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1993/03/03 毎日新聞朝刊
財界でも改憲論議を――経済同友会が提言
 
 経済同友会は二日、新しい日本の在り方をまとめた提言書を発表した。提言は「憲法についての議論を避けて通るべきではなく、現行憲法の問題点について経済界も真剣に議論することが必要」とし、憲法改正を視野に入れた検討を行うべきだとの主張を盛り込んだ。経済団体としては日本商工会議所が一昨年九月、国連平和維持活動(PKO)への参加に関して「現行憲法には疑義がある」と改憲論議の必要性を明らかにしており、今後、経済界でも改憲問題が大きなテーマになりそうだ。
 ここでは「新しい現実に直面している社会を旧態依然とした法規に合わせて改善しようというのは本末転倒。しかも法制の基本は憲法である」との認識に立ち「憲法は我々の幸福を合理的に追求する手段としてとらえなおすべき段階」と指摘。さらに「真に憲法をまもるということは、憲法の文言をいつまでも変えないということではない」とし「国民の権利と義務、日本の独立性、安全保障の問題、国際連合憲章との関係など現行憲法の問題点を議論することは極めて重要」と改憲色を強くにじませている。
 改憲論者として知られる賀来竜三郎副代表幹事(キヤノン会長)は「独立国の憲法が必要で、憲法論議は改憲につながっていく」と明言。ただ経済同友会内部でもこの提言書の内容については慎重論もあり、経団連の平岩外四会長も「改憲を前提にする議論はよくない」としている。速水優代表幹事は同日の会見で「憲法議論は、今年最大のテーマになると思うので、憲法問題を含めた新しい国家像を検討する委員会の設置も進めている。(憲法を)見直す必要もあるだろう」と述べた。


 
 
 
 
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