ロ. 排水時処理のケース
表II.2.3.4-17及び図2.3.4-16には、排水時処理ケースの原生動物に対する実験結果を示した。 なお、出現したサイズ区分は80μm未満10μm以上に限られた。
結果は、イ. 漲水時と排水時の2回処理したケースと同様に生物の死骸を食べて繁殖する種類の存在を明瞭に反映するものであった。
ほとんどの実験においては、排水時処理時に減少している。 しかし、漲水時の原水中には少数あるいは検出限界以下の個体数であったのが、排水時処理前には増加した例が、第1航海のロサンゼルスからバンクーバー(表II.2.3.4-17(1)と図2.3.4-16(1))とシアトルから名古屋(表II.2.3.4-17(2)と図2.3.4-16(2))、第2航海のバンクーバーから東京(表II.2.3.4-17(4)と図2.3.4-16(4))の実験で観察された。 これは、漲水後の暗黒環境の中で死滅した生物の死骸を餌として、原生動物が航海中に繁殖したためと考えられる。
表II.2.3.4-17(1) 排水時処理ケースにおける
動物プランクトン(原生動物)の変化
(第1航海:ロサンゼルス→バンクーバー)
実験港 |
Los-Angeles |
Vancouver |
実験日 |
Dec.1 |
Dec.5 |
分析検体数 |
1 |
2 |
サイズ区分(単位)\試料名 |
ロサンゼルス原水 |
バンクーバー排水時処理前 |
バンクーバー排水時処理後 |
80μm以上(inds/m3) |
<100 |
<100 |
<100 |
80μm未満−10μm以上
(inds/ml) |
<0.001 |
0.024 |
0.020 |
|
図II.2.3.4-16(1)排水時処理ケースにおける
動物プランクトン(原生動物)の変化
(第1航海:ロサンゼルス→バンクーバー)
|
80μm未満−10μm以上(inds/ml)
表II.2.3.4-17(2)排水時処理ケースにおける
動物プランクトン(原生動物)の変化
(第1航海:シアトル→名古屋)
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実験港 |
Seattle |
Nagoya |
実験日 |
Dec.6 |
Dec.16 |
分析検体数 |
3 |
1 |
サイズ区分(単位)\試料名 |
シアトル原水 |
名古屋排水時処理前 |
名古屋排水時処理後 |
80μm以上(inds/m3) |
<100 |
<100 |
<100 |
80μm未満−10μm以上
(inds/ml) |
0.001 |
0.006 |
0.001 |
|
|
図II.2.3.4-16(2)排水時処理ケースにおける
動物プランクトン(原生動物)の変化
(第1航海:シアトル→名古屋)
|
80μm未満−10μm以上(inds/ml)
 |
注)図中の数字は、原水に対する減少率
|
表II.2.3.4-17(3)排水時処理ケースにおける
動物プランクトン(原生動物)の変化
(第2航海:東京→ロサンゼルス)
実験港 |
Tokyo |
Los-Angeles |
実験日 |
Dec.27 |
Jan.7 |
分析検体数 |
2 |
3 |
サイズ区分(単位)\試料名 |
東京原水 |
ロサンゼルス排水時処理前 |
ロサンゼルス排水時処理後 |
880μm以上(inds/m3) |
<100 |
<100 |
<100 |
80μm未満−10μm以上
(inds/ml) |
0.013 |
0.003 |
<0.001 |
|
図II.2.3.4-16(3)排水時処理ケースにおける
動物プランクトン(原生動物)の変化
(第2航海:東京→ロサンゼルス)
|
80μm未満−10μm以上(inds/ml)
 |
注)図中の数字は、原水に対する減少率
|
表II.2.3.4-17(4)排水時処理ケースにおける
動物プランクトン(原生動物)の変化
(第2航海:バンクーバー→東京)
|
実験港 |
Vancouver |
Tokyo |
実験日 |
Jan.12 |
Jan.21 |
分析検体数 |
2 |
1 |
サイズ区分(単位)\試料名 |
バンクーバー原水 |
東京未処理排水 |
東京排水時処理後 |
80μm以上(inds/m3) |
<100 |
<100 |
<100 |
80μm未満−10μm以上
(inds/ml) |
<0.001 |
<0.001 |
<0.001 |
|
|
表II.2.3.4-17(5)排水時処理ケースにおける
動物プランクトン(原生動物)の変化
(第2航海:香港→神戸)
|
実験港 |
Kobe |
実験日 |
Dec.28 |
分析検体数 |
2 |
サイズ区分(単位)\試料名 |
香港海水の排水時処理前 |
香港海水の排水時処理後 |
80μm以上(inds/m3) |
<100 |
<100 |
80μm未満−10μm以上
(inds/ml) |
0.002 |
0.001 |
|
|
図II.2.3.4-16(4)排水時処理ケースにおける
動物プランクトン(原生動物)の変化
(第2航海:香港→神戸)
|
80μm未満−10μm以上(inds/ml)
 |
注)図中の数字は、香港海水の排水時処理前に対する減少率
|
表II.2.3.4-17(6)排水時処理ケースにおける
動物プランクトン(原生動物)の変化
(第1航海:太平洋上交換→ロサンゼルス)
実験港 |
Los-Angeles |
実験日 |
Dec.1 |
分析検体数 |
3 |
サイズ区分(単位)\試料名 |
太平洋上海水の排水時処理前 |
太平洋上海水の排水時処理後 |
80μm以上(inds/m3) |
<100 |
<100 |
80μm未満−10μm以上
(inds/ml) |
0.011 |
0.004 |
|
図II.2.3.4-16(5)排水時処理ケースにおける
動物プランクトン(原生動物)の変化
(第1航海:太平洋上交換→ロサンゼルス)
|
80μm未満−10μm以上(inds/ml)
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注)図中の数字は、太平洋上交換海水の排水時処理前に対する減少率
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表II.2.3.4-17(7)排水時処理ケースにおける
動物プランクトン(原生動物)の変化
(第2航海:太平洋上交換→ロサンゼルス)
実験港 |
Los-Angeles |
実験日 |
Jan.7 |
分析検体数 |
1 |
サイズ区分(単位)\試料名 |
太平洋上海水の排水時処理前 |
太平洋上海水の排水時処理後 |
80μm以上(inds/m3) |
<100 |
<100 |
80μm未満−10μm以上
(inds/ml) |
0.005 |
0.007 |
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図II.2.3.4-16(6)排水時処理ケースにおける
動物プランクトン(原生動物)の変化
(第2航海:太平洋上交換→ロサンゼルス)
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80μm未満−10μm以上(inds/ml)
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注)図中の数字は、太平洋上交換海水の排水時処理前に対する減少率
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