2003/05/03 毎日新聞朝刊
自民党憲法調査会・憲法改正素案(要旨)
自民党憲法調査会のプロジェクトチームが作成した憲法改正草案の素案要旨は次の通り。
一、国家体制
(1)主権は国民に存する。
(2)天皇を元首とする。
(3)日本国は道州で構成される。
(4)日の丸を国旗、「君が代」を国歌とする。
二、国民主権
(1)国家統治に関するすべての権力は国民によって行使される。
(2)(3)略
三、天皇
(1)天皇は日本国の元首である。
(2)天皇は日本国の伝統・文化の象徴である。
四、道州制
(1)日本国を構成する道州は以下のとおりとする。北海道、東北州、関東州、東京特別州、北陸信越州、東海州、近畿州、中国州、四国州、九州。
(2)略
五、安全保障
(1)日本国は正義に基づく国際秩序の形成・維持、発展に主導的な役割を果たすように努めるとともに、確立された国際機構の運営及び活動には戦力の使用を含む責任ある立場で積極的に参画する。(集団安全保障)
(2)日本国は自らの独立と安全を守り、急迫不正の侵略に対してはこれに対抗し防衛する権利を有する。(自衛の権利)
(3)日本国は国家防衛の目的に即し他国と同盟を組むことができる。(集団自衛権)
(4)日本国は陸海空3軍その他の戦力を持つものとする。
(5)地球環境を破壊し、地球の安全を脅かすような行為はこれを認めない。(地球安全保障)
(6)略
六、国民の権利及び義務
(1)国民は国家を防衛する義務を有する。
(2)国民は公共財の保守に資する義務を負う。
(3)何人も名誉・信用その他人格を不当に侵害されない権利を保障される。
(4)家族は社会を構成する最も基本的な単位である。何人も各自、その属する家族の運営に責任を負う。
(5)何人も良好な環境を享受する権利を有するとともに、良好な環境を保持し、かつわれわれに続く世代にそれを引き継いでいく義務を有する。
(6)略
七、国会
(1)衆議院 略
(2)参議院
(1)参議院は道州政府の構成員並びに道州ごとに行われる選挙により選出された議員でこれを構成する。
(2)(3)略
(3)衆参両院合同委員会
(1)国家非常事態に備えるため、国会に衆参両院合同委員会を置く。
(2)略
八、司法
(1)すべて司法権は憲法裁判所、最高裁判所及び法律で定めるところにより設置するその他の裁判所に属する。
九、行政
(1)内閣は法律に基づいて行政権を行使する。
(2)内閣総理大臣は国家の独立と安全保障または国民の生命、身体もしくは財産に切迫した影響を及ぼす緊急事態が発生した場合において、国家非常事態命令を発動することができる。
(3)〜(8)略
十、財政 略
十一、改正
(1)衆・参両議院のおのおのにおいて在籍議員の3分の2以上の出席の上で出席議員の3分の2以上の賛成により改正される。
(2)衆・参両議院のおのおのにおいてその在籍議員の3分の2以上の出席の上で出席議員の過半数により改正案を国民に提案して国民の承認を得て改正される。
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