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湖沼環境の基盤情報整備事業報告書?豊かな自然環境を次世代に引き継ぐために?

 事業名 湖沼環境の基盤情報整備
 団体名 日本水産資源保護協会 注目度注目度5


5)独立行政法人水産総合研究センター養殖研究所日光支所の沿革
 独立行政法人水産総合研究センター養殖研究所日光支所の歴史は、奥日光湖沼群、特に中禅寺湖への冷水性魚類の放流の歴史であると同時に陸水学、生物学の歴史でもある。研究範囲は多岐に亘り、放流種苗の確保から始まり、放流に伴う適地選定、放流対象種の生物学的生態学的知見の確立、放流地域環境の把握といった様々な研究が行なわれてきている。明治の年代には多種のサケ・マス類が放流され、卵から稚魚放流への研究が行なわれた。1890年(明治23年)には宮内省が設置したふ化場を菖蒲ヶ浜に移転し本格的なふ化放流が始まっている。表4-5-1に日光支所の沿革を示す。実際に研究機関として機能したのは1964年に水産庁淡水区水産研究所日光支所となってからである。
 
表4-5-1 日光支所の沿革
年 号 西暦  
明治14年 (1881) 農商務省水産局が深沢(馬返の上流)にふ化場を設置。
明治21年 (1888) 奥日光官有地(中禅寺湖、湯ノ湖を含む林野)が御料地となり皇室財産として宮内省所管となる。
明治23年 (1890) 宮内省御料局が深沢のふ化場を現在の菖蒲ヶ浜に移築。
明治39年 (1906) 宮内省御料局直営日光養魚場が発足する。
明治40年 (1907) 日光中宮祠湖漁業取締規則制定される。
明治41年 (1908) 御料局が帝室林野管理局と改称する。
大正3年 (1914)  帝室林野管理局東京支局日光出張所養魚場となる。
大正10年 (1921) 帝室林野管理局宇都宮出張所の日光養魚場となる。
大正13年 (1924) 帝室林野管理局を帝室林野局と改称し東京支局を置く。
昭和22年 (1947) 財産税法の施行により奥日光の皇室財産が一括国に物納され中禅寺湖は大蔵省所管の普通財産、湯ノ湖を含む林野が農林省所管林野庁企業用財産となる。
昭和24年 (1949) 国の組織再編により水産庁日光養魚場となる。
昭和39年 (1964) 水産庁日光養魚場は廃止され水産庁淡水区水産研究所日光支所となる。業務は養魚場の種苗生産事業から冷水性魚類の生理生態学的研究を推進することとなる。
昭和54年 (1979) 水産庁養殖研究所の設立により同所日光支所となる。
平成13年 (2001) 中央省庁等改革による試験研究機関の独立行政法人化によって独立行政法人水産総合研究センター養殖研究所日光支所となり現在に至る。
出典:独立行政法人 水産総合研究センター養殖研究所日光支所公式ホームページから
 
写真:ふ化場と養魚池 日光養殖場6号池
(昭和6年10月 帝室林野局東京支所撮影)
 
(2)研究業績
 中禅寺湖を中心とした奥日光湖沼群を対象とした研究として公表されたもののうち最古のものは、1889年(明治22年)奈佐忠行著中禅寺湖(地学雑誌)である。
 日光支所に保管されている1908年(明治41年)の公文書「第1期日光養魚場報告」では当時の日光養魚場の放流事業、中宮祠湖(当時の中禅寺湖の呼び名)の現況などが記されている。
 
写真:公文書「第一期日光養殖場報告」(養殖研究所日光支所 蔵)
 
 1993年(平成5年)、水産庁養殖研究所が日光支所を中心に行なわれた研究成果を文献目録としてまとめている。この文献目録では研究分野を16に分類している。年度別に研究分野をまとめたのが、図4-5-1である。
 
図4-5-1 日光支所における研究分野別経年変化
 
 図4-5-1を見ると、各年度毎にだいたい5〜7種の研究成果がみられ、地域的な関係から冷水性魚類の生理・生態的な研究が多い。これを分野ごとに分けて図4-5-2に示す。
 
図4-5-2 日光支所における研究分野別関係論文数
 
 最も多い関係論文は河川湖沼学で、特に1966年(昭和41年)から湯ノ湖をフィールドとして、日本学術会議の国際生物学事業計画(IBP)特別委員会の下部機構陸水群集生産力分科会が、文部省特定研究費「生物圏の動態」を受けて1966年(昭和41年)から実施した研究成果が多く含まれている。
 
 この研究は「湯ノ湖の生物群集の生産力に関する研究」として、約45編が掲載されている。他の分野では主にサケ・マス類の遺伝・育種についての研究内容が多く、特に平成元年前後に集中する。これは1980年代から急速に発展した遺伝子解析技術の進歩と対応している。昭和40年代(1965-1974)には親魚養成、50年代(1975-1984)に生理・放流・飼料と研究が多岐に亘っており、研究内容の大部分が日光支所でのサケ・マス類に関連した研究内容といえる。昭和40年から50年代ではサケ・マス類の生産機構・管理が中心課題となっており、50年代には環境保全が組み込まれている。1980年(昭和55年)から現在まで「増養殖技術の基礎の確立」の課題を基に、種苗生産・環境収容力・新品種・大量培養についての研究が行なわれ、1990年代には生体・環境制御技術の研究が実地されている。
 このように、冷水性魚族、特に、サケ・マス類の生理、生態研究については日光支所を中心に実地され、多くの新しい知見、技術が確立され、その成果を基に、特に中禅寺湖では漁場管理、環境管理が実地されている。







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