日本財団 図書館


第2章 将来土地利用の方向性の整理
(1)上位・関連計画の整理
 まちなか区域においては、
(1)土地利用の高度化・都市緑化の推進及び防災機能の向上
(2)ゆとりある快適な環境の確保、活性化
(3)甲府駅周辺地区の都市拠点総合整備事業の推進
(4)都市部に居住機能を備えた市街地再開発事業
(5)舞鶴城公園を核とした賑わいのあるまちづくり
が位置づけられている。

 
(1)新甲府市総合計画後期基本計画(平成14年3月)
<中心市街地の活性化>
○商業基盤の向上
・賑わい、歴史、文化、優しさを感じるまちや接近しやすいまちづくり
・市街地再開発事業の促進、中心商店街の施設併設駐車場の設置促進、ITを活用した新ビジネスの創出促進
○甲府駅周辺地区の整備
・甲府駅周辺の空閑地を有効活用した高次都市機能の集積やゆとりある都市空間の創出
・駅前広場や多目的広場、歴史公園の整備とシビックコア地区整備
・若者をも惹きつける都市拠点としての企業立地促進
○まちなか居住の再生
・中心市街地における土地の高度化・共同化による有効利用
・まちなか居住の再生に向けた賃貸住宅等の建物や優良建築物等の整備
・都市居住型住宅の建設促進、良質な賃貸住宅の供給
<商工業の活性化や企業立地への基盤整備>
地場産業の振興
○伝統産業の育成・支援、交流型産業の拠点づくり
 
(2)やまなし21世紀都市ビジョン(山梨県都市計画区域マスタープラン(案))

【中西部都市生活圏域】
<都市づくりの将来目標>
 恵まれた自然や都市機能の集積を活かした職・住・遊等の様々な交流と農業や自然と調和した快適で潤いのある暮らしが育まれる都市生活圏域
<目指すべき都市構造>
○拠点
・甲府駅周辺と甲府昭和インターチェンジ周辺を中核地区と位置づけた、商業・業務施設や高次都市機能の集積、情報インフラの整備
<土地利用の方針>
○市街地
・商業・業務集積地
 甲府駅周辺での土地の高度利用、高次都市機能や商業・業務機能の再生・活性化
 甲府昭和インターチェンジ周辺での交通利便性を活かした商業・業務施設の育成
・住宅地
 既成市街地での土地の高度利用や密集市街地の解消などによる、良好な住環境の形成
 新市街地における計画的な市街地の拡大
○市街地開発
 甲府市中心部は再開発を行い、中核拠点にふさわしい機能を充実
 
(3)甲府市都市計画マスタープラン(平成13年4月)
【まちづくりの理念】
 「回復・交流・育成・・・そして未来へ」
【都市像】
 「人と自然に優しさあふれるまち 甲府」
 <都市像の実現に向けた5つの基本目標>
1 交流・連携が広がるまちをつくる【都市基盤の整備】
2 創造性と活力に満ちたまちをつくる【産業の振興】
3 安全で快適な美しいまちをつくる【生活・自然環境の向上】
4 歴史を伝え、新しい文化が生まれるまちをつくる【文化・教育の振興】
5 思いやりと希望に満ちたまちをつくる【福祉の向上】
【まちづくりの基本方針】
 「生き活き快適都市の構築をめざして」
○都市基盤整備
・職・住・遊・学機能を備えたバランスある都市の発展
・新市街地の創出と中心市街地の活性化等を通じた定住人口の増加
○産業の振興
・自然環境との調和を図る
・研究開発・生産等を総合的に捉えた産業基盤の確立
○生活・自然環境の向上
・災害に強い都市構造の実現
・良好な居住空間と豊かな緑地空間の確保
【土地利用の方針】
○宅地
・生活関連施設の計画的な整備、土地利用の高度化
・宅地需要に対応した土地区画整理事業等の面的整備による宅地供給
○市街地
<中心市街地>
・土地利用の高度化・都市緑化の推進及び防災機能の向上
・ゆとりある快適な環境の確保、活性化
・甲府駅周辺地区の都市拠点総合整備事業の推進
・都市部に居住機能を備えた市街地再開発事業
・舞鶴城公園を核とした賑わいのあるまちづくり
 
<中央部地域(地域別構想)>
対応する地区 地区の将来方向
甲府駅周辺 ・中心市街地の活性化に寄与する都市空間の形成
・玄関口にふさわしい快適なまちなみ、ゆとりある居住環境の形成
・商業業務機能の誘導によるにぎわいの核づくり
・武田氏館跡と甲府城跡の歴史・文化性を結び付けた歴史文化拠点の形成
富士川地区・
春日地区
・土地の高度利用による魅力ある商業地の形成と防災性の向上
・中心式居住型住宅の供給による定住人口の拡大
武田神社前通線沿道 ・武田神社前通り線のシンボルロード化
富士川、相生地区 ・良質な居住機能と商業 ・業務機能が共存する快適な中心域居住型宅地
新紺屋・朝日地区 ・小規模住宅の共同化や土地の有効利用等による快適な中心域居住型宅地
愛宕町周辺地区 ・狭小道路の整備等による良好な住宅地環境の保全
舞鶴城公園周辺 ・歴史が感じられるまちなみの創出
 
(1)用途地域等指定の基本方針
○用途地域による土地利用上の区分は、単なる局地的、相隣的な土地利用の調整の観点にとどまらず、都市全体にわたる都市機能の配置及び密度構成の観点から、市街地の土地利用の基本的枠組みを明らかにするものであり、都市施設及び市街地開発事業の都市計画との有機的な関連のもとに、適正かつ合理的な土地利用の実現に資するものとする。
○用途地域等の都市計画については、平成9年度に策定された「新甲府市総合計画」に定められるまちの将来像「人と自然に優しさあふれるまち 甲府」の実現、平成13年度に策定された「甲府市都市計画マスタープラン」に定められるまちづくりの基本方針「生き活き快適都市の構築をめざして」を踏まえたまちづくりを推進するため、次の方針のもとに指定することとする。
 
○甲府市都市計画マスタープランに基づく、政策誘導型の用途地域等の指定を原則とする
・用途地域等の決定・変更は、市民参加と合意に基づいて策定された「甲府市都市計画マスタープラン」を甲府市における都市計画行政の根幹にすえ、都市将来像を実現する上で適切な土地利用や機能配置、建築物立地を誘導するために指定することを原則とする。
・現行の都市計画マスタープランは市民参加により策定されたものであり、まちづくりの方向を共有化するための重要な計画と位置づけている。今後の都市計画は、この「共有化」された都市計画マスタープランに基づき進めることを原則とし、恣意的な部分をできる限り排除した計画的かつ合理的なまちづくりを進めることとする。
 
○用途地域等の緩和に際しては、地区計画を定めることを原則とする。
・「成長型のまちづくり」から「成熟型のまちづくり」への転換は、都市の「量的な拡大」から「質の向上」への転換と言い換えることができる。都市の「質の向上」に必要な都市基盤は引き続き整備を進めていくこととするが、各種行政サービスの低下や環境の悪化を招きかねない急激な土地利用等の変化は、抑制することが求められる。
・一方では、甲府市の持続的な発展や活力の維持・向上を実現する上では、一定の規制緩和を進めていくことも必要となる。
・このため、用途地域等の緩和にあたっては、いたずらに緩和するのではなく、良好な環境を確保するための条件を付加した上で可能とすることとし、これら必要な事項を地区計画に定めることを原則とする。
 
○良好な環境の保全・創出を条件として規制を緩和する。
・「人と自然に優しさあふれるまち」の実現には、良好な居住環境を維持・保全するだけでなく、安心・安全、充実した暮らしや活力ある都市活動に不可欠な都市基盤や都市機能の整備が必要であり、一定の規制緩和が必要になると考えている。一方では、単純な規制緩和により、日照や通風などの住環境の悪化、自然環境の喪失、過度の交通混雑による都市環境の悪化することも懸念される。
・こうした課題に対応するため、各種都市計画制度の的確な導入により、良好な環境の保全・創出を条件とした規制の緩和を原則としたまちづくりを推進することとする。なお、都市計画マスタープランに基づき規制の強化が必要な場合は、土地利用の現状や動向を勘案しながらその検討を行うものとする。
 
(2)用途地域等の設定方針
 用途地域等の設定については、「新甲府市総合計画」、「甲府市都市計画区域の整備・開発及び保全の方針」及び「甲府市都市計画マスタープラン」等を踏まえ、目指すべき都市将来像を実現するため、次の方針に基づき設定することとする。
 
1)住宅地
○第一種低層住居専用地域
ア)環境良好な低層住宅地として、将来ともその環境を保護すべき区域
イ)土地区画整理事業等の市街地開発事業、地区計画等により面的に公共施設を整備して新たな計画的に市街化を図るべき地域において、これらの面的な整備に備えた環境の保護が必要な区域
 
○第二種低層住居専用地域
ア)環境良好な低層住宅地で、小規模な店舗等が立地している区域または計画的な立地を図る区域で、その環境を保護すべき区域
イ)環境良好な低層住宅地の主要な生活道路沿いで、小現模な店舗等が立地している区域または計画的な立地を図る区域で、その環境を保護すべき区域
 
○第一種中高層住居専用地域
ア)良好な中高層住宅地として、その環境を保護する区域または開発、整備する区域
イ)生活圏中心の区域で、良好な中高層住宅地化を図るべき区域
ウ)第一種低層住居専用地域または第二種低層住居専用地域を貫通する主要な道路沿いで、特に後背地の良好な環境を保護する区域
 
○第二種中高層住居専用地域
ア)中規模な店舗等の立地を許容しつつ、良好な中高層住宅地として、その環境を保護する区域
イ)第一種中高層住居専用地域などを貫通する主要な道路沿いで、後背地の良好な住環境を保護する区域
 
2)複合住宅地
○第一種住居地域
ア)商業地または工業地に接する区域などで、中規模な店舗、事務所等の混在を許容しつつ、主として住環境を保護する区域
イ)住居専用地域を貫通する幹線道路沿いで、後背地の良好な環境を保護する区域
 
○第二種住居地域
ア)商業地または工業地に接する区域などで、大規模な店舗、事務所等の混在を許容しつつ、主として住環境を保護する区域
イ)第一種住居地域を貫通する幹線道路沿いで、後背地の住環境を保護する区域
 
○準住居地域
ア)道路の沿道としての地域の特性にふさわしい業務の利便増進を図りつつ、これと調和した住環境を保護する区域
 
3)商業地
○近隣商業地域
ア)商店街など、近隣の住宅地の住民に対する日用品の供給を主たる内容とする商業その他業務の利便を増進する区域
イ)幹線道路沿いで、沿道のとしての特性にふさわしい業務施設が立地している区域または計画的に立地を図る区域
 
○商業地域
ア)乗降人員の多い鉄道駅周辺の区域、中心商業地など、地域の核として店舗、事務所、娯楽施設等が集積しているまたはその集積を図り、主として商業その他業務の利便を増進する区域
イ)幹線道路沿いで、商業・業務施設等が立地している区域または立地を図る区域
ウ)近隣商業地域では許容されない商業施設が多く立地している区域
 
4)工業地
○準工業地域
ア)工場と住宅が混在しており、環境悪化をもたらすおそれのない工業の利便を図るため、その立地を許容する区域
イ)住工の調和を図りながら地場産業などの育成を図るべき区域
ウ)工業系の施設があり、店舗、事務所、流通関連施設等または沿道サービス施設等が立地する区域
 
○工業地域
ア)準工業地域では許容されない工場または危険物の貯蔵所・処理場の立地を図り、主として工業の利便を増進する区域
イ)住宅等との混在を排除することが困難または不適当な工業地で、工業機能の維持を図るべき区域
 
○工業専用地域
ア)工業の集積が多く、住宅の立地を排除または防止し、工業の利便を増進する区域
イ)新たに工業地として計画的に開発する工業団地等の区域
 
5)その他の地域地区
○特別用途地区
ア)市の創意工夫により種類を自由に定めることができることから、土地利用の増進や環境の保護など、特別な目的を実現するため、用途地域を補完し、特定の建築物の用途等を制限または緩和することが必要な区域について積極的な活用を図る。
 
○防火地域及び準防火地域
ア)防災上の観点から不燃化を促進するため、耐火または防火建築物を配置すべき区域







日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION