1.2.4 艤装品部
A: 数量、外観等現状を点検するもの
B: 作動確認を行うもの
C: 有効期限等を調査、確認するもの
保守対象 |
点検要領 |
保守計画 |
備考 |
週毎 |
月毎 |
年次 |
01 |
オ―ル |
A |
|
○ |
○ |
|
02 |
オールクラッチ |
A |
|
○ |
○ |
|
03 |
ボート・フック |
A |
|
○ |
○ |
|
04 |
あかくみ |
A |
|
○ |
○ |
|
05 |
バケツ |
A |
|
○ |
○ |
|
06 |
生存手引書 |
A |
○ |
○ |
○ |
|
07 |
コンパス |
A |
|
○ |
○ |
|
08 |
シー・アンカ |
A |
|
○ |
○ |
|
09 |
もやい綱 |
A |
|
○ |
○ |
|
10 |
手おの |
A |
|
○ |
○ |
|
11 |
飲料水及び容器 |
A、C |
|
○ |
○ |
|
12 |
ひしゃく |
A |
|
○ |
○ |
|
13 |
コップ |
A |
|
○ |
○ |
|
14 |
食糧及び格納庫 |
A、C |
|
○ |
○ |
有効期限:5箇年 |
15 |
落下傘付信号 |
A、C |
|
○ |
○ |
有効期限:3.5年 |
16 |
信号紅炎 |
A、C |
|
○ |
○ |
有効期限:3.5年 |
17 |
発煙浮信号 |
A、C |
|
○ |
○ |
有効期限:3.5年 |
18 |
水密電気灯 |
A、B |
|
○ |
○ |
|
19 |
日光信号鏡 |
A |
|
○ |
○ |
|
21 |
救命信号説明表 |
A |
○ |
○ |
○ |
|
22 |
呼笛 |
A |
|
○ |
○ |
|
23 |
応急医療具 |
A、C |
|
○ |
○ |
|
24 |
船酔い薬 |
A、C |
|
○ |
○ |
有効期限:3.5年 |
25 |
船酔い袋 |
A |
|
○ |
○ |
|
26 |
ジャックナイフ |
A |
|
○ |
○ |
|
27 |
缶切 |
A |
|
○ |
○ |
|
28 |
浮輪 |
A |
|
○ |
○ |
|
29 |
手動ビルジポンプ |
A、B |
○ |
○ |
○ |
|
30 |
釣り道具 |
A |
|
○ |
○ |
|
31 |
持運び式消火器(泡・粉末) |
A、C |
|
○ |
○ |
有効期限の確認 |
32 |
レーダー反射器 |
A |
|
○ |
○ |
|
33 |
保温具 |
A |
|
○ |
○ |
|
34 |
属具格納庫 |
A |
|
○ |
○ |
|
35 |
雨水貯蔵タンク |
A |
|
○ |
○ |
|
36 |
乗込みはしご |
A |
|
○ |
○ |
|
37 |
座席ベルト |
A、B |
|
○ |
○ |
|
38 |
行動指導書 |
A |
○ |
○ |
○ |
|
39 |
取り扱い掲示板 |
A |
○ |
○ |
○ |
|
|
点検によって発見された異常箇所は、次の手順によって補修されなければならない。数量の不足については、正しい数量に補充しなければならない。
下記以外の部分については、それらの詳細を記録して、製造者等に異常個所の点検整備あるいは修理を要請する。
1.3.1.1 金属部
発錆の状況に応じて防錆処理をする。
1.3.1.2 布部
損傷の程度に応じて、同種の材質で補修する。
1.3.1.3 ハッチ部パッキン
損傷の程度に応じてシール剤で補修する。
1.3.1.4 ガラス
損傷部を防水テープ等で応急処置をする。
1.3.1.5 ドレン弁
ドレン弁の付近にゴミ等があれば取り除き、弁の作動を確認する。
1.3.1.6 散水ノズル
ゴミ、異物等を除去する。
1.3.1.7 配管からの漏れ
継ぎ手からの漏れは、締め込みその他の調整を行う。
1.3.2.1 主機関
油塗布及び潤滑
発錆部分は、錆を除去し機械油を塗布する。又、回転部分は、潤滑油を充填する。
作動テスト
テストは格納状態でも実施するが、適切な機会(月1回或いは、3ヶ月に1回)に進水させ浮上した状態で走行状態を点検する。
作動テスト完了後、冷却系の弁を開け、清水で洗浄した後、完全に水を切っておく。
1.3.2.2 動力伝達装置
Vベルトの張りを正常範囲に調整する。
1.3.3.1 蓄電池
電解液を表示線まで補充すること。
電気系端子が緩んでおればしっかりと固定しておく。
項目 |
点検整備(不備があれば補修する) |
補修箇所 |
1.4.1 船体部
艇体、固定覆いの外観検査 |
すり傷、割れ等異常のないこと |
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艇内外構造の検査 |
すり傷、割れ、発錆等異常のないこと |
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閉鎖装置(各ハッチ等)の作動検査 |
開閉の容易なこと。クリップの作動とパッキンが正常であることを確認する。
(要すれば、チョーク等で当たり面を確認する) |
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1.4.2. 一斉離脱装置
船上における保守として、まずフック頂上のメンテナンスペンダントホールを、ペンダントラインを使いダビットクレードルに連結させる。離脱フックや離脱装置に負荷がかかっていないのを確認する。次に舵手と指名された保守要員が以下を行う。
1)前後のアクセスハッチを開け、開けたままにしておく。
2)離脱ギアシステムの状態を目視で確認する。
3)模擬離脱をメーカーの取扱説明書に従い行う。フックが回転し自動的にロングリンクから離れる。
その際、フックその他の個所がスムーズに動いていることを確認する。
4)保守計画に従い、高質防水グリースをフック受け台のグリースニップルへ注入する。
5)離脱装置の操作銘板と注意銘板は鮮明で判読できることを確認する。読みにくい場合は
6)離脱装置の復旧をメーカーの取扱説明書に従って行う。
プッシュプルケーブルについて
1)ケーブルへは故障の原因となるような外力が加わらないようにする。
2)ケーブルに問題が発生した場合は新替えする。
5年毎に一斉離脱装置のオーバーホール及び艇合計重量の1.1倍荷重状態での一斉離脱装置作動試験を実施する(注1) |
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注1:Circ.1093に基づく追記事項は、次のようになっている。
オンロード離脱装置のオーバーホールについて;
.1 オンロード離脱装置のオーバーホールには、以下の項目が含まれる。
.1.1 フック離脱ユニットの取り外し
.1.2 許容誤差及び設計要件に関する検査
.1.3 組立後の離脱装置システムの調整
.1.4 上記の条件及びSOLAS規則III/20.11.2.3に規定された荷重の下での作動試験
(離脱装置が開放整備をされたときは何時でも救命艇の定員及び艤装品を満載した状態の救命艇の全質量の1.1倍の負荷をかけて作動試験を行う。かかる解放及び試験は少なくとも5年に1回行う。)
.1.5 重要部品に対する欠陥や割れの検査
参考:Circ.1093による注意事項は、次のようになっている。
1 離脱装置のセッティング及び整備は、救命艇の安全な作動及び乗艇者の安全を維持する上で重要である。従って、これら装置に対する全ての検査及び保守作業は最も注意して実施すること。(作動、リセット手順書参照)
2 フックに荷重をかけたままで、離脱装置の整備又は調整を行ってはならない。
3 吊り下げペナントは、この目的に使用されるが、通常の格納時や訓練中等その他の時は取り付けてはならない。
1.4.3. 散水装置
散水作動試験を行った後は、清水による洗浄を次の要領で行う。
1)洗浄用のホース弁に船の清水系統からのホースを連結する。
2)清水栓を開け、ノズルから散水させながら散水装置全体を約5分間洗浄する。
3)ドレンプラグを開放して、管内の溜り水を完全に排出する。 (清水ホース引き入れ口等から艇内に流れこんで船底に溜まったビルジは船底プラグから排出する)
4)ドレンプラグを閉鎖する。
(注)1)開放での検管、或いは装置及び部品の洗浄が必要な場合は、全ての散水ノズルを取り外して行うこともできるが、洗浄のあと元通りに復旧する。
5)散水装置図に示すドレンプラグは発錆及び凍結等の損傷を防止するため全開にする。 |
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1.4.4. 空気供給装置
1)高圧空気容器の内圧は、検圧用ストップバルブを閉鎖した後に、高圧空気容器弁を個別に開放し、高圧容器付近に設置した一次圧ゲージで読み取る。
2)高圧空気容器の内圧力は規定の温度条件下で所定の圧力がない場合は充填すること。
3)検圧の後、高圧空気容器弁を全て完全に閉めて、二次圧ゲージは一次側ゲージが零になるまでハンドルによって開放し、高圧配管内の空気の放出を確認して元に戻す。
船上での再充填
高圧空気容器内の空気圧が20℃に於いて180kg/cm2(17.64Mpa)を下回ったら次の要領で再充填を行う。
1)高圧空気容器のバルブを完全に閉める。
2)コンプレッサからの高圧のホースをヘッダのネックバルブに連結する。
3)各々の高圧空気容器のバルブを開く。
4)高圧空気容器の内圧は規定の温度条件下で所定の圧力がない場合は充填すること。
5)高圧空気容器のバルブを完全に閉める。
6)コンプレッサからの高圧のホースをネックバルブから離す。
7)ネックバルブを完全に締める。
(注)再充填用のコンプレッサを保有しない船にあっては可能な限り早い時期に高圧空気容器を陸揚げして再充填するか、或いは交換する。
5年毎の高圧空気容器の水圧試験について
1)艇内の構造物及び取付金具を取り外し、容器を艇外へ運び出す。
2)高圧空気容器の外観(錆等)を点検する。
3)整備業者による水圧試験を行う。 |
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1.4.5.艤装品
品物により数量、外観等現状を点検するもの、作動確認を行うもの、有効期間等を調査確認するものについてそれぞれの点検を行う。 |
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1.4.6. 機関部
エンジン運転前の点検
1)燃料タンク内の油量を目視にて確認し、不足している場合には補給する。
2)クランクケース及びクラッチケース内の潤滑油量を確認し、不足している場合は補給する。
3)回転部及び始動軸受け部に潤滑油を注入する。
4)清水クーラー内の冷却水量を確認し、不足している場合は補給する。
5)バッテリースイッチを入れた後で、計器盤の始動キーをONにし警報ランプ及び警報ブザー等の確認を行う。
運転中の点検及び注意事項
船上に於ける始動試験の際には、エンジンの回転数を約600〜700rpmとした所定時間内の暖気運転を行い、次の事柄に注意する。
1)冷却水警報ランプ、潤滑油圧警報ランプ、及び充電指示灯が点灯しないことを確かめる。
2)エンジン本体及び附属品からの油、水及び排気ガス等の漏れのないこと、異常音を発していないことを確かめる。
3)クラッチの操作を行う場合は、必ず低速で行う。
4)バッテリースイッチをOFFにしないこと。
5)始動キーをOFFにしないこと。
6)海上で始動試験を行う場合は冷却海水が排気口から十分吐出していることを確かめる。
エンジン停止後の点検及び注意事項
海上運転を行った場合、海水冷却系統内及び排気管内の海水は、塩分の付着並びに凍結を避けるために完全に排水する。
船上運転手順
本船水源からの給水によりエンジンを運転する場合、冷却水系統の切り換え操作手順は下記による。
1)海水冷却水コックを閉の位置にする。
2)ニップルに本船水源からの清水ホースを連結させ、給水を開始する。
3)エンジンを低速運転で始動させた直後に海水冷却水コックを開の位置にする。
4)エンジンを5分間運転する。
5)点検終了後は海水冷却水コックを必ず閉の位置にした後、エンジンを停止する。
6)本船水源からの清水ホースをはずす。
7)海水冷却コックを開にする。
8)エンジン停止後、排気管に溜まった水はドレン・バルブを開けて排出する。
(注意)本船側からの給水圧力は0.5kg/cm2以下で行うこと。
機関備品の検査
品物により数量、外観等現状を点検するもの、作動確認行うものありそれぞれ確認する。
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1.4.7. 電気部
バッテリー、室内灯、キャノピー灯、探照灯 |
バッテリーの電圧確認、充電状況の確認を行う。
点灯確認を行う。
バッテリー液の確認及び端子の緩みの点検を行う。 |
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1.4.8 海上試運転
海上試運転、艇振り出し降下、巻き上げ格納
本船放棄の訓練は規則により義務づけられている。舵手と指名された試験員は、進水、離脱及び回収を下記の要領で行う。
1)ダビットアームストッパーと固縛ワイヤーをはずす。
2)進水水域に障害物がないか確認する。
3)割り当てられた担当の船員が乗艇する。
4)搭乗ハッチとすべてのアクセスハッチを閉じる。
5)ダビットのコントロールワイヤーを引き、救命艇を水面に下ろす。
6)救命艇が着水したら: 操作銘板の手順に従って通常離脱(オフロード離脱)を行い、リフティングフックがサスペンションリングから離れているか確認する。
7)海上にいる間、その他の艤装品を規則に従い試験する。
8)フックをサスペンションリングに掛け、システムを復旧する。
9)必要に応じて: ボートを水面上30cmの高さに上げ、同じ操作銘板に記載の緊急離脱(オンロード離脱)手順に従い、再度離脱試験を行う。
10)フック復旧要領に従い、全般的にシステムを復旧する。
11)救命艇をダビットに収納する。
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※船舶検査の定期検査時等に試運転が行われるため、参考として試運転要領を掲載した。 |
1.4.9 オンロード離脱機能の作動試験
作動及びリセット操作手順、試験要領とそれらに基づく効力試験を行い作動が円滑に行えることを確認する。
.1 救命艇の質量が吊り索に実質的に掛かるよう、艇体が部分的に水面に接した状態において、水圧式インターロック(設置されている場合)を不作動状態にする。
.2 離脱装置を作動する。
.3 離脱装置をリセットする。
.4 救命艇を格納場所まで揚収し、使用可能な状態に格納する。
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※Circ.1093において、救命艇の作動試験の一環として行うため、一斉離脱装置の作動試験要領を掲載した。 |
1.4.10 オフロード離脱機能の作動試験
.1 救命艇を完全に水上に浮かべる。
.2 離脱装置を作動する。
.3 離脱装置をリセットする。
.4 救命艇を格納場所まで揚収し、使用可能な状態に格納する。
注: 巻き上げる前に、離脱装置が完全に又は正しくリセットされていることを確認する。 また、救命艇の最終引き込み作業は、乗艇者がいない状態で実施する。
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