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寸取棒
 8番針金などで手製で作ります。色々のボルト寸法を錐孔に差込んで孔口に引っ掛けて、手元の孔口を指で押え、引抜いて寸法を測ります。
 
 
砥石
 今は合成砥が相当に出廻っておりますが、当時は、まだ天然のものですから(但し金鋼砂砥は有ります)購入に当っては、よく吟味します。仕上砥は表面にマッチを摺って火が付くものが良いと云われたり・・・でもピンからキリまで多々です。特に中砥は常時使われるものですから、青砥とか寅砥とか、いろいろ云われ価格も様々です。良いものと悪いものは研ぎ上る時間が相当に違って来ますので、良品を選ぶ訳です。仕事の能率にも影響します。・・・という事で重要な道具なのです。天然の荒砥を使う人は少い様でした。大へん嵩張るし、金鋼砂砥の方が、よく研げますから之を多く用いておりました。この造船所は漆が多く使われてますので、砥石の台には漆接着をしております。砥石が薄くなっても割れずに使えます。
 
金砥
 呼名は一般にかなばんです。鉋のウラに出しに使うものです。(巾広ののみも使います)200L×50B〜60×10H位の市販で磨き鋼板です。鉋は刃が減って来ますと裏面の刃先平面部が無くなって来ます(2)、その際に平らな金敷に裏面を当て、表面から小槌で叩き(3)刃うらを凸出させ(4)、金剛砂と水を金砥の上にまぜ合せ添木で鉋刃を押えて研ぎ出し(5)ますとウラが出ます(6)
 (経験者でなければ難解と思うので図示します)
 
 
やっとこ、鋲切
 やっとこ は何に使われたのか良く訳りません。
 鋲切はやっとこ の先に刃が付いているもので洋型ボートなどの蒸し曲げ肋骨の外板釘=銅鋲 を切る道具です。4m/mφ位の鋲も有りますから、鋲切も大型です。
 
 
ワッシャ締
 鋲切の一工程前の作業用のもので鋲にワッシャを嵌め(孔経は鋲より多少大きめ)根元までワッシャを叩き込む道具です。
 







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