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2002/08/23 毎日新聞朝刊
[解説]文部科学省が「発展的な学習」指導資料作成 ゆとり教育、骨抜きも
 
 文部科学省が作成した「発展的な学習」の指導資料は、教科書検定で削除した内容を補充し、「できる子」に指導要領の範囲を超えた内容を教えるのを促すもので、新指導要領の導入による「学力低下」の懸念を払しょくするのが狙いだ。しかし、全国の学校が発展学習を一律に導入すれば、教員の負担が増加するほか、ゆとりを生み出すとされている新指導要領の骨格が崩れる恐れもある。
 同省は、発展学習などの指導をグループ別や習熟度に分けた授業で実施することで効果を高めたい意向だ。しかし、算数や理科などで少人数指導を行うために教員数を増やした学校は、昨年度末までで小学校の46%、中学校の74%にとどまり、少人数指導ができる態勢にない学校も残っている。発展学習を学ぶ子と学ばない子で、学力格差が生まれる可能性もある。
 さらに同省は、小学校で05年、中学では06年から使われる教科書で、1割を上限に指導要領を超えた学習内容を盛り込むことも認めている。こうした学力低下の批判をかわすための施策は、一つ間違えば、できる子向けの発展学習を学校が過度に重視することになりかねない。
 「基礎・基本を徹底して身に着けさせる」という新指導要領の趣旨を徹底し、バランスのとれた授業展開が望まれる。 【澤圭一郎】


 
 
 
 
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