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和形船々底のこと
 和漢船用集には、色々呼名の事が有りますが、造船場で使っていた言葉を元として表記します。ひらだ底、無玉底、敷底の種類が有ります。ひらだはこの言葉自体でこの種の船をその様に呼ぶのが一般です。多くは河舟などであり、海舟に有るとしても極く限られた磯廻り舟丈です。他にラッコ猟のボートにも平田底が見られます。
 
 
ひらだ船
 
 
 追上げの曲げ方は、上面に暑さの20%位の鋸目を入れ下部は40%位の鋸目を入れ所定の追上げ寸法となるまで何度も鋸摺りをする。
 この繰返し作業で、ツカセ(支柱)で押上げ、所定の寸法の見込が付いた所で上面の鋸目には一旦所定の高さまで仕上げ若干下げてウルシを挟み塗付し、下面は木の矢板を嵌込む。
 (ウルシ付)追上げを付けるのは舟の旋回をよくする為と思います。
 
○ラッコボート(参考)は縫針を使わない替り、肋骨は500m/m位の間隔で入っており、底の合わせ目には材木を取付けております。又、母艇へ収納時の為にビームは無く突起物はオールクラッチ丈(漕手は櫂を前方へ押して船を進める。)で、之は資料から判断すると、北米、東海岸地方の漁艇doryそのままの構造の様です。(呼名もドウリイです。)
 







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