（ア）来島前のイメージ

　来島前のイメージについては、自然・景観に対するイメージを持つ人が圧倒的に多い。特に“海の美しさ”をイメージする人が多く、海にかなりの期待を抱いて来島していることが分かる。次に“のんびり”“ゆったり”といった宮古島の雰囲気をイメージする人が多かった。また、“何も無いところ”という意見も見られ、特に観光施設などを期待して来島しているわけではないことがうかがえる。

　初来島者とリピーターの差異を検討すると、リピーターは、初来島者と比較して自然・景観に関する回答が少なかった。自然・景観の素晴らしさを前提にしてそれ以外のものに島のイメージを見出している。また、初来島者は、宮古文化や琉球独特の雰囲気をイメージしているが、リピーターではそういう回答はなかった。宮古文化や雰囲気が上手く伝わっていない現状がうかがえる。

　

　

　

　

　

（イ）来島後のイメージ

　来島前と同様に自然・景観の素晴らしさを印象に挙げる人が多かった。その一方、海岸のゴミの多さや自然環境破壊に対する嘆きや危惧の声も多く見られた。

　また、来島前にはほとんど見られなかった島民との交流に関する印象についての意見が多く挙がっていた。

　初来島者とリピーターの差異を検討すると、リピーターには前回来島と比べて環境の悪化を指摘する意見が多かった。また、初来島者は主に自然・景観についての意見が多いがリピーターには島民との交流についての意見が多い。島民との交流が多くのリピーターを惹きつけ、また生み出していることがうかがえる。

　

　

　

　

（ウ）宮古観光へのアドバイス

　全体的に記述量の多い回答が多くみられ、宮古島に対する思いの強さがうかがえた。

　内容については、海岸のゴミの惨状についての意見が多かったが、同時に観光客自身の自覚を求める声も見られ、環境に対する意識の高さが感じられた。

　また、現在の自然環境の維持と観光開発への消極的な意見が多く見られ、新たな観光開発を望んでいないことがうかがえた。

　他に目立った意見としては、島内の交通関係の意見が挙げられる。これは大きく分けて島内移動の際の道路案内が分かりづらいという意見と、公共交通機関の不足を指摘する意見が見られた。

　初来島者とリピーターの差異を検討すると、初来島者は、設備等の不備を指摘する要望型の意見が多かったが、リピーターはそうした不備を受け入れた上で宮古観光に対する具体的なアドバイスや考え方を内容とした提案型の意見が多く見られた。