その他の議題16関連事項
貨物タンク内の水−統一解釈4.1.1の改善
16.44 当委員会は、MARPOL附属書Iの第13(3)規則についての統一解釈4.1.1に記載の貨物タンク内への水の取り入れ禁止除外リストに2つの事例の追加を提案している、INTERTANNKO及びOCIMF共同提出文書(MEPC 49/16)を銘記した。提案されている追加事例については、次のとおりである。
.1 規則により許可されている、rafts(ゴムボート)を用いた接近検査/鋼鉄の厚さ計測
.2 タンク静水圧試験
16.45 当委員会は、MEPC 47において同じ提案が議論され、若干の論争の後、今後の会期において見直すことで合意し、関心のある代表団に対し、審議及び適切な措置のための関連文書及び調査結果の提出を要請したことを想起した。しかしながら、MEPC 48においては、この件は提起されなかった。
16.46 本件の議論において、MARPOL附属書Iの第13(3)規則に関して当該2事例の追加を統一解釈4.1.1に含むことについては、統一解釈の意図であるものの決議A.744(18)で要求される検査と因果関係があるので、油タンカーの運航に要求される除外事例とはならないという一意見が表明された。それゆえ、当該2事例を統一解釈に含むべきではない。
16.47 当委員会は、意見交換の後、MEPC 49/16に記載のINTERTANNKO及びOCIMF提案に従って統一解釈を改正することを承認した。当委員会が承認した本文については、付属21に記載されている。
貨物残さ(cargo residues)処理記録(附属書V)
16.48 当委員会は、本件についてはMEPC 43(1999年6月28日〜7月2日)で議論されていることを想起した。MEPC 43においては、“cargo residue”を含む“operational waters”のカテゴリー化に関する韓国の類似提案が審議された。その時のMEPCは、基本的に当該提案を支持するものの、これまでのところ、廃物記録簿についてはまだ1年しか使用されておらず、また、その使用上の経験も不十分なので、明確化したものをMEPC回章に付すには時期尚早であることで合意された。
16.49 また、当委員会は、それにもかかわらず、MEPC 43がいくつかのoperational waters、中でも貨物残さについては、“廃物はその性質に従って分類されるので、貨物残さについても、船舶が運搬している貨物によってどのカテゴリーにも分類することができる。”という“貨物残さ”に関する趣旨で、廃物排出記録に明示されている6カテゴリー内に含み、かつ、MARPOL 73/78の附属書V履行のためのガイドライン第1.1.7項を参照すべきことで合意したことも想起した(MEPC 43/21第11.16項)。
16.50 さらに、当委員会は、MEPC 48において、豪州から同様の提案(MEPC 48/14/1)があったが、撤回されたので議論されなかったことも想起した。
16.51 文書MEPC 49/16/3の紹介において、豪州が、附属書Vの廃物記録簿の様式における廃物を分類している6カテゴリーのどこにも“貨物残さ”の用語を含まないことにより生ずる問題、すなわち、貨物残さをカバーするカテゴリーに関する明確な指針がなく、廃物記録簿に貨物残さの来歴詳細については記入されないという点について指摘した。豪州は、これらの排出を記録することが、目下、適法な貨物残さ排出と後日判明する油流出目撃報告の調査時に直面している困難性を軽減することにもなることを強調した。
16.52 議論の後、当委員会は、豪州が文書MEPC 49/16/3の第6、7及び8項で提案しているMARPOL附属書Vの付録の改正提案を承認した。改正提案については付属22に記載されている。当委員会は、事務局長に対し、当該改正提案のMEPC 51での採択のため、MARPOL条約第16条に従って回章に付すよう要請した。
MARPOL附属書IVの履行
16.53 当委員会は、MARPOL附属書IVが、2003年9月27日に発効することになるが、この達成のためには、その採択から29年経過しており、また、88ヶ国により批准又は受諾されていることを銘記した。
16.54 当委員会は、MEPC 44が附属書IVの当初の要件を若干緩和する既存本文の修正を承認した以降に、発効条件が満たされてきたことを想起した。当該修正についてはMEPC 44で承認された附属書IVの改正本文中に記載されている。また、MEPC 44は、既存及び改正附属書IV両者間における二重協定制度の形成を回避する観点から、既存附属書IVの発効後MARPOL締約国が可及的速やかに改正附属書IVを履行すべきことを決議している決議MEPC.88(44)も採択している。
16.55 また、当委員会は、MEPC 48において一代表団により表明された、既存附属書IVの発効後の可及的速やかな改正附属書IV履行の合法性に関する 疑問を受けて、この件については今会期でさらに議論することで合意し、他の政府及びIMO事務局法律室に対し、それについての見解を要請したことを想起した。
16.56 当委員会は、事務局文書MEPC 49/16/5が、構成上、改正附属書IVの同じ内容をカバーする国際要件一式を構成する既存附属書IVが施行される2003年9月27日からは、改正附属書IV適用問題については、単純に締約諸国間の合意に基づいた新たな要件の暫定的適用問題とはならないというIMO事務局法律室の見解を提供していることを銘記した。両要件一式間における論争又は少なくとも矛盾発生の可能性があるという点で混乱が生じる。その場合、既存附属書IVの規定が国際法として優先することになる。
16.57 当委員会は、この件に関連して、付属書IV履行に関する混乱の可能性を明確化することを目的としたMEPC回章案を提供している文書MEPC 49/WP.6について審議した。議論の後、当委員会は、当該MEPC回章案を承認し、事務局に対し、可及的速やかにMEPC/Circ.408として回章を発行するよう要請した。
MARPOL附属書IVにおける検査/証明調和システム(HSSC)
16.58 当委員会は、FSI 11(第11会期旗国小委員会)が、MARPOL附属書IVへのHSSC(Harmonized System of Survey and Certification)の導入問題を検討しており、当委員会に対し、この問題を審議し、適切な措置を講ずるよう要請していることを銘記した(FSI 11/23第16.9項及びMEPC 49/10/4第3.7項)。
16.59 この点については、当委員会は、FSI 11がHSSC問題を検討している時に、MARPOL附属書IVの既存第3(3)規則に言及しているので、いかなる措置も講ずる必要性がないことを銘記した。
16.60 また、当委員会は、改正MARPOL附属書IVの本文(MEPC 44/20の付属10)が、HSSCについて具体的に述べていないとはいえ、再起案規則4、5、6、7及び8が、MARPOL附属書I及びIIにおける関連規定と同じ言い回しに概ねで従っていることも銘記した。
16.61 さらに、当委員会は、改正附属書IVには、年次及び中間検査のための規定がないことも銘記した。当委員会は、この件については、MEPC 44が、中間期通信部会が作成した改正附属書IVの検討において、一代表団の提案に同意して、本文から年次及び中間検査を削除したことを想起した。
16.62 オランダ代表団が、改正附属書IVの本文案が、HSSCに対応しているかどうかという質問を提起して、採択の前に本文を見直すよう提案した。この点については、当委員会は、改正附属書IVの本文については、春のMEPC定期会期での採択のため、MEPC 49の後に回章に付されることになることを銘記して、オランダ代表団に対し、当該会期MEPCに提案書を提出するよう要請した。このことでオランダの懸念に対応できることになる。
燃料タンクの防護
16.63 当委員会は、MEPC 46の指示(MEPC 46/23第20.18項)及びオランダ提案に従って、DE 46が、2005年を完成目標日として、DE 47のための仮議題の中に“燃料タンクの保護”の項目を包含したことを想起した。
16.64 ノルウェーが、同国文書MEPC 49/16/6の紹介において、MEPCが、燃料タンク防護に関するMARPOL附属書I改正のための指針を策定すべきことを強調した。ノルウェーの意見における方策提案は、次のとおりである。
.1 貨物油のための構造・組み立て以上に厳しいものであること。
.2 double hull防護と関連したものであること。
.3 MARPOL附属書Iの第13F(7)規則(燃料油容量300〜5,000m3の船舶)、又は第13F(7)(a)、(b)及び(c)規則(燃料油容量5,000m3以上の船舶)に概説されている防護レベルを要求すること。
.4 新船のみに適用すること。
16.65 当委員会は、ノルウェーが、DE 46で提案されたこの事項の2005年完成日に代えて、2004年にするよう提案したことを銘記した。
16.66 その後の議論において、複数の代表団が審議事項のいくつかについて優先的に取り扱うことを好んでいた一方で、若干数の代表団は、ノルウェー提案の、すべての要素及び関連事項について審議すべきという意見であった。
16.67 当委員会は、検討のため文書MEPC 49/16/6をDE 47に委託することを決定し、他の代表団に対しても、この件に関する文書をDE 47に提出するよう要請した。当委員会は、この件の完成日に関しては、DE小委員会作業計画における環境事項が議論されることになる議題19の下に審議することで合意した。
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