年ほど前になるが、フランスのVLCC「Chaumont」が武装した海賊に襲われた。乗組員が身動きを取れない間、該船はシンガポールの南方を1時間近くも漂流していた。このような操縦士のいない船は航行や環境にとって脅威である」
 海峡利用船から集めた小額の基金で、専用の巡視艇1隻から開始することから始めて、将来的には4隻程の巡視艇を持てるようになればいいとチャン氏は語った。
 「重要なのは、こういった海域に絶えず活動的に問題を起こす者がいないか見張りをする船が存在するということである。越境が可能で、標的を見つけ出す能力があれば、巡視艇1隻から始めても、効果が見込めるのではないか」
 最大のハードルは、インドネシア、マレーシア、シンガポールの各当局が満足する提案を作成することである。どうしてIMOのフラッグの下で、無国籍の船舶と共同乗組員を利用する必要があるのか、その理由がここにある。
 「資金を集めるのは難しくない。問題は受け入れられるかどうかである」
(2001年7月6日シッピングタイムズ)







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