(2)本市における情報化の流れ
本市は、昭和38年(1963年)の電算機導入以来、住民基本台帳をはじめとする行政情報のシステム化を図るとともに、平成6年(1994年)度に策定した「豊中市地域情報化計画」に基づき、「市民本位の情報化」「地域特性を活かした情報化」「人にやさしい情報化」の3点を基本的な考え方とし、各種情報機器や庁内LANなどの情報基盤整備を行い、情報化施策を体系的、計画的に進めることにより、事務処理の効率化・迅速化と市民サービスの向上に努めてきた。
最近では、インターネットをはじめとする情報通信技術が飛躍的に進展し、また、電子政府・電子自治体実現に向けての取り組みが本格化するなど、市民生活も大きく変化している。このような中、情報化時代に対応できる人材を育成することや、IT(情報技術)を活用した情報公開や市民活動情報の提供を行い、行政=住民間及び住民=住民間の合意形成、パートナーシップ、コラボレーションなどによる「まちづくり」を行うことがこれまで以上に重要になると考えられる。
本市はこうした「まちづくり」に向けて、本市ホームページを充実し、IT講習会やITリーダー育成講習会などで市民の情報リテラシー向上を図り、地域イントラネット基盤整備などの環境整備を行っているところである。
また、ITを活用した行政・市民間のコミュニケーションとしては、現在、電子メールによる意見募集やパブリックコメントが行われている。
【上位関連計画・報告書等】
豊中市地域情報化計画
策定年度 |
平成6年(1994年) |
計画の概要 |
情報化の進展は、経済・産業の分野においてめざましく、市民の生活においても大きな影響を与えるようになり、今後のまちづくりにおいても重要な役割を担うものとして、情報化をまちづくりの大きな柱に考える。地域情報化の目的をまちづくりを進めていくにあたり、基本理念として、「知りたいとき知りたいひとへ」・「人と人とのつながりを強くする」・「活力のあるまちをつくる」としている。具体的なものとして、まちづくりを支える施策として16からなるシステムを提示。 |
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地域情報化推進のためのデータベース整備のあり方
策定年度 |
平成6年(1994年) |
計画の概要 |
地域情報化計画の策定を受け、具体的な地域情報システムなどが構築されると、そのデータベースの充実と操作の簡易さが重要になってくる。また、それぞれのデータベースがルールのないまま構築されると、情報の利用が限られ情報システムとしては、利用価値が半減する。これらのことを回避するために全庁的なまとまりをもった使いやすく内容の充実したデータベースを整備していくために、(OSはWindows、通信プロトコルはTCP/IPとするなどの)一定のルールづけを行う。 |
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豊中市テレトピア計画
策定年度 |
平成7年(1995年) |
計画の概要 |
「豊中市地域情報化計画」に示されているまちづくりを実現するため、情報通信基盤を整備し、地域情報化計画の実現に向け、豊中文化の発信と交流をうながし、施策を明らかにし、具体化に向けた先導的なプロジェクトとして位置づけられる。 |
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地域情報システム・ネットワーク調査報告書
策定年度 |
平成7年(1995年) |
計画の概要 |
個別の情報システムが構築されていくなか、個別のシステムにデータベースを閉じてしまうと、より有効な情報の活用ができず、市民サービスや、行政事務の向上は実現できない。これらの解消にはそれぞれのシステムにある情報(データベース)を共有する必要があり、その大前提としてネットワークの整備の必要性があるため、ネットワークの実現方式、条件整備などを提示する。 |
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地域情報システム・ネットワークのあり方に関する調査
(庁内情報共有化に向けての整備対策)
策定年度 |
平成8年(1996年) |
計画の概要 |
前年度までに進めてきた情報政策を実現するための環境が整いつつあり、具体的な取組や条件整備が必要な時期になった。インフラの整備状況などから、市民への情報発信の基礎として、庁内での情報発信、情報共有を調査対象の重点にし、庁内情報共有システムのプロトタイプシステムを構築する。 |
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地域情報システム・ネットワークの実現に向けて
策定年度 |
平成9年(1997年) |
計画の概要 |
地域情報システム・ネットワークの実現に向けた基本用件として、ハード整備、組織体制の整備、取り組み施策として、庁内情報共有システム、基本図データベースの全庁的活用などを提示。 |
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地図データベースの活用方策(地図情報の共有化)
策定年度 |
平成9年(1997年) |
計画の概要 |
平成9年度に構築が完了した基本図データベースの全庁的展開を図るために、地図管理部局の設置等、必要条件の整備方策を提示。 |
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電子自治体実現に向けてのアクションプラン
策定年度 |
平成14年(2003年) |
計画の概要 |
「電子自治体」の実現に向けて、今後3年間で取り組むべき具体的な内容を提示。 |
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(3)GISの活用
(1)GISとは
地理情報システム(Geographic Information System)とは、空間データを扱う情報システムのことであり、道路、建物、公園といった実際に目で見ることが可能な情報から、交通量、埋蔵文化財などの目に見えない情報まで、さまざまなデータを“位置”に関連付けてコンピュータによって総合的に処理、管理、分析し、その結果を表示する仕組みを言う。
GISを利用することにより、位置情報を鍵(キー)にして必要な情報を迅速かつ効率的に管理、検索できるほか、さまざまな図面を重ね合わせて表示することもできるようになる。また、地図を使って空間状況を分析するなど、高度な活用も可能になる。
図1-22 GISのイメージ
(2)国の取り組み状況
国においては、阪神・淡路大震災を契機として平成7年(1995年)9月に「地理情報システム(GIS)関係省庁連絡会議」を設置し、政府一体となった取り組みを展開している。
平成9年(1997年)12月に閣議決定された「行政情報化推進基本計画」では、GISの効率的な整備、相互利用の促進等を図るべきことが位置付けられ、社会基盤として地理情報を提供していく考えが明らかにされた。また、平成11年(1999年)1月に「GIS官民推進協議会」が設置され、そこでの提言を受け官民一体となったGIS実証実験が各地で行われている。
こうした中、平成12年(2000年)12月に「IT基本法」が施行され、これを受け日本におけるIT国家戦略として、平成13年(2001年)1月に「e-Japan戦略」が決定された。このe-Japan戦略の中で、GISの推進が重要な施策として位置付けられた。さらにe-Japan戦略を具体化し5年以内に世界最先端のIT国家の実現を目指すため、平成13年(2001年)3月に「e-Japan重点計画」が策定され、平成14年(2002年)6月には「e-Japan重点計画−2002」が策定された。
この「e-Japan重点計画−2002」においては、地理情報システム(GIS)の推進として、「GISアクションプログラム2002−2005」(後述)の策定、全国の25,000分の1地形図の電子データを整備(国土交通省)等が挙げられている。
「GISアクションプログラム2002−2005」は、平成14年(2002年)2月に「地理情報システム(GIS)関係省庁連絡会議」により、平成14年度以降を計画期間として定められた行動計画であり、その後、平成15年(2003年)4月に改定がなされた。
このアクションプログラムは、平成13(2001)年度末をもって計画期間を終了した計画(「国土空間データ基盤標準及びGISの普及の促進に関する長期計画」、「国土空間データ基盤標準及び整備計画」及び「今後の地理情報システム(GIS)の整備・普及施策の展開について」)に代わるものとして策定された。
アクションプログラムでは、標準化の推進等による「GISを利用する基盤環境の整備」と、電子自治体の推進を目指した「GISによる豊かな国民生活の実現」をイメージしている(図表1-23参照)。
図表1-23
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GISアクションプログラム2002-2005のイメージ
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(拡大画面:97KB)
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(3)地方自治体における取り組み状況
都道府県及び市町村におけるGISの導入状況は図表1-24のとおりである。
また、GISの活用状況は図表1-25のとおりとなっている。表を見ても分かるとおり利用者が情報登録できる仕組みを設けている自治体は4団体となっており、まだ情報提供としての使われ方しかされていないことがわかる。
図表1-24 都道府県及び市町村におけるGISの導入状況
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