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 肋骨の深さは甲板部、弯曲部、根元部と規則で決められており、根元の方が太くなります。深さの基準は中央部の肋骨でそれぞれの部分で決め甲板を、基点として各肋骨の深さを決めますので、・の短い肋骨は、根元でも中央より浅くなります。
 
 
 
 Rの小さい丸型湾曲や角型の船では定規の寸法丈では、弯曲部は見た目も細く、曲材の無い肋骨では大へん弱くなりますので弯曲部は1.5〜2倍の深さ寸法とし弯曲部の補強を考えておりました。
 下図の弯曲部の割増寸法(下図の矢印の斜線部)は現図場で対角線を表し、割増の消減されるフレームNo.を決め、燒定規でそれぞれの肋骨の割増し寸法を決めて、各型板に配分した訳です。之は補強もありますが、内面の湾曲面のRが強ければ縦通材の取付や縦通材の型状に影響します。
 
 
 洋型船の現図は、船の大きさ(甲板下)丈の面積を必要とするので、・を重ねて画いたり、縦のみ縮めて画いたりする場合があります。木船は現図型が多いので多くは重ね図が主の様です。鋼船の場合は専門の現図工という職種がありますが、木船では船大工が兼業です。設計図面が少ないのが常ですから規則も相当に知っておく必要が出ます。鋼船は黒板の現図ですが、木船は白木のまゝが多く、墨で画き、別の船の場合、床面を削ります。鋼船の燒定規(バッテン)は帶状の薄鋼板を用いますが、木船では木製を用う事が主です。之は果たして板類が良く曲るか否かの感じを得るのも必要とします。
 (鋼の場合は1枚の平板から曲面の多い(二次曲線の)ステムも加熱、冷却法で、曲げ加工が出来ます、言い替えれば、どの様な曲線もOKですが木材は不可です。)
 前頁の弯曲部内面の事を補足します。
 
 
 仮に内面を規定通り深さとした時はどの様な事が起きるかと云えば、この所に取付ける縦通材は内部の肋骨は良く密着しません。合せる為に縦通材を削りますと薄くなります。他の造船所は訳りませんが、私の居た所は、それぞれの材料の大きさを替えて発注し、角度、接面を削って密着させております。内面の(肋骨)Rはささほどキックなくても縦通材は相当に削らないと、密着は致しません。
 
 
 規則の巾は、内面の総巾を見ますので、総巾÷5の材料寸法の角材を取付けるとBの如く、必ず内面の接面や材料相互に隙間が出ます。この造船所では、1と5は規則の寸法で2.3.4はC図の様に之と回り大きい材料で肋骨との接面Rと材料相互の接面も角度を削って取付け、且つ縦通材内面はチョーナで削り反り鉋で仕上げて平滑としておりました。丁寧さも、これまで行えば、云う事なし?でしょう。
 176からの肋骨の説明は主として単材肋骨の事ですが2材合せとなれば、同じ様な肋骨を2組作る事になります。現図場での削り角は、次の肋骨迄と手前の肋骨までの2種の角度を定板に表しておりました。之は船首肋骨の場合、外面の曲線は全て中心へ〃〃と傾斜してますので、次の肋骨の角度丈で2材共に削りますと2材合せ肋骨全体の角度は幾分・開きの様になるものです。・に分けますとやゝ中心高の感じですが、外面の修正(ちような掛け)が仕易くなり、この方法が合理的であろうと思います。
 







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