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 敷を構成する個々の材の仕上げは、鉞、ちようなで仕上げ、接手は木挽鋸で成形し、合せ目は更に片面のみ平滑に鉋で仕上げ合せられる反対面は后で述べる様な作業となります。
 
 
 この木挽鋸で1,500mの接手を挽くというのは、充分乾燥した厚さ9寸のブナ材なのです。相当に腕力を要する仕事です。前頁にイレコの画を入れましたが、原木の曲りでの丸味の面が付いたり、木の割れ目が出たり、節が有ったりした場合に、このイレコを釘止后、ノミウチしてうるしを合せ目に充填します。釘は出来る丈表面に出ない様な方法で打込みます。この作業は無玉の場合も同様ですが、材料が4寸という敷の半分以下ですから、時には節が大きくて裏まで通っているものなどは掘り抜いて、同質材を嵌込みます。之等のキズは造船所も、船主も好みませんから、キズ物は比較的少ないものでした。無玉は底面丈に縫釘が配置されますが厚さの大きい敷は両面となります。その場合の釘や鎹は図の様に交互となります。敷の組立は前記図の様に各材を横に立て、一材づつ通し鋸で合せ(この鋸での摺合せ作業を通し鋸を通す、鋸を通すと呼びます)釘、鎹の位置などは后記のくじ引き作業時に全て印を入れます。説明が后になりましたが、1.総巾を決めながら、横並べにして、各材の削り代を決め、(2)釘位置や鎹位置を決めたら、之等を外し巾を削り(厚さは第一番に仕上げておく)2.ダメを彫り、イレコを終了し、3.鍔ノミで釘孔をあけ、4.再び横並べにして、5.中心になる敷を先に構成し(接手を接合する)、6.側の敷を乗せて合羽摺りを終え、7.釘止(落し釘)を完了し、8.更に・(又は)の敷も同様に取付け、9.横立ての敷(又は無玉)を反転、10.反対舷の側敷を7.8.と同様に取付け、11.12.平面に盤木を置き下向の釘を打込み、13.(敷の裏側を反転させて同様作業)、14.鎹を埋込む・・・という様な順で敷(又は無玉)を仕上げる訳です。長さ40何尺×巾5尺×厚9寸というものは相当の重量であり、チェンブロックを2丁〜3丁使っての作業となります。上記の説明は少々訳り難いので図で書いてみます。(無玉は片面縫釘ですが同じ様な作業)
 
無玉の矧合せ
 







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