日本財団 図書館


2 プロトタイプシステム
(1)整備の考え方
(1)基本方針
 今回の実験は、地域住民自らが自分たちの街を歩いてバリア(フリー)情報等の地域情報を収集し、それをインターネット上の地図に登録し、バリアフリーマップ等地域コミュニティマップを作成していく過程で発生する問題点や課題を把握することが目的である。そのため、プロトタイプシステムでは、従来からの表示閲覧系画面のほかに情報を登録する画面(登録編集系画面)を構築した。
 また、収集・登録されたバリア(フリー)情報等の地域情報の中には個人のプライバシーに関わる情報や誤情報、収集・登録者の主観に大きく偏った情報などHP上での公開には適さない情報が混在することが予想されることから、公開前にそうした情報を分類する管理者の存在を想定して、管理者が収集・登録された情報の是非を判断し、承認することができる画面(管理系画面)を構築した。
 したがって、本プロトタイプシステムは、(1)表示閲覧系、(2)登録編集系、(3)管理系、の3段階の構成となっている(図表3-7)。
 
図表3-7 プロトタイプシステムのイメージ図
 
 また、将来、電子地図情報のまちづくり全般への幅広い活用を目指して地図の種類もバリアフリーマップに限定せず、地域の良いところを集めた「地域資源マップ」や以前に紙ベースで作成したものを改訂のうえ電子化した「ふれあいマップ(防災・通学路)」、「ふれあいマップ(お医者さん・公的施設)」を加え、合わせて『原田校区コミュニティマップ』として構築した(図3-8)。
 
図表3-8 原田校区コミュニティマップの構成
 
 
(2)ユーザー(使用者)ID、パスワード
 前述したように本システムは、表示閲覧系・(情報の)登録編集系・管理系(登録情報の承認)という3段階の構成となっている。その中で“登録編集系”と“管理系”については情報そのものを扱うことになるため、利用者を限定する必要があり、それぞれにユーザーIDとパスワードを用意した。
 本実験では、マップごとに登録編集系画面の操作用と管理系画面の操作用のユーザーIDとパスワードを用意し、登録編集系画面の操作用のみ参加者に付与した。
 なお、本来、ユーザーIDは個人を識別し、パスワードはその個人を認証するためのものであるので、個人ごとに付与し、その個人が自分だけのユーザーIDとパスワードを使用して各マップを利用するのが原則であるが、本実験では、コミュニティマップを構成する各マップに1つのユーザーIDとパスワードを設定し、そのユーザーIDとパスワードを参加者全員に付与する方法をとった。
 
(3)アイコン
 今回のシステムではバリアフリー情報を「歩道」、「障害物」、「スロープ」、「交差点」、「階段」、「駅・バス停」の6つに分類して登録できるようになっており、地図上において即座に何に関する情報かを識別できるようそれぞれに特徴となるアイコンを作成した。
 また、本システムでは、情報登録後、公開までに”承認”という段階を設定しているため、公開中の情報と承認待ち(未公開)の情報を区別する必要があった。そのため承認待ちのアイコンには赤線で枠囲いするか赤色で表示させることで区別を図った。
 
図表3-9 バリアフリーマップに使用されているアイコン
 
(4)WWW画面
 前述したように本システムでは、表示閲覧系・登録編集系・管理系という3段階の構成となっている。それぞれの段階の情報一覧画面を紹介する。
 
ア 表示閲覧系WWW画面
 登録・承認を得た情報はHP上に公開される。以下がその情報一覧画面である(表示閲覧系WWW画面では初期画面は原田小学校を中心とする地図画面となる)。ここはユーザーID、パスワードなしで誰でも閲覧することが可能である。
 表示閲覧系画面は利用者が求める施設情報や地図情報がインターネットを通じて分かりやすく効率的に利用できることを目指して作成した。
 
イ 登録編集系WWW画面
 現地調査で収集した情報を地図上に登録(入力)する際の画面である。ここは登録編集用のユーザーID及びパスワードを付与された人のみが閲覧できる。
(拡大画面:81KB)
 
 
ウ 管理系WWW画面
 登録された情報を公開情報として承認する際の画面である。ここは管理(承認)用のユーザーID及びパスワードを付与された人のみが閲覧できる。
(拡大画面:86KB)
 
(5)入力講習会資料(操作説明書)
 本システムの利用者は、日常インターネットを利用し、ホームページの閲覧などを行っている人を想定しているため、ある程度ブラウザの操作、パソコンによるテキストデータの入力が行えることを前提とした。
 したがって、講習会資料(操作説明書)の作成にあたっては、実際に登録作業を実施しながら操作方法を習熟した方が効率的であると考え、主に本システムの概念や操作上の留意事項、操作のポイントを内容とした(巻末資料参照)。







日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION