5 強制法規改正の検討及び採択
5.1 当委員会は、MEPC 48が、アラビア海オマーン地域をMARPOL 附属書Iの下の特別海域とすることに関する、MARPOL 附属書Iの第10規則についての改正提案を審議し、承認したことを想起した(MEPC 49/21の第7.9.4及び付属6)。
5.2 当委員会は、MEPC 48からの要求で、当該改正提案がIMO事務局長により、MARPOL 73/78第16(2)((a)条に従って、2002年11月25日付け回章状No.2424の下に回章に付されていること、また、文書MEPC 49/5に、当該改正提案採択についてのMEPC決議案が含まれていることを銘記した。
5.3 さらに、当委員会は、オマーン国が、2003年6月16日付け緊急ファクスにて、事務局に対し、改正提案の文章に加えられた座標については、C-Map及び印刷海図(1: 1,500,000)に基づいた最良の測定値であること、また、提案特別海域の南北の境界についての緯度・経度の一部に関しては、さらなる確認が必要であり、オマーン国が、これらの座標の確認について可及的速やかな措置を講じていることを報告していること(MEPC 49/5/1)についても銘記した。オマーン国は、確認された緯度・経度については、可及的速やかにMEPCに文書提出することになる。
5.4 結果として、オマーン国は、当委員会に対し、MARPOL附属書Iの改正提案の採択予定の次会期通常MEPCまでの先送りを検討するよう要請した。
5.5 当委員会は、簡単な議論の後、以下の事項を決定した。
.1 MARPOL附属書Iの改正提案の採択については、MEPC 51(2004年3月29日〜4月2日)に先送りすること。
.2 MEPC 48で承認され、2002年11月25日付け回章状No.2424の下に事務局長から回章に付されているMARPOL附属書Iの改正提案については、提案特別海域の緯度・経度の確認を除き、まだ有効であること。
.3 オマーン代表団は、提案特別海域の緯度・経度を確認した文書のMEPC 51への提出を要求された。
6 船舶の有害防汚システム
6.1 当委員会は、AFS条約第11(1)及び(2)条並びに附属書4の第1(4)(a)規則が、IMOにより策定されるべき以下のガイドラインについて引用していることを銘記した。
.1 船舶防汚システム簡潔サンプリング・ガイドライン
.2 船舶防汚システム点検ガイドライン
.3 船上防汚システム検査及び証明ガイドライン
6.2 当委員会は、先の会期において、決議MEPC.102(48)のカバーの下に、船上防汚システム検査及び証明ガイドラインが採択されたことを想起した。
6.3 また、当委員会は、MEPC 47が、FSI小委員会に対し、船上防汚システム簡潔サンプリング・ガイドライン案及び船舶防汚システム点検ガイドライン案を作成するよう要請していることも想起した。
船上防汚システム簡潔サンプリング・ガイドライン案
6.4 当委員会は、以下のものから成る、FSI 11作成の船舶防汚システム簡潔サンプリング・ガイドライン案(FSI 11/23の付属5)を銘記した。
.1 条約で規制される防汚システム規則に関するサンプリング手続きに共通した、すべての面をカバーする主体部
.2 条約で規制される有機スズ化合物のサンプリング及び分析に付随する固有の手続きを記載している主体部への付録
6.5 また、当委員会は、FSI 11が、上述第6.4.2項に記載の、以下の意図を持った付録を作成したことも銘記した。
.1 既に当該ガイドラインに記載されている方法論以外の他の方法論を、それらの利用可能性に応じて、また、利用可能となった時点で含むことになること。
.2 いつかある日に、一防汚システムが条約により規制されることになったなら、疑問視されている当該防汚システムのためのサンプリング及び分析手続きをカバーするため、このガイドラインへの新たな付録が添付されることになること。
6.6 当委員会は、FSI 11が、ガイドラインの主体部に他の方法論を加えることに関連する議論において、過半数見解で合意し、MEPC 49に対し、以下の事項を勧告したことを銘記した。
.1 条約で規制される防汚システム規則に関するサンプリング手続きに共通するすべての面をカバーするガイドラインが、MEPC決議として採択されるべきこと。
.2 サンプリング方法論の事例については、ガイドラインに含むべきではなく、AFS回章をもって流布されるべきこと。
6.7 当委員会は、FSI 11の結果及び勧告(FSI 11/23及びMEPC 49/6)を検討して、また、MEPC 49/6/3(デンマーク)、MEPC 49/6/1(日本)及びMEPC 49/INF.21(日本)に記載のサンプリング・ガイドライン案に関するコメントを考慮に入れて、以下の事項をコメントした。
.1 サンプリング手続きに共通するすべての面をカバーする主体部に加えて、文書によるンプリング方法論の事例を持つことは、末端の利用者にとって非常に有益となる。
.2 AFS回章による事例の公布では、手続き上の利点が無くなってしまう。
.3 上述理由を考慮して、代表団の過半数が、サンプリング手続きに共通するすべての面をカバーする主体部に加えて、MEPC決議によるカバーの下にサンプリング方法論の事例を公布するという選択肢に賛意を表明した。
6.8 当委員会は、当該コメントを拝聴して、第6.13項に記載の付託事項をもって、船舶防汚システム簡潔サンプリング・ガイドライン案文を最終化するための起案部会設置で合意した。
船舶防汚システム点検ガイドライン
6.9 当委員会は、FSI 11が、文書FSI 11/23の付属6に記載の、船舶防汚システム点検ガイドライン案も作成したことを銘記した。
6.10 当委員会は、MEPC決議案としてFSI 11により作成された当該ガイドライン案の審議において、以下の事項を銘記した。
.1 AFS条約が発効した場合の、既存PSC(port State control)指針(PSC手続きに関する決議A.882(21)で改正された決議A.787(19))への新たな付録をとなるガイドラインについてのFSI勧告。FSI 11は、PSC決議に関係するすべての条約はすでに発効しているので、現段階でA.882(21)への付録としての点検ガイドラインを含むことは誤解を招くことになるという意見であった。
.2 FSI 11は、総会における採択用提出文書のため、今後のAFS条約発効時のMEPC会期で承認されるという了解の下に、決議A.882(21)で改正された決議A.787(19)の改正案を作成した。当該改正案については、文書FSI 11/23の付属7に含まれている。
6.11 当委員会は、FSI 11(FSI 11/23及びMEPC49/6)の結果及び勧告を審議して、以下の事項で合意した。
.1 AFS条約が発効した場合に、PSC手続きに関する決議A.882(21)で改正された決議A.787(19)への新たな付録とするという了解の下に、MEPCによる懸案中の決定事項として、MEPC決議による点検ガイドラインを採択すること。
.2 AFS条約が発効するまでは、FSI 11/23の付属7に含まれている決議A.882(21)で改正された決議A.787(19)改正案の見直し及び承認を停止すること。
.3 非公式起案部会に対し、第6.13項に記載の付託事項により、船舶防汚システム点検ガイドライン案文の最終化を指示すること。
OECD防汚システム環境影響シナリオ文書開発プロジェクト
6.12 当委員会は、2004年秋の完成が見込まれている、防汚システム環境影響シナリオ文書の製作についてのOECD実施中の作業に関するOECD提供情報を銘記して、OECDに対し、将来のMEPCに、防汚システム環境影響シナリオ文書最終版を提出するよう要請した。
非公式起案部会への付託事項
6.13 起案部会は、以下の事項を指示された。
.1 代表団によるコメント及び当委員会の決定事項を考慮して、船舶防汚システム簡潔サンプリング・ガイドライン案文及び船舶防汚システム点検ガイドライン案文の改正文を作成すること。
.2 船舶防汚システム簡潔サンプリング・ガイドライン案文及び船舶防汚システム点検ガイドライン案文の改正文を添付した報告書を、MEPC決議として採択するために、プレナリーに提出すること。
起案部会報告書
6.14 当委員会は、起案部会報告書(MEPC49/WP.12)を審議して、非公式起案部会の結果を銘記して、付属9及び10に添付の決議MEPC.104(49)及びMEPC.105(49)のそれぞれにより、船舶防汚システム簡潔サンプリング・ガイドライン及び船舶防汚システム点検ガイドラインを採択した。
AFS条約批准状況
6.15 当委員会は、以下の情報提供について銘記した。
.1 日本が、2003年7月8日にAFS条約を批准したこと。
.2 ノルウェーにおいては、ここ数週間内のAFS条約批准が期待されていること。
.3 ギリシャ及びスペインの両国においては、AFS条約批准準備中であり、2003年末を目指した条約批准が期待されていること。
6.16 デンマークが、日本及びICSの支持を受けて、すべての加盟国が条約を批准するよう強調した。
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