(3)広域圏との関わりの概況
ア 昼間人口
昼夜間人口比率は平成7年(1995年)83.5%、平成12年(2000年)81.6%となっている。本村は、他市町村へ就業・通学する割合が高い、すなわち「暮らしの場」としての性格が強いとみることができる。
また比率は低下流出増加傾向を示している。人口増加がないことを考えると、「住」を求めて本村に移り住むということではなく、村内での就業の場が少ない、あるいは他市町村に魅力ある働く場が増えてきていることが伺える。
図表1-7 昼間人口比率等
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昼夜間人口比率 |
(1)昼間人口 |
(2)常住人口 |
流入人口 |
流出人口 |
増減 |
平成7年 |
83.5 |
4,609 |
5,518 |
470 |
1,379 |
-909 |
平成12年 |
81.6 |
4,319 |
5,290 |
488 |
1,459 |
-971 |
単位 |
%((1)/(2)×100) |
人 |
人 |
人 |
人 |
人 |
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資料)総務省「国勢調査報告」より作成
イ 通勤・通学
村内で働く(通学する)村民と他市町村で働く(通学する)村民の割合は、平成7年(1995年)の「59:41」の割合から平成12年(2000年)の「55:45」へと変化しており、わずかであるが他市町村で働く人の割合が増えてきている。
通学は図表1-9のとおりであり、一関市への通学者が最も多い(なお、本村に通学する他の市町村の人はいない)。
就業(通勤)の状況をみると、前沢町で就業する人が最も多く、次いで一関市、そして水沢市の順となっている。また、本村で就業する他市町村の人で最も多いのは、前沢町居住者である。平成7年(1995年)と平成12年(2000年)を比較すると、村の北方に位置する市町で就業する人が増加し、一関市・平泉町など南方面の市町での就業者は減少した。就業先では前沢町の増加数が大きい。就業という面に限っていえば、前沢町との関係が強い。
図表1-8 就業者・通学者(15歳以上)の流入・流出の状況(単位:人)
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自市内で従業・通学 |
他市町村から流入 |
他市町村へ流出 |
総数 |
自宅 |
自宅外 |
総数 |
平成7年 |
1,985 |
1,040 |
945 |
470 |
1,379 |
平成12年 |
1,798 |
908 |
890 |
488 |
1,459 |
就業者 |
平成7年 |
1,929 |
1,040 |
889 |
470 |
1,133 |
平成12年 |
1,733 |
908 |
825 |
488 |
1,220 |
通学者 |
平成7年 |
56 |
- |
56 |
0 |
246 |
平成12年 |
65 |
- |
65 |
0 |
239 |
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資料)総務省「国勢調査報告」より作成
図表1-9 通学先の市町(15歳以上)(単位:人)
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通学者総数 |
一関市 |
水沢市 |
前沢町 |
胆沢町 |
県内 |
県外 |
平成7年 |
246 |
113 |
61 |
39 |
18 |
8 |
7 |
平成12年 |
239 |
92 |
52 |
56 |
20 |
10 |
9 |
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資料)総務省「国勢調査報告」より作成
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図表1-10 通勤の状況(平成12年)
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注)数字は15歳以上の就業者数(単位;人)
資料)総務省「国勢調査報告」 |
図表1-11 通勤の状況の変化(平成7-12年)
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盛岡市 |
水沢市 |
北上市 |
一関市 |
江刺市 |
金ケ崎町 |
前沢町 |
胆沢町 |
平泉町 |
村民の通勤先 |
平成7年 |
9 |
229 |
18 |
326 |
9 |
26 |
229 |
67 |
158 |
平成12年 |
- |
240 |
27 |
284 |
20 |
44 |
314 |
73 |
131 |
増減 |
- |
11 |
9 |
-42 |
11 |
18 |
85 |
6 |
-27 |
村への通勤者の居住地 |
平成7年 |
- |
90 |
- |
83 |
- |
- |
109 |
38 |
97 |
平成12年 |
- |
99 |
- |
84 |
14 |
- |
113 |
45 |
77 |
増減 |
- |
9 |
- |
1 |
- |
- |
4 |
7 |
-20 |
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注)15歳以上の就業者数(単位;人)
資料)総務省「国勢調査報告」
ウ 購買活動
村民の商品購買活動について、岩手県の平成15年度「広域消費購買動向調査」(平成15年度同調査速報)をみると、品目総合の地元購買率は平成10年度調査の9.3%から岩手県で最も低い1.3%に低下した。消費活動は近隣市町に極めて強く依存するようになってきている。
30%以上の流入率を示す範囲を第1次商圏、20〜30%未満を第2次商圏、10〜20%未満を第3次商圏、5〜10%未満を第4次商圏とすると、村は53.7%が流出する前沢町の第1次商圏であり、一関市や平泉町の第3次商圏、水沢市の第4次商圏に位置する。なお、一関市は平成10年度21.2%と本村を第2次商圏としていたが、平成15年度は16.9%と第3次商圏に後退した。同様に水沢市は平成5年度28.6%・第2次商圏、平成10年度13.1%・第3次商圏から、平成15年度第4次商圏へと吸引力を落としてきている。
消費活動では前沢町との関係が強まっているとみることができる。
図表1-12 本村の広域消費購買動向について
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注)市町村の下は地元購買率%は流入(流出)率
資料)岩手県報道資料「岩手県広域消費購買動向調査結果(速報)について」
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エ 広域行政
消防やごみ処理など次の行政事務については、効率性や財政負担などの観点から本村単独ではなく、水沢市・江刺市や胆沢郡内の町とともに事務組合をつくり、広域的に処理している。
なお、ごみ焼却施設をはじめとする廃棄物処理施設は水沢市や江刺市にあり、村内には立地していない。
図表1-13 本村の広域事務について
事務内容 |
主体 |
構成 |
廃棄物処理業務
○ごみ処理施設
・ごみ焼却施設
・粗大ごみ処理施設
・余熱利用施設
○し尿処理施設 |
胆江地区広域行政組合 |
衣川村、水沢市、江刺市、前沢町、金ケ崎町、胆沢町 |
休日診療所事業 |
介護認定業務 |
火葬事業 |
職員共同研修事業 |
消防(常備消防) |
胆沢地区消防組合 |
衣川村(衣川分署)、水沢市、前沢町、金ケ崎町、胆沢町 |
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オ 村の資源
村の特色ある資源としては、次表のようなものがある。
図表1-14 本村の資源について
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