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第2章 衣川村におけるむらづくりの課題
 
1 アンケート調査の結果
(1)誇れる本村の特色
 全25項目のうち、村民アンケートで評価点(全サンプルの平均点)の高かった上位10項目は次の通りである。
 
図表2-1 アンケート結果−誇れる本村の特色
  項目 ポイント(5点満点)
1 自然環境 4.47
2 誇るべき歴史 4.25
3 食べ物がおいしい 4.13
4 消防救急体制 3.98
5 伝統的文化 3.91
6 高齢者福祉 3.86
7 自然災害が少ないなどの安全性 3.82
8 村内の景観 3.71
9 気候 3.68
10 人情 3.60
 
 「自然環境」「歴史」「食べ物」「伝統文化」「景観」「人情」といった農村の生活文化を評価する項目が上位に並んでいる。特に、「自然環境」「歴史」「食べ物」の評価点は4ポイントを超えており、特に評価が高い項目である。
 また、行政サービスでは「消防救急体制」と「高齢者福祉」の2項目が10位以内に入っているほか、11位に「道路など生活環境の整備」、13位に「医療体制」、14位に「ごみ処理体制」が挙げられている。いずれの評価点も3ポイントを上回っている(図表2-1参照)。
 なお、5点満点で半分の2.5ポイントに満たない評価をされたのは3項目しかなく、特色で示される「村に対する評価」は概ね肯定的である。
 
(2)マイナス評価の生活項目
 村に対する肯定的な評価にあって、特に村の生活環境の中で、マイナスの評価がプラスの評価を上回ったのは、次の8項目となっている。
 
図表2-2 アンケート結果−マイナス評価の生活項目
  項目 ポイント(5点満点)
1 村内での買い物の利便 1.64
2 働く場の充足 1.75
3 公共交通機関の利便 2.32
4 地域行事の参加機会 2.49
5 通勤通学の便 2.58
6 役場や議会の働き 2.65
7 新しい文化の吸収 2.92
8 村民によるむらづくり活動 2.95
 
 評価ポイント(全サンプルの平均点)が低い順に並べると、最も低い項目が「村内での買い物の利便」であり、以下「働く場の充実」「公共交通機関の利便」となっている。この中でも特に「村内での買い物の利便」、「働く場の充実」は1ポイント台の評価しかなく、村での生活の大きな障害要因ということができよう。
 
図表2-3 アンケート結果−本村の特色
(拡大画面:190KB)
 
(3)定住意向
ア 全体的な結果
 「ずっとこの村で暮らしていきたいか」という質問で定住意向を開いた。
 その結果、回答者の6割近くが、「ずっと本村で暮らしていきたい」と答えている。一方、「そう思わない」という回答者は1割である。
 6割を超える人が本村に住み続けたいと考えており、これらの「人の力」は、むらづくりを考える際の大きな「力」の基礎となるであろう。
 
図表2-4 アンケート結果−定住意向
 
イ 年代別結果
 年代別に見ると、高齢になるにしたがって「本村で暮らしていきたい」と思う割合が高くなり、40代以降では5割を超える。しかし、10代、20代では3割にも満たない。特に10代は「そう思う」(「暮らしていきたい」)という回答と「そう思わない」という回答が同率である。これからの村を担う年代の人たちが定住に否定的であることが気がかりである。
 また、10〜30代では「どちらともいえない」という回答が5割近くあり、「働く場」や「結婚」、「子育て」などの問題が反映されている結果と考えられる。
 さらに、60代、70代でも1割前後の「そう思わない」という回答があることに着目すべきである。老後の生活の不安や、すでに村外に居る子どもとの同居などが視野に入っているのであろう。
 
図表2-5 アンケート結果−年代別定住意向







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