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2 長崎県の港湾の概況
(1)港湾数及び分布
 長崎県には重要港湾5、地方港湾78、56条港湾22、合わせて105の港湾がある。このうち、佐世保港は佐世保市の管理であるが、残る104港湾は長崎県の管理である。所在港湾数としては、鹿児島県に次いで全国第2位である。
 なお、漁港286、空港6を加えると、本県には397の港が存在する。
 また、本県は、北海道に次いで壮大な海岸線を有しており、海岸線を持たない市町村は県内に吉井町、世知原町、波佐見町の3町のみである。県内79市町村のうち約7割にあたる58市町村に港湾が分布している(平成16年1月1日現在)。
 
●56条港湾とは
 港湾法第56条の定めるところの港湾である。港湾区域の定めのない港湾で、都道府県知事が水域を公告した港湾をいう。
 
(2)港湾関係主要プロジェクト
 県内港湾で進められている主要なプロジェクトは、長崎港の女神大橋建設プロジェクトをはじめとして、9港12プロジェクトがある。福江港、有川港、厳原港等の離島の主要な港湾では、旅客ターミナルやその周辺において、離島の人流・物流の拠点として緑地も含めた埠頭の総合的な整備を行っている。
 
図表I-21 港湾関係主要プロジェクト一覧
港名 地区名 プロジェクト名 状況
長崎港 女神地区 女神大橋(仮称)建設プロジェクト 平成18年供用開始予定
内港地区 内港再開発事業(緑地) 平成16年春供用開始予定
佐世保港 三浦地区 ポートルネッサンス21計画 平成16年度整備完了予定
平成17年度より暫定供用予定
前畑地区 多目的国際ターミナル
厳原港 厳原地区 離島ターミナル 平成21年供用開始予定
厳原・久田地区 ふ頭間連絡道路
郷ノ浦港 郷ノ浦地区 観光船ふ頭 平成16年度供用開始予定
福江港 大波止地区 フェリーふ頭再開発 平成16年春供用開始予定
調川港 調川地区 水産加工団地 平成16年度供用開始
比田勝港 比田勝地区 離島ターミナル 平成20年供用開始予定
青方港 相河地区 離島ターミナル 平成16年度供用開始予定
有川港 有川地区 マリンタウンプロジェクト 平成16年供用開始
出典:長崎県港湾協会発行「長崎県の港湾2002 交流舞台 みなと」(2003年3月)
 
図表I-22 港湾位置図
(拡大画面:202KB)
資料:
長崎県港湾協会発行「長崎県の港湾 2002 交流舞台 みなと」(2003年3月)
 
(3)物流・交通
(1)海上出入取扱貨物
 本県のフェリー貨物を含む全体の取り扱い貨物量は、平成13年で約4,300万トン、平成14年では、池島炭鉱の閉山などの影響で若干減少し約3,900万トンである。主な品目としては、石炭、砂・砂利、石油製品・重油、フェリー貨物等がある。
 平成14年の取扱実績でみると、石炭については火力発電所を抱える松浦港、松島港、砂・砂利については佐世保港、島原港、長崎港、石油製品と重油については長崎港、佐世保港、郷ノ浦港、フェリー貨物については熊本方面の航路で多くの便数が就航している多比良港、島原港、口ノ津港において取り扱いが多くなっている。
 
図表I-23 取扱貨物量の推移
資料:港湾統計
注意:平成14年は速報値である。
 
(2)フェリー定期航路
 主なフェリー定期航路として、長崎〜福江航路、佐世保〜上五島航路、博多〜壱岐・対馬航路、対馬〜釜山航路、島原〜熊本航路などがある。この他にも、高速・旅客船、RORO船などが就航している。
 
図表I-24 フェリー定期航路図
(拡大画面:194KB)
出典:
長崎県港湾協会発行「長崎県の港湾 2002 交流舞台 みなと」(2003年3月)(一部改訂)
 
(3)船舶乗降人員数
 平成14年において船舶乗降人員数の多かった港は上位から順に、多比良港、長崎港、島原港、佐世保港、福江港であった。
 
図表I-25 港湾別船舶乗降人員数
(人)
順立 港名 乗込人員 上陸人員 合計
1 多比良港 640,564 590,369 1,230,933
2 長崎港 547,331 531,736 1,079,067
3 島原港 511,315 566,024 1,077,339
4 佐世保港 396,543 415,814 812,357
5 福江港 338,107 354,291 692,398
6 郷ノ浦港 220,788 239,626 460,414
7 口之津港 222,808 233,489 456,297
8 瀬戸港 210,065 211,382 421,447
9 松島港 176,494 175,082 351,576
10 肥前大島港 123,871 121,698 245,569
資料:港湾統計(平成14年速報値)
 
(4)クルーズ船の入港数
 長崎県の港湾では、長崎港を初めとして国内外の観光船に対応した岸壁を整備済または整備中である。平成13年における県全体の入港回数は、39回。なかでも長崎港は群を抜いて多い。
 
図表I-26 港湾別クルーズ船入港数
出典:長崎県港湾課、佐世保市港湾部調べ
 
(4)港湾における主な観光レクリエーション施設等
 港湾には、マリーナや港湾緑地、人工海浜等の観光レクリエーションの利用に適した施設が存在する。また、港湾又はその周辺に立地する事業所の中には、見学など産業観光資源となるところもある。それらのうち主要な施設を以下に例示した。
 
港湾名 観光レクリエーション施設の概要
長崎港 (常盤・出島地区)
 常盤出島地区には、大波止ターミナル周辺の複合型商業施設、出島ワーフ及び出島ハーバーなどがある。出島ハーバーは35フィート級の船が24隻接岸可能なビジター専用バースを備えた施設であり、平成14年に供用を開始した。出島ハーバーから大型客船が止まる出島岸壁(水深-10m、延長225m)までは、帆船祭りなどのイベント会場にもなっており、水辺の賑わいをもたらしている。
 大型客船停泊地の背後には、平成16年3月の供用開始を目指して「長崎水辺の森公園」を整備している。その一部の水際については、平成15年7月に供用を開始した運河沿いに散策できる水辺のプロムナードがある。また、レストランも同時期にオープンしており、散策の途中で休憩ができるようになっている。
(福田地区)
 平成7年度に完成した長崎サンセット・マリーナがある。ここには水面100隻、陸上200隻の収容が可能で、25フィート級の昇降クレーン、給油施設を備えている。
(小江地区・皇后地区)
 プレジャーボートスポットまたはボートパークがある。
佐世保港  鹿子前地区の西海パールシーリゾートの中にマリーナがあり、九十九島遊覧、ヨットクルーズ、シーカヤックなどが体験できる施設となっている。
田結港  飯盛町にある港湾。周辺10kmに海洋性レクリエーション施設がないため、平成3年から海岸環境整備事業で人工ビーチや植栽を行っている。平成14年度に第1期工事を終え、ビーチボール大会や砂浜を利用した海洋レジャーが行われている。近郊の住民に親しまれており、集客は多い(平成14年の利用者:60,000人「長崎県港湾統計 平成14年」)。
小浜港  島原半島の小浜町にある港湾。地域活性化モデル事業により、イベント広場、緑地、駐車場を整備し、平成9年度に完成している。広場は各種イベントに利用されている。また、平成15年7月から海中展望船が就航を始めている。
川内港  平戸市東岸にある港湾。砂浜の砂が減少し、利用者数に減少傾向が見られるため、人工海浜を造成すると共に、遊歩道、植栽の整備も行っている。背後にはホテルがあり、海水浴シーズンには賑わいをもたらしている。
玉之浦港  福江島の玉之浦町にある港湾。水に親しむための海浜を平成13年度までに完成。カヌー等の体験ができるようになっている。
青方港  五島列島北部の上五島町にある港湾。世界最大級の洋上石油備蓄基地があり、平成元年にオイルインが完了し、施設見学等も行われている。平成14年の見学者数は、約1,000人であった。







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