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2002/01/30 産経新聞朝刊
【主張】問題教師 すみやかに教壇から外せ
 
 東京都国立市の小学校で、児童の足をけったり、抱きかかえて落とすなどの暴力行為を繰り返していた男性教師の存在が明るみに出た。別の小学校で児童が校長に土下座謝罪を求める事件が発覚した同市だが、教育現場はまだ完全には立ち直っていないようだ。
 この教師は、児童が絵の具を床にこぼしただけで授業や試験を受けさせなかったり、忘れ物をした児童に「学校やめろ」と暴言をはくなど、異常な行動が目立ったという。子供に対する愛情は見られず、明らかに問題教師といえる。なぜ教壇から排除されないのか、学校の常識が疑われる。
 同校は日教組などに属する教職員組合の勢力が強い国立市の中でも、組織率が80%と突出して高く、しばしば校長の権限を無視した組合主導の学校運営が行われ、問題の男性教師は組合活動の中心的存在とされる。校長はこうした異常な状態を改め、自らの毅然とした指導により問題教師を排除すべきである。そのためには、市教育委員会の支えも必要になろう。
 国立市の小中学校では昨春、五十年ぶりに国旗・国歌を伴う卒業・入学式が行われ、一部の学校で学級崩壊から立ち直った事例が報告されるなど、正常化に向かっていることは確かだ。しかし、教師間の非常識な現金授受が発覚するなど、教師の問題行動が相次いでいる。校長や市教委には引き続き、強力な指導が求められる。
 問題教師に手をやいている例は、国立市に限らない。千葉県では、子供を「ゴミ」「クズ」と呼んだり、卒業式に日の丸・君が代反対のゼッケンをつけて出席するなどの問題行動を繰り返していた男性教師が二十年以上も小学校教師を務め、四十九回目の処分を受けた時点で現場から外された。「紙上討論」と称する社会科の授業で反日的な教育を行っていた東京都足立区の女性中学教師は、授業に疑問をもつ母親を中傷するプリントを配り、生徒が転校を余儀なくされたことから、教育委員会が動き、研修を命じられた。
 問題教師といえば、性犯罪などで逮捕された教師らをイメージしがちだが、刑事事件になりにくいケースは容易に発覚しない。親は子供を学校に預けっ放しにするのではなく、授業などにもっと関心をもってほしい。


 
 
 
 
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