(5)浄化船による海水浄化実験の見学
カブトガニの生息地である笠岡湾の水質改善を目的として、浄化船を使った浄化実験が行われてた。浄化の仕組みはまずポンプで海水を汲み上げ、炭素繊維で細かい粒子を水中から除去する。その後、海砂とスラグを使った38の浄化ユニットで水をろ過し、船底から処理水を戻すというもの。笠岡湾の海水は濁質成分が多く、その濃度は15mg/Lで、処理を行なうと0.5mg/Lにまで低下するいう。この施設を24時間稼働させ、実験期間の3ヶ月間で笠岡湾318万tの海水の3分の1100万tが処理される予定。この現地実験にあわせて、博物館では処理した水や泥を使用して、カブトガニの成育実験も行なっている。総費用約1億円。
【実験概要】
■研究機関
東海大学海洋学部、(独)農業工学研究所、笠岡市カブトガニ博物館
■研究協力企業
青木マリーン(株)、日本海工(株)、興亜開発(株)
■実験期間
平成14年7月1日・10月31日
■紹介HP
写真6.12 浄化船内の濁質除去繊維
写真6.13 浄化船内の濁質除去システムの説明
写真6.14 浄化船
(6)本セミナーのふりかえり
参加者が感じたことなどを参加者間で共有し、さらにカブトガニの保護や海域環境の保全について考えを深めることを目的に、帰りのバス車中で参加者の感想を読み上げた。
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