ポンコチ
之は洋式のコーキング用のハンマー(木槌)で当時は船具店でも有り、現在でも木甲板の有る鋼船の甲板長倉庫用品には備えている筈です。大工さんの自作が多かったのは、案外と高価であったのかも知れません。外板用は大、甲板用は小であると存じます。和船もこの方が使い易い場所も有り、(敷無玉のノミウチ)小の方を使っていた様です。
◎ここで前 頁に出て来る、檜皮、ホーコン・・・などについて説明を入れます。
檜皮
ひのきの皮と存じます(まきはだと本州で言う)長さ8寸〜1尺とし皮を良く叩いたもので柔かく〃〃したものと、之を縄状に編んだものの2種が有ります。編んだものは合せ目の大きい所に使います。
現在でも木船が有るから市販あり
ホーコン
麻くずを経12〜15φm/mのフワ〃〃のひも状とし鑛油を浸み込ませたものです。専ら洋型木船用です。和船には使う事は殆んど有りません。(漆の粘着が不良になる傾向あり)
パテ
粘土(石灰)と魚油などを混合したゴム粘土状のもので外板や甲板の、のみうち、などのあとに充填するもので、冬期は暖めて柔かくして使った。
〔見聞〕
・インドネシアの木船はホーコン、パテは日本と同じ様である。
・ベトナムの木船は木綿糸屑の充填物が多かった。パテは石灰と椰子油をこね合わせたもので漆以上の優秀品であった。のみうち道具は日本とやゝ同じ(和)。又和漢船用集に有る笳打竹ようのもあり、紫檀製で、主としてならしのみとして使う。
・関西、本州方面
戦中、関西方面よりノミウチ専門の職人が来たが、ゴマカシ多しと当地の職人は信用しなかった。
本州方面の和釘も形態がやゝ違う様なので鍔ノミ類も相当に違うものと思う。
頭錐
ハンドドリル用として色々の形のものが市販されていたが、今は余り見かけないものに下記(1)のものが有ります。又、1寸以上のものでこの工場丈の特注かと思うもので、3分〜4分〜5分ボルト用の手廻し頭錐(2)が有ります。
長錐
之は船用?であらうか・・・と思われますが、3分のボールトに対し2分8、4分のボールトに対し3分8、と云う様にひとまわり経の小さい錐で長さは1尺6寸程、錐先は右の様になっております。
玄能
の様な形で後の角型の部分は釘締め用として使います。
ハンマー
近来は余り見かけませんが渡来型です。
(木工の間ではダルマハンマーと呼ぶ)
|