付録
3.28 当委員会は、IMOガイドラインの付録については、さらなる配慮及び作成が必要となる考慮して、MEPCがDE及びBLG小委員会に委託した現行の付録2及び3の見直しの結果について、当該付録の最終化において検討することで合意した。
環境グループ
3.29 キプロスが、ガイドライン案第6.5項に従って、“環境グループ”に対し、船舶リサイクリング関連事項の監視続行について奨励していることを銘記して、IMOガイドライン適用の監視の役割は政府の責任下にあることを指摘し、この項の削除を提案した。当委員会は、船舶リサイクリングに付随する事項への対応については、環境グループばかりでなく、他の利害関係者の寄与についても奨励すべき事項であることを認識して、関連項目の適切な改正で合意した。
TBT塗料
3.30 当委員会は、インドが、ガイドライン案に従って、船舶の運航生涯の間並びに定常又は重要保守管理の間における、船上危険性物質の最少化に向けた努力がなされるべきとはいえ、AFS条約が、blastingによる塗装下地用塗料の完全な除去要件の条件付代替肢として、塗装下地用塗料を伴った既存のTBT塗料の上塗りを容認していることについての懸念を表明したことを銘記した。
他の関連文書
3.31 当委員会は、今会期におけるガイドライン最終化のため、MEPC 48が、DE、FSI及びBLG小委員会に対し、関連事項の検討を割り当てていることを想起した。これら3小委員会からの報告書については、文書MEPC 49/10/2、MEPC 49/10/2/Corr.1、MEPC 49/10/3及びMEPC 49/10/4に反映されている。
3.32 当委員会は、DE 46(MEPC 49/10/3)が、通信部会報告書(MEPC 48/3)の付録6及び7について再吟味し、当該付録A節で表示のハロンについては消火媒体だけではないので、この記載にベルフルオロカーボン(PFCs)も含むよう拡大することを提案している旨を銘記した。
3.33 また、当委員会は、BLG 8(MEPC 49/10/2、MEPC 49/10/2/Corr.1)が、通信部会報告書(MEPC 48/3)の付録6及び7に列挙の物質を検討し、また、EU会議規則及びバーゼル条約の引用については不必要であることで合意して、当委員会に対し、船内にあってリサイクリング・ヤードに引き渡される潜在的危険性物質の一覧からEU会議規則の引用を削除し、また、付録7全体についても削除するよう要請していることを銘記した。
3.34 さらに、当委員会は、FSI 11(MEPC 49/10/4)が、次の事項をMEPC 49の審議のために勧告していることも銘記した。
.1 “幽霊船”問題の回避を目指した、船舶リサイクリングの申告及び検証のためのシステム構築の願望
.2 船舶リサイクリングに関連する、旗国主管庁の役割に関するガイドライン第5.1節(これまでは第6.1節)及び寄港国主管庁の役割に関する第5.2節(これまでは第6.2節)の改正
3.35 当委員会は、ガイドライン案最終化において、上述FSI小委員会の勧告を考慮することで合意した。
組織間相互協力
3.36 当委員会は、船舶リサイクリングに関連する、国際労働機関(ILO)及びバーゼル条約締約国会議における最新情報に関する文書MEPC 49/3、MEPC 49/INF.4及びMEPC 49/INF.8について審議した。
3.37 当委員会は、次について銘記し、また、船舶リサイクリングに関するIMOガイドライン案の最終化において、次に記述のガイドラインについて考慮すべきとで合意した。
.1 2002年12月9〜13日の間、ジュネーブで開催された第6回バーゼル条約締約国会議(COP6)が、船舶解体施設を所有しているか又は設立を予定している国々への指針提供の意図をもって作成された、“全体的及び部分的船舶解体の環境保全型管理のための技術ガイドライン”を採択したこと。
.2 また、ILOが、近い将来承認予定の、ILO業務議題の全体的枠組み範囲内での、安全な船舶解体作業確保のための指針を提供する、船舶解体への安全衛生ガイドライン案を準備したこと。
バーゼル条約事務局声明
3.38 バーゼル条約事務局の代表が、ここ数年間、異なった体制間における、海洋環境保護、海洋安全並びに危険性及び他の廃棄物の越境移動の環境保全型管理及び制御への対処について、一貫性が実現されてきており、また、2002年12月の締約国会議によるバーゼル条約ガイドラインの採択により、解体予定船舶の環境保全型管理を目標とした新たな公平な土俵で合意されているという見解を表明した。また、寿命末期の設備に関する環境上の問題は、多国間事情を背景として新たに生じてきている問題であり、運航の終末を迎えた船舶の場合、すべての利害関係者間に新たな形式の協調関係が必要となり、バーゼル条約締約国が追い求めなければならないIMO及びILOの協力関係の向上は、この進展にとって、良き事例及び証拠となるとも発言した。
ILO声明
3.39 国際労働機関(ILO)の代表が、目下、“船舶解体時の職業上安全衛生ガイドライン案”が、2003年10月7〜14日に開催予定のバンコックにおける専門家会合において、採択される見込みであることを示唆した。また、ILOは、既にIMO事務局及びバーゼル条約事務局と密接に協力しており、当該3機関間の共同作業団体の設置のため、また、組織間相互技術支援計画の設立に向けた作業のためのバーゼル条約締約国会議の招請をILOが歓迎してきたことも発言した。
組織間相互の技術支援プロジェクト及び共同作業部会
3.40 当委員会は、IMO事務局が、ILO及びバーゼル条約両事務局との密接な連携役及び対話を継続すべきことで合意した。必要な解決策の問題点及び性格の共通の理解の樹立の手段として、船舶解体に関する組織間相互技術支援プロジェクトの展開を探求し、また、IMO及びILOとの共同作業部会の設置を検討するという、COP6のバーゼル条約事務局への要求に関連して、当委員会は、大筋でこれらの提案を支持して、事務局に対し、MEPC 51による審議用に次のものを準備するため、ILO及びバーゼル条約事務局との連絡を保つよう要求した。
.1 組織間相互技術支援プロジェクトのプロジェクト目的案
.2 共同作業部会への付託事項案
起案部会への指示
3.41 当委員会は、ガイドライン案における主な未解決事項を解決して、次の付託事項をもって、船舶リサイクリング起案部会設置で合意した。
.1 通信部会報告書(MEPC 49/3/1)の付属2に基づいた、かつ、プレナリー議論の結果、DE、BLG及びFSI小委員会からのインプット及びこの事項に関する提出文書を考慮に入れた、船舶リサイクリングIMOガイドライン案の最終化
.2 IMOガイドライン採択に関する総会決議案の最終化
.3 今後の、船舶リサイクリングに関する作業事項の一覧作成
.4 木曜日の当委員会への起案部会報告書提出
起案部会の結果
3.42 船舶リサイクリング起案部会は、Capt. Moin Ahmed(バングラデシュ)を部会長として、2003年7月16〜17日の間会合した。当委員会は、起案部会報告書(MEPC 49/WP.15)を受け取って、起案部会の作業の進捗状況を銘記し、以下に反映されている措置を講じた。
3.43 当委員会は、起案部会が、通信部会報告書に基づいて、プレナリーにおける決定及びコメントを考慮に入れた、船舶リサイクリングIMOガイドライン案の改正文を作成したことを銘記した。新たなガイドライン案については、文書MEPC 49/WP.15の付属に記載されている。
3.44 当委員会は、ガイドライン案及びその付録への、修正、説明及び調整を銘記した。これらについては、以下の項において要約されている。
定義
3.45 当委員会は、次の事項を銘記した。
.1 旗国主管庁の定義については、MARPOL 73/78の第2(5)条に規定の定義に応じて修正されていること。
.2 “新造”及び“現存”船の定義については、MARPOL 73/78附属書Iに用いられている様式に従って作成されていること。
.3 リサイクリング施設のための後述の新たな定義が作成されていること。“船舶リサイクリング目的のため、サイト、ヤード又は施設が位置する国の管轄官庁により権限を付与されているか又は認可されている、船舶リサイクリングに使用されるサイト、ヤード又は施設”
.4 “船舶所有者”の定義については、CLC条約第I(3)条に規定されている“所有者”のための定義に基づいて修正されていること。
.5 “処理”“撤去”“廃棄物”“危険性廃棄物”及び“ブローカー”の定義が、削除されていること。
用語法
3.46 また、当委員会は、起案部会が、使用されている用語法について、ガイドラインの勧告的性格に応じて、全文にわたり洗練したことも銘記した。
グリーン・パスポート
3.47 グリーン・パスポート問題について、当委員会は、起案部会が、この証拠書類が、関連船舶の詳細、船舶建造に用いられた潜在的危険性物質、船舶の設備及びシステムを一覧化する目的で、ガイドライン案の関連の節について修正したこと、また、この潜在的危険性物質目録のモデル様式(ガイドライン案の付録3)が作成していることを銘記した。また、当委員会は、新造船にとって、船舶の構造及び設備における物質に関する目録の部分については、建造段階において造船業者により作成され、関連情報として維持するため船舶所有者に移管すべきものあり、一方、現存船については、この部分については、可能かつ合理的な範囲で船舶所有者が完成すべきものとして合意されたことも銘記した。また、作業部会は、運航上発生する廃棄物及び用品に関する目録の部分については、リサイクリング施設への最終航海に先立って、船舶所有者により完成されるべきものとして合意した。
船舶リサイクリングに関する情報
3.48 当委員会は、起案部会が、プレナリーの決定及び“幽霊船”問題回避の必要性に関するFSI 11の勧告を考慮に入れて、また、“船舶リサイクリング報告システム”に関するガイドライン案の部分を削除して、次の目的のための適切な文書を含むことで合意した旨を銘記した。
.1 船舶所有者は、リサイクリング施設を選択したならば、当該リサイクリング国の主管庁及び管轄管庁に通知すべきこと。
.2 船舶所有者は、船舶の登録抹消のため、当該船舶をリサイクリング施設に引き渡した場合には、当該主管庁に通知すべきこと。
船舶リサイクリング計画
3.49 当委員会は、起案部会が、“船舶リサイクリング計画”の基本的内容及び申請について議論して、統一的かつ効果的履行を確保するため、今後、当該計画様式を作成すべきことで合意した旨を銘記した。
曳航の利点
3.50 当委員会は、起案部会が、リサイクリング施設への船舶の曳航実施に付随する実施状況及び潜在的危険性について検討して、当該運用についてはcase-by-caseで検討すべきものであることで合意し、ガイドラインからの関連箇所の削除を決定したことを銘記した。
職業上の健康及び安全性保護への準備
3.51 当委員会は、 回章MSC/Circ.1084“あらゆるタイプの船上における高熱作業(hot work)のための原則”及び総会決議A.864(20)“船舶の閉鎖的区画に入るための勧告”が、付録としてガイドライン案に添付されていることを銘記した。
ブローカー及び媒介購入者
3.52 当委員会は、船舶の最終所有者責任に関して決定された結果として、ブローカー及び媒介購入者に関するガイドライン案文章が削除されていることを銘記した。
環境グループの役割
3.53 当委員会は、“環境グループの役割”に関するガイドライン案の節が、他のすべての利害関係者を取り扱うため、また、当該利害関係者の船舶リサイクリング付随事項の取り扱いへの寄与を奨励するために修正されていることを銘記した。
付録
3.54 当委員会は、起案部会が、ガイドライン案への付録を最終化して、それらを適用し、経験が得られた後に、付録1〜3を見直し、かつ、さらなる作成をするよう提案したことを銘記した。
当委員会による措置
3.55 当委員会は、特に次の事項を含め、起案部会報告書を総体的に承認した。
.1 第23回総会での承認のため提出されるべき、船舶リサイクリングIMOガイドライン及び付属3に記載の付随総会決議を承認したこと。
.2 起案部会が作成した、付属4に記載の、船舶リサイクリングに関する今後の作業事項一覧を承認したこと。
.3 リサイクリング施設において船舶発生廃棄物のための適切な施設が必要であるという起案部会勧告を、また、ILO及びバーゼル条約事務局が、それらのウェブサイトにおいて、船舶リサイクリング活動に関連するであろう技術ガイドライン、勧告及び実施コードを提供することを銘記したこと。
3.56 グリーンピース・インターナショナルのオブザーバーが、船舶リサイクリングIMOガイドラインは、一つの前進であると述べた。しかしながら、ガイドラインについては、それを包括的なものとし、かつ、危険性物質に関する国際法及び規則と十分に一致させるため、特にバーゼル条約の下にさらなる作業が必要であることも強調された。グリーンピース・インターナショナルは、IMOに対し、これらの緊急を要する未解決事項の進捗を追及するよう主張した。
3.57 ICSのオブザーバーが、IMOガイドラインの数箇所については、さらなる検討が必要であると述べて、MEPCメンバーに対し、第23回総会にガイドライン案へのコメントを提出するよう要請した。
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