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12 条約の進捗状況
 
12.1 当委員会は、文書MEPC 49/12で提供されている、海洋環境保護に関するIMO条約及び他の法規の進捗状況、特に、MARPOL 73/78及びその様々な改正の進捗状況について、次の情報を銘記した。
 
.1 2003年6月1日時点における、海洋環境保護に関するIMO条約及び他の法規の進捗状況(付属1)
 
.2 2003年6月1日時点における、MARPOL進捗状況(付属2)
 
.3 2003年6月1日時点における、MARPOL 73/78改正の進捗状況(付属2)
 
12.2 また、当委員会は、2003年6月4日のMEPC 49/12発行以降の、次の事務局提供情報についても銘記した。
 
.1 ポーランドが、OPRC-HNS議定書批准のための同国法的文書を寄託した。
 
.2 日本が、AFS条約批准のための同国法的文書を寄託した。
 
.3 ドイツが、MARPOL 73/78附属書VI批准のための同国法的文書を寄託した。それゆえ、当該附属書の批准国の総計が11ヶ国となり、当該附属書の発効には、あと4ヶ国だけが不順が必要な状況となった。
 
.4 インドが、MARPOL 73/78附属書III、IV及びV批准のための同国法的文書を寄託した。
 
.5 カーボベルデが、MARPOL 73/78附属書I、II、III、IV及びV批准のための同国法的文書を寄託した。それゆえ、現在のMARPOL 73/78加盟国数は、126ヶ国に達している。
 
12.3 さらに、当委員会は、近い将来のOPRC-HNS議定書並びにMARPOL 73/78附属書IV及びVIの批准が政府に期待されているという、いくつかの代表団声明を銘記した。
 
13 MARPOL 73/78及び関連法規の実施及び施行の促進
 
CAS情報のEQUASISへの伝達
 
13.1 当委員会は、MEPC 48においてStatement of Compliance(SOC)の詳細に関する情報を提供することで合意され、EQUASIS(European Quality Shipping Information System)システムを通じたさらなる普及のため、Condition Assesment Scheme(CAS)の規定に従って、当該情報がEQUASIS事務局に提供されたことを想起した。
 
13.2 この件に関し、当委員会は、IMO Legal Officeが、MARPOL 73/78の加盟国のみがCAS電子ダータベースにアクセス可能と規定しているCAS第14.2項の制限的表現を考慮して、CASデータのEQUASISへの移牒を支持できなかったことを銘記した。
 
13.3 また、当委員会は、全面的透明性達成のための一般へのさらなる普及を目指して、CAS情報のEQUASIS への全面的供給の要請を繰り返すというEQUASIS管理委員会の決定に関する、フランス、シンガポール、スペイン及び英国により提出された文書MEPC 49/13/4において提供されている情報も銘記した。
 
13.4 英国が、文書MEPC 49/13/4の紹介において、共同スポンサーの4ヶ国が、MEPC 48の決定及びCAS第14.2項間の矛盾に関するIMO Legal Officeの助言を銘記していると述べた。しかしながら、英国は、海運業の質の推進に鑑み、当委員会が、CAS情報のEQUASIS への伝達に同意するよう強調した。いくつかの代表団が、この提案を支持した。
 
13.5 しかしながら、一代表団が、このような決定の法的側面について警告し、予期されるCASの拡張の下に、船舶一生の間になされる検査から得られるすべての情報を、EQUASISにとって利用可能とすべきかどうかについての説明を要請した。
 
13.6 意見交換の後、当委員会は、現行MARPOL附属書Iの下に、CAS情報をEQUASISが利用できるようにするというMEPC 48決定を再確認して、現在のところ、CAS第14.12項改正の必要がないことで合意した。しかしながら、当委員会は、この決定については、Prestageから生じたMARPOL附属書I第13G規則改正提案の観点から、見直す必要があるかもしれないことを銘記した。
 
海運界における国際規則への非応諾から生じるコスト削減
 
13.7 当委員会は、文書MEPC 49/13/1及びMEPC 49/INF.7における、IMO策定の環境上の規則への非応諾を通じ、悪徳船主/運航者が法規遵守の競合相手に打ち勝つという、不公平な競争上の優位性に関するOECD(経済協力開発機構)提供情報を銘記した。また、当委員会は、重油燃料(HFO)の使用を避け、よりきれいなエネルギー源に向かうという勧告についても銘記した。当委員会は、これらの情報についてOECDに謝意を表明した。
 
汚水排出基準
 
13.8 当委員会は、MARPOL 73/78附属書IV加盟諸国が、決議MEPC.88(44)の主要項第2及び3項に基づいて、将来的には、改正附属書IVの規定だけを遵守することになるので、既存附属書IVの発効後早急に、改正附属書IVを履行すべきことを想起し、2004年3月29日〜4月2日に予定されているMEPC 51が、改正附属書IV採択の最も早い機会となることを認識した。
 
13.9 当委員会は、MARPOL 73/78改正附属書IVの第11規則第1.1項で要求されている船内汚水槽に貯蔵された、汚水排出割合設定のための基準策定の早急な必要性に関するシンガポール提案(MEPC 49/13/2)に同意し、各代表団に対し、MEPC 51での審議のための提案を提出するよう要請した。
 
13.10 また、当委員会は、1976年の決議MEPC.2(VI)で採択された、汚水処理プラントのための性能試験のための十分すぎる国際基準及びガイドラインに関する勧告を見直すという豪州提案にも同意し、各代表団に対し、この件に関する文書をMEPC 51に提出するよう要請した。
 
南太平洋諸国の廃棄物受入施設
 
13.11 当委員会は、南太平洋地域海における船舶廃棄物受入施設の見直し調査結果の主なものに関する文書MEPC 49/13/3における、SPREP(南太平洋地域海環境計画)提供情報を銘記した。さらに、選出5ヶ国のいずれについても、適切な船舶廃棄物受入施設の提供義務を十分に果たしておらず、また、当該地域海においては、これまでのところ3港だけが適切な受入施設を持っていることも銘記された。当委員会は、適切な受入施設提供義務が、MARPOL採択への主たる障害となっており、その理由をもって、多くの太平洋の島国がMARPOL加盟国となっていない旨の報告を受けた。
 
13.12 当委員会は、当該受入施設要件については、MARPOL 73/78の下で強制となっていることを想起して、MARPOL 73/78が、特定の地域の諸国間における“地域協定”締結のような状況に具体的に言及していないことを銘記した。
 
13.13 当委員会は、国際海運から発生する船舶廃棄物の特定の区域管理が、事実上達成不可能であることに留意して、“地域協定”の有用性について審議し、いくつかの国による以下の調整案に沿って、南太平洋地域海のためのSPREP提案のような“地域協定”を、適切な船舶廃棄物受入施設を提供するというMARPOL 73/78義務を満足する方策として容認できることで合意した。
 
13.14 当委員会は、文書MEPC 49/13/3に記載されているユニークな環境、また、いくつかの代表団からの支持に基づいて、このアプローチにより、多くの国がMARPOL条約批准への障害を除去できるようになることで、一般的に合意した。それゆえ、当委員会は、受入施設提供のための地域協定提案について好意的に検討を加えることで合意したが、MARPOL条約批准の条件としての受入施設提供に関するMARPOL条約規定を考慮に入れて、次の事項についてさらに検討することで合意した。
 
.1 受入施設のための地域協定を認めるMEPC決議が望ましいかどうか。
 
.2 今後の同様のケースのために、不当な遅延回避に関するMARPOL規定を考慮に入れた全体的ガイドラインを作成すべきかどうか。
 
13.15 豪州が、SPREP及び他の複数の関係代表団と共に、次会期定期MEPCによる検討のため、当該MEPC決議案を作成するよう提議した。
 
MARPOL 73/78における“損傷(damage)”の意味
 
13.16 当委員会は、文書MEPC 49/INF.5において豪州が提供した、豪州High Courtにより“損傷”の文言に与えられた解釈に関する情報を銘記した。“損傷”とは、出来事が船舶又はその設備の外部又は内部であろうとも、何らかの出来事の瞬間的結果となる、船舶又はその設備状況の突然の変化を意味することがわかった。
 
油記録簿第I部様式(2002年MARPOL 73/78統合版)の必然的編集
 
13.17 当委員会は、決議MEPC.51(32)で採択され、1993年7月6日に発効した、MARPOL附属書Iの第9(7)及び16(6)規則の改正に従って、100ppm油性水分離設備の船上利用については、1993年7月6日からはもはや許可されないというMEPC 49/WP.3情報を銘記した。結果として、2002年MARPOL 73/78統合版の油記録簿の第I部様式から、100ppm設備への3つの言及が削除され、関連事項については、それに応じて番号が付け替えられた。
 
13.18 さらに、当委員会は、この2002年MARPOL 73/78統合版における必然的編集については、必然的編集上の変更がMEPCにより具体的に承認されていないことを考慮に入れて、1997年統合版に含まれている様式をいまだに用いている主管庁及びport State control当局もいくつかあり、また、2002年MARPOL 73/78統合版に含まれる油記録簿の第I部様式を用いている主管庁等もいくつかあるので、port State controlにおいて若干数の不測の問題を引き起こしていることも銘記した。
 
13.19 当委員会は、1997年及び2002年の両MARPOL 73/78統合版に含まれている油記録簿の第I部様式については、port State control目的のために受け入られるべきことで合意し、事務局に対し、この件に関する回章を発行するよう要請した。
 
14 UNCED及びWSSDへのフォローアップ
 
技術可能な開発に関する世界サミット(WSSD)
 
14.1 当委員会は、前回MEPCで、MEPC 49、50及び51のための重要事項の中に、“UNCED(国連環境開発会議)及びWSSDへのフォローアップ”を含むことで合意されたことを想起した。
 
14.2 当委員会は、文書MEPC 49/14において提供されている、当該サミットの作業及びその折に計画される側面事項両者におけるIMOの関与について、また、WSSDにより採択された履行計画におけるIMO作業関係の項目についての情報を銘記した。
 
14.3 また、当委員会は、維持可能な開発に向けた地球規模努力においてIMOが実施する重要な役割についても銘記し、加盟国に対し、各国の今後の活動については、WSSD履行計画条項に基づくべきよう依頼した。
 
総会決議案
 
14.4 当委員会は、文書MEPC 49/14/1の審議において、WSSDにより採択された履行計画が、リオ原則の公約及びAgenda 21完全実施の必要性について再確認していることを銘記した。
 
14.5 また、当委員会は、WSSD履行計画における多くのIMO作業に関する項目の中でも、第34項がIMOの直接に取り扱うテーマであることも銘記した。
 
14.6 当委員会は、議論に従って、付属18に記載のUNCED及びWSSDのフォローアップに関する総会決議案を承認し、事務局に対し、第23会期総会に、採択のため提出するよう要請した。







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