9 受入施設の不備
9.1 当委員会は、MEPC 48が、受入施設の不備の申し立てに関するIMOへの文書提出がほとんど無かった旨銘記していることを想起した。この問題の見直しにおいて、MEPC 48の議長が、廃棄物受入施設に関する報告書作成の全体的目的は、海運への当該施設有効性の改善を奨励し、船舶が、MARPOL 73/78で定義されている廃棄物の不法排出/投棄を最小化/防止するために利用することにあることを強調していた。
9.2 結果として、当委員会は、状況を改善するために、FSI小委員会に報告手続きを含む関連事項を検討するよう指示した。
9.3 また、FSI 11はこの要請について考慮して、事務局に対し、MARPOL 73/78附属書I、II及びV並びにガイドラインに規定されている、港湾廃棄物受入施設の適切性を確保するための、報告についての有効性、用途及び目的を含む、廃棄物受入施設報告要件に関する適切なFSI 12への提出文書を準備するよう指示した。
9.4 それゆえ、当委員会は、この問題についてのFSI 12の結論を待って、さらなる検討を加えることで合意した。
9.5 当委員会は、この件に関し、最近事務局がフィンランド及びノルウェーから、受入施設の不適切性に関する報告書を受け取っていて、事務局が、次会期FSI小委員会での検討のため、当該報告書要旨を作成することを銘記した。
10 各小委員会の報告
10.1 DE 46の結果
10.1.1 第46会期船舶設計設備小委員会(DE)が2003年10〜19日の間開催され、MEPCでの審議を要する6事項が特定されていることが銘記された。これらの事項について、MEPCで審議され、決定された事項は以下のとおりである。
NOx放出の削減
10.1.2 当委員会は、船上NOx立証手順ガイドライン−直接計測及び監視方法−に関するMEPC決議案の採択が要請されていることを銘記した。しかしながら、この問題が、韓国提出文書(MEPC 49/10/8)も加えて、議題4の下に既に審議されていることも想起された。
10.1.3 これに関連して、スペイン代表団が、廃油の含有窒素除去のための指針がないことを指摘した(ISO 8217)。結果として、NOx放出削減に焦点を絞ったいかなる対策も、他の代替肢を用いて措置されるべきである。
汚染制御設備ガイドライン
10.1.4 当委員会は、以下の事項が要請されていることを銘記した。
.1 船舶機関室ビルジの汚染制御設備のための改正ガイドライン及び仕様書に関するMEPC決議の採択
.2 油タンカーの油排出監視及び制御装置のための改正ガイドライン及び仕様書に関するMEPC決議の採択
10.1.5 これらの要請の審議において、DE 46で、MEPC 48からのISO基準9377-2 (IR分光測光法に取って代るGLCの利用)を含むという指示を考慮に入れて、MEPC.60(33)に取って代わる船舶機関室ビルジの汚染制御設備のための改正ガイドライン及び仕様書案が作成されていることが銘記された。
10.1.6 また、DE 46が、決議A.586(14)に取って代わる、いくつかの改善点を含んだ、油タンカーの油排出監視及び制御装置のための改正ガイドライン及び仕様書案を作成していることも銘記した。
10.1.7 この件に関し、米国が、同国文書MEPC 49/10/9も紹介において、当該改正を支持する一方で、既存設備については、改正決議に規定の新要件を満足しない場合、5年間の廃止期間をもって廃止すべきことを指摘した。米国は、新決議に対応するために、MARPOL附属書Iの第15(3)、16(4)及び16(5)規則について、これらを反映するよう改正することを提案した。
10.1.8 米国提案の概念について若干数の賛成があったものの、当委員会は、直ちに当該決議を採択し、かつ、費用/便益分析が考慮に入れられるように、今後の会期において、この提案についてさらなる検討を加えることがより適切と判断した。
10.1.9 この件に関し、決議案の運用に係る第2(a)項(DE 46/32Add.1、付属3)における、2005年1月1日を囲んでいる角括弧を除去することで当委員会が合意したことが銘記された。
10.1.10 結果として、当委員会は、決議MEPC.107(49)により、船舶機関室ビルジの汚染制御設備のための改正ガイドライン及び仕様書を採択し、また、決議MEPC.108(49)により、油タンカーの油排出監視及び制御装置のための改正ガイドライン及び仕様書を採択した。これらについては、それぞれ付属13及び14に記載されている。
他の事項
10.1.11 当委員会は、2004年バラスト水会議の結果がでるまで、“バラスト水管理の安全面”に関する事項については、DE小委員会作業計画の中に含んだままとし、関連MEPC指示に応じて今後のDE議題に含むことで合意した。
10.1.12 当委員会は、DE小委員会における、ポンプルーム保護、海難救助作業のための陸上ベースのコンピュータ・プログラムへのアクセス、また、燃料タンク保護に関する議論について銘記した。
10.1.13 当委員会は、IMOの船舶リサイクリング・ガイドライン案に関するDE小委員会議論結果の検討において、DE 46が、リサイクリング・ヤードに引き渡される船舶内で見出されるであろう潜在的危険物質リストに関して、ハロン記述部にペルフルオロカーボン(PFCs)を含むよう改正する提案をしていることを銘記した。
10.1.14 また、この事項については、議題3(船舶リサイクリング)の下に既に審議されていることも銘記された。
10.2 FSI 11の結果
10.2.1 当委員会は、第11回旗国小委員会(FSI)が、2003年4月7〜11日の間開催され、当委員会による審議が要求される15の事項が特定されていることを銘記した。当委員会によるこれらの事項に関する議論及び決定については、以下のとおりである。
10.2.2 MEPCが、事務局に対し、FSIにより災害情報内容が合意されたなら、IMOウェブサイト上に災害情報を載せるよう指示していることが想起された。IMOが要求されている災害関係情報を入手することに助力するため、当委員会は、災害関連データをIMOに報告すべきことが要求されていることを加盟国に思い出させるというFSI要請を是認した。
10.2.3 当委員会は、FSI小委員会が、熱媒油システム事故関連報告書の提出を加盟国に求めることを是認した。
10.2.4 当委員会は、[強制]IMO法規の履行のためのコード案の作成に関し、以下の事項について原則的に是認した。
.1 当該コードにより利害関係者がカバーされること。
.2 当該コードについてのFSI小委員会作業のための時間枠
.3 IMO Model Audit Scheme関するMSC/MEPC/TCC作業部会の必要性、また、FSI小委員会が両件の作成について既に通知されていること。
10.2.5 この件の審議において、当該コード案が、FSI 13までに完了しないものと見込まれていること、また、旗国に制限するよりもむしろ3利害関係者、すなわち、旗国、寄港国及び沿岸国をカバーすることになることが銘記された。また、MSC 77も、これらの事項に関するFSI 11勧告について、原則的に承認していることが銘記された。
10.2.6 本来、FSIが、MSC 77及びMEPC 49による審議のための、旗国間船舶譲渡に関する総会決議案の最終化を意図していたことが銘記された。しかしながら、FSI小委員会は、両委員会への承認のための決議提出に先立って、他の関連条項編入についてのさらなる検討を加えることを決定している。当委員会は、MSC 77が、FSI 11の惹起した緊急事項としてのみ措置して、この点を審議していないことを認識して、この件に関するFSIアプローチに同意した。
10.2.7 改正決議A.746(18)の序論及び3付属書を、SOLAS、LL及びMARPOLへの別々のガイドラインに分割することが好都合であると銘記された。加えて、FSI 11は、これらの付属書の見直しを調整し、付随検査ガイドラインへの改正を必然的に伴う法規制が策定される場合にはいつでも、当該法規制への改正が発効する前に、当該ガイドラインへの改正が策定されるべきであることを、MEPCに勧告すべきことで合意している。
10.2.8 当委員会は、この今後のHSSCの下の検査ガイドラインの見直し方法論の提案に原則的に合意した。しかしながら、“HSSCの下の検査ガイドラインの見直し”に関する連続的事項を、FSI作業計画に含むべきことに懸念が表明され、この件を議題事項19の下にさらに審議することで合意された。
10.2.9 当委員会は、HSSCの下の検査ガイドライン改正案を、第23回総会に承認のため提出するというMSC 77の決定を是認した。しかしながら、このガイドラインの付属書3が、最近のMAPOL 73/78の改正について、特に規則I/13Gについて反映していないことが認識された。当委員会は、検査ガイドライン改正案がMAPOL 73/78への改正をカバーしているのは、2000年までのみであることを認識して、FSIに対し、可及的速やかに当該ガイドラインを最新化するよう要請した。
10.2.10 当委員会は、FSI 11が、事務局からの提供情報及び加盟国による、当初のSAFs及びに更新に関する加盟国提供情報に基づいて、旗国履行の自己評価についての作業を継続し、また、様式改正のための提案を可能とし、かつ、議題事項“IMO法規履行において経験された困難性の包括的解析”の下のSAFs情報が、どのようにIMOに役立つのかを示すことを最新化するつもりであることを銘記した。
10.2.11 当委員会は、今後の旗国履行の自己評価に関するFSI作業計画について、このFSIアプローチを是認した。
10.2.12 当委員会は、改正FSI作業計画案及びFSI 12の暫定議題案の承認が要請されているが、この件については、議題項目19の下に審議することで合意した。
10.2.13 当委員会は、FSIからの事務局に対する、どの締約国が報告書を提出していて、どの締約国が報告書提出を怠っているのかを明らかにするための、MARPOL 73/78の下の強制報告書リスト最新化の指示について承認した。加えて、当委員会は、事務局に対する、MARPOL 73/78の附属書I、II、V及びガイドラインに規定されている、港湾廃棄物受入施設の適切性を確保する報告の有効性、利用及び目的を含む廃棄物受入施設報告要件に関する報告書の提出するよう事務局に指示することについても承認した。
10.2.14 当委員会は、船上防汚システム簡潔サンプリングガイドライン案に関するFSI勧告及びサンプリング方法論の事例を添付しているAFS回章の審議し、適切な措置を講ずるよう要請されていることを銘記した。この件については、議題項目6の下に審議された。
10.2.15 また、当委員会は、議題項目6の下に、船舶防汚システム点検ガイドラインに関するMEPC決議案の採択要請を審議することでも合意している。
10.2.16 また、当委員会は、2001 AFS条約が発効した後の将来の会期でMEPCが承認することになるという理解をもって、採択に向けた総会への提出のための、決議A.882(21)で改正された決議A.787(19)への改正案を銘記した。この件については、議題項目6の下にさらに検討された。
10.2.17 加えて、当委員会は、船舶リサイクリング関連事項に関するFSI勧告についても、議題項目6の下に審議することでも合意した。
10.2.18 当委員会は、HSSC導入に関するMARPOL 附属書IV改正案が、議題項目4の下に審議されていることを銘記した。
10.2.19 当委員会は、MARPOL 附属書IV第3(3)規則の可能性のある改正に関するFSI勧告について審議して、適切な措置を講ずることが要請されていることを銘記して、また、FSI 11が既存付属書IVの第3(3)規則に言及していることを銘記して、議題項目16の下にこの件を審議することで合意した。
10.2.20 FSI 11により当委員会の具体的処置が要請されているにもかかわらず、当委員会は、FSI報告書について総体的に承認した。
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